1899年5月に録音された音楽
1899年5月1日、歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト(The National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty)がウィッケン・フェン(Wicken Fen)の一部を取得し、自然保護を土地取得で支える動きが具体化しました。5月18日、ハーグで第1回ハーグ平和会議(First Hague Peace Conference)が開幕し、国際紛争の仲裁や軍備制限をめぐる協議が始まりました。5月末、イギリス帝国(British Empire)のアルフレッド・ミルナー(Alfred Milner, 1854–1925)と南アフリカ共和国(South African Republic)のポール・クルーガー(Paul Kruger, 1825–1904)が、オレンジ自由国(Orange Free State)のマルティヌス・テューニス・ステイン(Marthinus Theunis Steyn, 1857–1916)の仲介でブルームフォンテーン会議(Bloemfontein Conference)に臨みましたが、妥結には至りませんでした。5月29日、アメリカ合衆国(United States of America)の統治下にあったフィリピン諸島で、アウディエンシア・テリトリアル・デ・マニラ(Audiencia Territorial de Manila)が一般命令第20号(General Order No. 20)により再設置されました。英国では同月、ヴィクトリア(Victoria, 1819–1901)が新館計画の基礎石を据え、ヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)への改称が公的に示されました。5月24日、ジュール・マスネ(Jules-Émile-Frédéric Massenet, 1842–1912)のオペラ「サンドリヨン(Cendrillon)」がオペラ=コミック座(Opéra-Comique)で初演されました。
この月の確認されている録音:0曲
1899年5月の録音に関する情報のまとめ
1899年5月は、再生機構の改良をめぐる特許(部材変更による音質・安定性の改善)と、業界誌広告にみえる大型シリンダー系の訴求が同時に確認できます。また、販売・カタログ配布など対外窓口の住所変更が「5月1日以降」と明記されており、企業活動の動きを月単位で追える手がかりになります。
グラフォフォン用サウンド・リプロデューサー特許(1899年5月2日)
1899年5月2日、アメリカ合衆国特許第624,059号として、アメリカン・グラフォフォン・カンパニー(American Graphophone Company)に譲渡された「グラフォフォン(Graphophone)」用サウンド・リプロデューサーの改良が特許化されました。発明者トーマス・フッド・マクドナルド(Thomas Hood Macdonald, 1859–1911)は、ヘッド部材にアルミニウムを用いることで、再生音の均質性や音質の改善を狙っています。
ナショナル・フォノグラフの住所変更告知(1899年5月1日以降)
フォノスコープ(The Phonoscope)1899年2月号の広告では、ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)が「1899年5月1日以降」の新住所を告知しています。月単位で追跡できる、販売窓口(所在地)に関する一次情報として位置づけられます。
ポリフォンの大型シリンダー機発売告知(1899年5月1日)
フォノスコープ(The Phonoscope)1899年5月号では、ポリフォン・カンパニー(The Polyphone Co.)が「ポリフォン(Polyphone)・グランド」を1899年5月1日に発売と掲示し、直径5インチのシリンダーと二重ダイアフラムによる大音量再生を強調しています。大型シリンダー系の市場訴求が、同時期の業界誌広告に現れていることが確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Phonoscope/1899/Phonoscope-1899-05.pdf
- https://blogs.loc.gov/now-see-hear/2014/12/gargantuan-graphophone-records/
