1898年8月に録音された音楽
1898年8月、スペイン=アメリカ戦争(Spanish–American War)をめぐり、アメリカ合衆国(United States of America)とスペイン王国(Kingdom of Spain)はワシントンで休戦条件を定めた議定書に署名し、戦闘停止へ進みました。太平洋ではマニラの戦い(Battle of Manila)でスペイン側守備隊が降伏し、アメリカ合衆国がマニラを占領しました。12日にはハワイ併合(Annexation of Hawaii)の主権移転の式典が行われ、太平洋戦略と通商の前提が更新されます。欧州ではドレフュス事件(Dreyfus affair)で証拠捏造を告白したユベール=ジョゼフ・アンリ(Hubert-Joseph Henry, 1846–1898)が1898年8月31日に獄中で自殺し、政治と世論の対立が先鋭化しました。科学では(433)エロス(433 Eros)が1898年8月13日に発見され、近地球小惑星の研究史に重要な節目を残しました。産業面ではグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(Goodyear Tire and Rubber Company)が1898年8月29日に創業し、近代的なゴム工業の拡大を象徴します。東アジアでは清朝(Qing dynasty)の戊戌の変法(Hundred Days’ Reform)が1898年6月11日–9月21日の枠内で進行し、8月も改革勅令の連鎖が続きました。
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1898年8月の録音に関する情報のまとめ
1898年8月の録音は、資料によって「年月のみ(8月)」までしか確定できない例と、日付や場所まで示される例が混在します。以下では、カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館(University of California, Santa Barbara Library)が公開するディスコグラフィ・オブ・アメリカン・ヒストリカル・レコーディングス(Discography of American Historical Recordings)の掲載情報を中心に、1898年8月と明示される録音トピックを整理します。
カル・スチュワートのコミック・モノローグ(1898年8月)
ディスコグラフィ・オブ・アメリカン・ヒストリカル・レコーディングス(Discography of American Historical Recordings)のマトリクス一覧には、カル・スチュワート(Cal Stewart, 1856–1919)によるコミック・モノローグ(Comic monologue)「A talk, no. 3」などを、録音時期「1898年8月」とする項目が確認できます。月単位の付記であるため厳密な日付までは確定できませんが、同時期に語り物録音が継続的に制作されていたことを示す手がかりになります。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/matrix/index?Matrix%5BAudio%5D=1&Matrix%5BCompany%5D=Berliner&Matrix_sort=MatrixNumberNum.desc
- https://en.wikipedia.org/wiki/Cal_Stewart
「Take your clothes and go」の録音時期(1898年8月)
同じくディスコグラフィ・オブ・アメリカン・ヒストリカル・レコーディングス(Discography of American Historical Recordings)のマトリクス一覧では、ジョン・テレル(John Terrell, 生没年不明)による男性独唱(Male vocal solo)「Take your clothes and go」を、録音時期「1898年8月」として掲げる表示が確認できます。マトリクス詳細(別ページ)では、録音時期が「1898年8月–1899年3月」の範囲で示される例もあり、同一タイトルでも資料側の確定度が一様ではない点に注意が必要です。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/matrix/index?Matrix%5BCompany%5D=&Matrix%5BDateGroup%5D=&Matrix%5BLanguage%5D=&Matrix%5BMainTalentDisplay%5D=&Matrix%5BMatrixSeries%5D=&Matrix%5BRecordingSeries%5D=&Matrix%5BType%5D=&Matrix%5BhasAudio%5D=1&Matrix_page=2&Matrix_sort=FirstTakeDate
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/matrix/refer/2000149380
ゾノフォン名称の使用開始主張(1898年8月11日)
ディスコグラフィ・オブ・アメリカン・ヒストリカル・レコーディングス(Discography of American Historical Recordings)の解説資料では、ユニバーサル・トーキング・マシン・カンパニー(Universal Talking Machine Company)が、商標出願上の綴りにハイフンを含まない「Zonophone」名称の使用開始日を1898年8月11日と主張した、という記述が確認できます。一方で同資料は、ナショナル・グラモフォン・カンパニー(National Gramophone Company)側の広告(1898年2月24日付)で既に名称が用いられていた可能性にも触れており、「1898年8月11日」は確定した“初出日”ではなく、特定当事者の主張として扱うのが安全です。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/resources/detail/403
- https://www.loc.gov/collections/emile-berliner-and-the-berliner-gramophone/about-this-collection/
