1892年10月に録音された音楽

この記事は約3分で読めます。
スポンサーリンク

1892年10月に録音された音楽

1892年10月は、印刷メディアと儀礼が大衆化する動きが目立ちます。アメリカ合衆国では、ユースズ・コンパニオン(The Youth’s Companion)の学校行事で、フランシス・ベラミー(Francis Bellamy, 1855–1931)の文案によるアメリカ合衆国国旗への忠誠の誓い(Pledge of Allegiance)が全国の児童に唱和され、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus, 1451–1506)の航海400年記念とも結びつきました。ロンドンではアーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle, 1859–1930)の短編集『シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)』が刊行されます。同時期、トーマス・エジソン(Thomas Edison, 1847–1931)のフォノグラフ関連特許(アメリカ合衆国特許第484,585号(United States Patent No. 484,585)など)が1892年10月18日に成立し、音の再生機構も更新されました。1892年10月14日の中央バルカン半島の地震や、ウルグアイ東方共和国の著作権関連法令の採択は、社会の基盤が自然と制度の両面で動いていたことを示します。

この月の確認されている録音:0曲

1892年10月の録音に関する情報のまとめ

1892年10月の「録音そのもの」を日付つきで裏づけられる資料は多くありませんが、当時のレパートリー告知やカタログ、特許資料から、録音産業が演目の多様化と装置改良を並行して進めていた様子が追えます。以下は、月単位での手がかりが確認できる、または月との関係が明記された資料に基づくトピックスです。

コロンビアのバンジョー名義

コロンビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)の動向として、1892年10月に「バンジョーと歌」の録音がA.I. リーブス(A.I. Reeves, 生没年不明)名義で告知され、同社がバンジョー奏者を個人名で特定した最初期の例になったと整理されています。曲種(バンジョー、歌)と個人名を結びつける告知は、演者情報そのものが商品価値になり始めた局面を示します。

エジソンの特許成立

技術面では、トーマス・アルバ・エジソン(Thomas Alva Edison, 1847–1931)のフォノグラフ関連特許が1892年10月18日に成立しており、たとえばアメリカ合衆国特許第484,585号(United States Patent No. 484,585)は同日付で「Phonograph」として公開されています。録音の周辺では、記録媒体だけでなく再生機構の安定化が流通品質を左右するため、こうした改良の積み重ねがのちの大量頒布の前提になっていきます。

ニュージャージーのカタログ言及

アーキオフォーン・アウトテイクス(Archeophone Outtakes)の記事では、ニュージャージー・フォノグラフ・カンパニー(New Jersey Phonograph Company)の「1892年10月カタログ」として、チャールズ・A・アズベリー(Charles A. Asbury, 生没年不明)の選曲が16件掲載された旨が述べられています。月の明記は同記事に依拠しますが、同社カタログという形で「提供曲目」を束ねる行為自体が、録音を商品として整理し流通させる実務の一端を示します。