1899年8月に録音された音楽
1899年8月は、政治・社会の緊張と、近代インフラが抱えるリスクが同時に表面化した月でした。8月6日、アメリカ合衆国コネチカット州ストラトフォード近郊で路面電車が橋から転落する大事故が起き、多数の死傷者を出しました(近代交通の安全問題が強く意識されました)。8月7日には、アルフレッド・ドレフュス(Alfred Dreyfus, 1859–1935)の再審軍法会議がフランス共和国レンヌで始まり、国内世論の分断を引き続き象徴しました。さらに同8月7日、アメリカ合衆国はグアム島でリチャード・フィリップス・リアリー(Richard Phillips Leary, 1842–1901)を初代の海軍総督として着任させ、統治体制を実務面で本格化させました。8月8日にはサン・シリアコ・ハリケーンがプエルトリコを襲い、甚大な被害と社会的混乱を招きました。海運面では、8月7日のイギリス議会で、船舶喪失と多数の死者に関する質疑が行われ、航海の危険と制度的対応が論点になっています。産業・経済の側面では、8月19日にヘンリー・フォード(Henry Ford, 1863–1947)が職を辞し、デトロイト自動車会社(Detroit Automobile Company, 生産企業としての正式名称)組織に関与したことが後年の自動車産業の基盤形成につながりました。
この月の確認されている録音:0曲
1899年8月の録音に関する情報のまとめ
1899年8月に一次資料で月日まで確認できる録音関連トピックとして、セルロイドを用いたシリンダー複製(成形)技術の特許出願が確認できます。蝋(ワックス)系媒体より耐久性が高いセルロイド系成形シリンダーは、その後の「壊れにくい」シリンダー市場の技術的前提となり、複製・量産工程の確立という点で録音産業の実務に直結しました。ほかの出来事については、1899年8月(当月)に紐づく一次資料での裏づけが現時点で確認できる範囲に限りがあるため、本ページではノイズとなる推測的な話題は採り上げません。
トーマス・B・ランバートのセルロイド成形シリンダー複製法の特許出願(1899年8月14日)
トーマス・B・ランバート(Thomas B. Lambert, 生没年不明)は、セルロイド成形によってフォノグラフ用シリンダー記録を複製する方法について、1899年8月14日付でアメリカ合衆国特許(米国特許第645,920号に対応する出願)を行ったことが確認できます。これは「成形(モールド)で同一内容を量産する」工程に関わる技術として、当時のシリンダー媒体の耐久性・流通性を大きく左右する論点でした。
- https://air.uniud.it/retrieve/e27ce0c5-71b5-055e-e053-6605fe0a7873/10990_135_ZavagnaPhD_v1.0_pdfa.pdf
- https://www.usmcu.edu/Outreach/Marine-Corps-University-Press/MCU-Journal/JAMS-vol-13-no-1/A-Tale-of-Two-Storms/
- https://www.history.navy.mil/browse-by-topic/wars-conflicts-and-operations/spanish-american-war/us-capture-of-guam.html
