1906年12月に録音された音楽
1906年12月10日、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt, 1858–1919)がノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を授与されました。1906年12月2日、イギリス海軍(Royal Navy)の戦艦ドレッドノート(HMS Dreadnought)が就役し、以後の海軍軍備と国際政治に大きな影響を与える艦として注目されました。1906年12月13日(または1906年12月15日)、イギリス、フランス、イタリアの3か国がエチオピア帝国(当時はアビシニアとして扱われる場合があります)をめぐる協定(Agreement Respecting Abyssinia)に署名し、東アフリカをめぐる列強外交の枠組みが示されました。1906年12月24日、レジナルド・オーブリー・フェッセンデン(Reginald Aubrey Fessenden, 1866–1932)が娯楽を含む無線送信を行った出来事が、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)のマイルストーン解説で「初期の放送史上の重要事例」として紹介されています。1906年12月30日、モザッファレッディーン・シャー・ガージャール(Mozaffar al-Din Shah Qajar, 1853–1907)がペルシア基本法(Fundamental Law of Persia)を批准した日付として、英訳資料で提示されています。同じ1906年12月30日、英領インド帝国のダッカで全インド・ムスリム連盟(All-India Muslim League)が結成され、以後の南アジア政治史の主要な政治組織の一つとなりました。
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1906年12月の録音に関する情報のまとめ
1906年12月の録音・レコード流通に直接かかわる同時代資料として、『エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)』1906年10月号(VOL. IV, No. 8)に、1906年12月向け「エジソン・ゴールド・モールド・レコード(Edison Gold Moulded Records)」の予告情報、販売解禁日時の統制、年末商戦を意識した選曲解説がまとまって掲載されています。本月ページでは、同誌が示す「1906年12月向け新譜の供給計画」と「市場投入タイミングの管理」を、録音文化の流通面の出来事として扱います。
1906年12月向け「エジソン・ゴールド・モールド・レコード」予告リストの提示
『エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)』1906年10月号には「ADVANCE LIST FOR DECEMBER, 1906」として、1906年12月向けの「エジソン・ゴールド・モールド・レコード(Edison Gold Moulded Records)」が番号付きで列挙され、曲目・演奏者(例:エジソン・コンサート・バンド)などの情報が提示されています。これは、実際の市場投入より前に卸・小売へ情報を渡し、年末商戦に向けた仕入れ計画と販促準備を促すための“事前告知”として位置づけられます。
販売解禁日時(1906年11月27日午前8時)の設定と配布統制
同号の予告リスト本文には、1906年12月向けレコードが「11月27日までに到着予定」であることを述べたうえで、卸(Jobbers)が1906年11月27日午前8時以前に販売・再出荷しないこと、補足印刷物(サプリメント等)も一定期日以前に一般へ回さないことが明記されています。これにより、新譜が一部地域だけ先行販売されることを抑え、市場投入の足並みをそろえる意図が確認できます。
年末(クリスマス)需要を意識した選曲解説と商品提案
同誌には「EDISON GOLD MOULDED RECORDS FOR DECEMBER, 1906」として、12月リストの性格を解説する文章があり、クリスマス向けの代表的曲目(例:「Joy to the World」)に触れつつ、全体として“贈り物”や家庭での娯楽需要に適した内容であることが述べられています。録音それ自体の技術史ではなく、録音物が「季節行事の消費」に結びついて販売計画が組まれていたことを示す資料として扱えます。
