1895年6月に録音された音楽

この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

1895年6月に録音された音楽

下関条約(Treaty of Shimonoseki)後の東アジアでは、日本が台湾の占領を進め、台北への進出を通じて新たな植民地統治の現実が立ち上がりました。ヨーロッパでは、ヴィルヘルヘルム2世(Wilhelm II, 1859–1941)が1895年6月20日にキール運河(Kiel Canal)を開通させ、海軍力と物流の結節点を更新しました。この式典はバート・エーカーズ(Birt Acres, 1854–1918)によって撮影され、出来事が映像で複製されて広まる回路が強まります。アフリカでは第二次マダガスカル遠征(Second Madagascar expedition)が続き、ライニライアリヴォニ(Rainilaiarivony, 1828–1896)が1895年6月29日にツァラサオトラ(Tsarasaotra)で抵抗しました。

この月の確認されている録音:0曲

1895年6月の録音に関する情報のまとめ

1895年6月は、エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851–1929)が関わったベルリナー・グラモフォン・カンパニー(Berliner Gramophone Company)の7インチ片面盤で、語り物と器楽曲の初回録音日が具体的に残る月です。同時に、ユナイテッド・ステーツ・グラモフォン・カンパニー(United States Gramophone Company)によるリスト類の存在が示され、円盤レコードが録音物であるだけでなく、流通のための「番号体系と商品目録」をまとい始めたことが読み取れます。

ベルリナーの6月19日録音:ジョージ・グラハムの語り物

ベルリナー・グラモフォン・カンパニー(Berliner Gramophone Company)のマトリクス番号626には、ジョージ・グラハム(George Graham, 生没年不明)による「オークショニア(Auctioneer)」が、1895年6月19日の初回録音日として示されています。マトリクス番号628でも同日付で「ストーリー・オブ・ア・トランプ(The story of a tramp)」が掲げられ、録音地はワシントン(Washington, District of Columbia)、ニューヨーク(New York)、フィラデルフィア(Philadelphia)のいずれかとされていて確定していません。

ベルリナーの6月28日録音:行進曲・ギャロップの器楽録音

1895年6月28日を初回録音日とする7インチ片面盤として、「キャリロン・ギャロップ(Carillon gallop)」「ハネムーン・マーチ(Honeymoon march)」などの器楽曲が挙げられています。さらに「ディレクトレイト・マーチ(Directorate march)」は、ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa, 1854–1932)の作品として同日付の録音が示され、行進曲レパートリーが円盤レコードの主要な「型」になっていく過程が見えてきます。

1895年6月10日付リストが示す「カタログ化」の進行

「ベルリナー・ユーザーズ・ガイド抜粋(Berliner User’s Guide [excerpts])」では、ユナイテッド・ステーツ・グラモフォン・カンパニー(United States Gramophone Company)の「Supplementary List of Records」が1895年6月10日付で挙げられています。録音物が番号と分類で整理され、既存カタログの補遺として更新される仕組みが見える点で、1895年6月は「録音」と「商品目録」が並走し始めた局面として位置づけられます。