1903年7月に録音された音楽

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1903年7月に録音された音楽

1903年7月1日、フランスでツール・ド・フランス(Tour de France)の第1回大会が開幕しました。同日、スイスのレーティッシュ鉄道(Rhaetian Railway)ではアルブラ・トンネル(Albula Tunnel)の開通式が行われ、アルプス地域の鉄道網整備が進みました。7月2日にはアイルランドでゴードン・ベネット・カップ(Gordon Bennett Cup)が開催され、公道を閉鎖して争う国際自動車競走として注目を集めました。7月7日、メアリー・ハリス・ジョーンズ(Mary Harris Jones, 1837–1930)が児童労働の実態を訴える行進を開始し、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt, 1858–1919)に面会を求める運動として報道されました。7月17日、画家のジェームズ・マクニール・ホイッスラー(James McNeill Whistler, 1834–1903)が死去しました。7月20日、ローマ教皇レオ十三世(Pope Leo XIII, 1810–1903)が死去し、教皇選挙(コンクラーベ)へ向けた動きが進みました。7月27日にはイギリスのグラスゴーで鉄道事故が発生し、多数の死傷者が出たことが議会でも取り上げられました。

この月の確認されている録音:0曲

1903年7月の録音に関する情報のまとめ

1903年7月にナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)が刊行したエジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)1903年7月号(第1巻第5号)では、翌月(1903年8月)出荷予定のエジソン・モールド・レコード(Edison Moulded Records)の「事前リスト」が提示され、取引(卸・小売)向けに発注と補遺(サプリメント)配布の手順が具体的に示されています。同号にはまた、店頭集客を意図した大型ホーン(拡声器)の実例紹介や、トーマス・アルバ・エジソン(Thomas A. Edison, 1847–1931)の特許件数に関する記事(新聞記事の転載)も掲載されており、録音物の供給と販売促進の実務が同時に語られていることが確認できます。

8月新譜リスト

エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)1903年7月号には、「ADVANCE LIST OF NEW EDISON MOULDED RECORDS FOR AUGUST, 1903」として、1903年8月向け新譜の事前リストが掲載されています。出荷時期(1903年8月1日頃)や、1903年7月20日以前の在庫注文を対象にした出荷手順、補遺(August Supplements)の日付(1903年8月1日)など、流通実務の条件が明示されています。

大型広告ホーン

同号には、ユーティカ・エレクトリック・アンド・フォノグラフ・サプライ・ハウス(Utica Electric and Phonograph Supply House)のE・A・バチェラー(E. A. Batchelor, 生没年不明)が紹介する「広告用ホーン」の実例が掲載されています。亜鉛引き鉄板製のホーンで、全長8フィート8インチ、ベル(開口部)直径3フィート3インチとされ、店頭前でホーム・フォノグラフ(Home Phonograph)と組み合わせて夜間に演奏会形式の集客を行った旨が述べられています。

トーマス・エジソンの特許

同号には「THOMAS A. EDISON’S PATENTS」と題する記事が掲載され、アメリカ合衆国特許庁(United States Patent Office)の集計にもとづくとして、当月中に係属中の請求が認められた場合、トーマス・アルバ・エジソン(Thomas A. Edison, 1847–1931)の特許総数が791件に達する見込みである旨が記されています。1895年までの累計(711件)や、特許手数料の総額(54,000ドル超)にも触れられ、末尾にニューヨーク・タイムズ(The New York Times)由来であることが示されています。