1937年9月に録音された音楽

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1937年9月に録音された音楽

1937年9月は、日中戦争(Second Sino-Japanese War)の上海戦(Battle of Shanghai)が続き、中国大陸での戦闘が国際政治の焦点となっていました。9月1日には、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)がアメリカ合衆国住宅法(United States Housing Act of 1937)に署名し、低所得層向け公共住宅政策が制度化されました。9月2日には1937年香港台風(1937 Great Hong Kong Typhoon)が香港を襲い、大規模な人的被害を出しました。スペイン内戦(Spanish Civil War)をめぐっては、9月10日–14日にニヨン会議(Nyon Conference)が開かれ、9月14日にニヨン協定(Nyon Agreement)が成立しました。文化面では、9月21日にジョン・ロナルド・ルーエル・トールキン(John Ronald Reuel Tolkien, 1892–1973)の『ホビットの冒険(The Hobbit, or There and Back Again)』が刊行されました。9月28日にはフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)がボンネビル・ダム(Bonneville Dam)で演説し、ニューディール政策(New Deal)下の公共事業を象徴する出来事となりました。

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1937年9月の録音に関する情報のまとめ

1937年9月の録音活動では、アメリカ合衆国のアールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Company, Inc.)、アメリカン・レコード・コーポレーション社(American Record Corporation)、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)に加え、イギリスのエレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ社(Electric and Musical Industries Ltd.)系レーベル、フランスのスウィング(Swing)周辺で、ジャズ、スウィング、映画主題歌、ポピュラー・ヴォーカルの録音が続いていました。各社の活動は、個別曲の網羅よりも、1930年代後半のレコード市場でどの録音分野に重点が置かれていたかを示す材料として重要です。

アールシーエー・マニュファクチャリング社

アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Company, Inc.)では、ヴィクター(Victor)とブルーバード(Bluebird)を中心に、スウィングとポピュラー音楽の録音が継続していました。1937年9月には、ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and His Orchestra)、ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズム(Fats Waller and His Rhythm)、トミー・ドーシー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Tommy Dorsey and His Orchestra)などの録音が確認できます。特に、ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)とトミー・ドーシー(Tommy Dorsey, 1905–1956)の録音は、1937年時点で大手レーベルがスウィングを主要な商業ジャンルとして扱っていたことを示しています。ブルーバード(Bluebird)では、同時期に五線譜型ラベルの商標関連資料も確認でき、低価格レーベルの商品表示面でも動きがありました。

アメリカン・レコード・コーポレーション社

アメリカン・レコード・コーポレーション社(American Record Corporation)では、ブランズウィック(Brunswick)とボーカリオン(Vocalion)を中心に、ジャズ録音が継続していました。1937年9月には、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)のボーカリオン(Vocalion)録音、アーティ・ショウ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Artie Shaw and His Orchestra)のブランズウィック(Brunswick)録音、デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Duke Ellington and His Famous Orchestra)のブランズウィック(Brunswick)系録音が確認できます。ビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)とデューク・エリントン(Duke Ellington, 1899–1974)の録音は、同社が1937年秋にもジャズの主要演奏家を継続的に扱っていたことを示す重要な例です。

デッカ・レコード社

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)では、1937年9月に映画音楽、ポピュラー・ヴォーカル、ジャズ小編成の録音が確認できます。ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903–1977)は、ジョン・スコット・トロッター・アンド・ヒズ・オーケストラ(John Scott Trotter and His Orchestra)とともに映画関連楽曲を録音しており、映画産業とレコード産業の結びつきを示しています。また、チック・ウェッブ・アンド・ヒズ・リトル・チックス(Chick Webb and His Little Chicks)の録音は、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)が大編成だけでなく小編成スウィングの市場にも対応していたことを示す例です。

エレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ社

エレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ社(Electric and Musical Industries Ltd.)系のパーロフォン(Parlophone)、コロムビア(Columbia)、ヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)では、1937年9月にロンドン録音が複数確認できます。ナット・ゴネラ・アンド・ヒズ・ジョージアンズ(Nat Gonella and His Georgians)のパーロフォン(Parlophone)録音は、イギリスのジャズ/ダンス音楽録音の継続を示しています。ラリー・アドラー(Larry Adler, 1914–2001)のコロムビア(Columbia)録音は、ハーモニカを前面に出したジャズ/ポピュラー録音として特筆できます。ジャック・ハリス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Jack Harris and His Orchestra)の録音も、同社系レーベルが当時の英米ポピュラー楽曲をロンドン録音として扱っていたことを示しています。

スウィング

フランスのスウィング(Swing)では、1937年9月にジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt, 1910–1953)とステファン・グラッペリ(Stéphane Grappelli, 1908–1997)を中心とする録音が確認できます。これらの録音は、フランスにおけるホット・ジャズ録音の展開を示す重要な資料です。エディ・サウス(Eddie South, 1904–1962)を含む同月の録音もあり、アメリカ系ジャズ語法とヨーロッパの弦楽器中心のジャズ表現が結びついていたことを示しています。