1913年5月に録音された音楽

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1913年5月に録音された音楽

1913年5月は、政治・文化・技術の各分野で節目が重なった月でした。インドではダーダーサーヘブ・パールケー(Dadasaheb Phalke, 1870–1944)の『ラージャー・ハリシュチャンドラ』(Raja Harishchandra)が5月に公開され、インド長編映画史の出発点として位置づけられます。航空分野では、ドミンゴ・ロシーヨ(Domingo Rosillo, 生没年不明)が5月17日にキーウェストからキューバへ飛行し、海峡横断飛行の実用性を印象づけました。ロンドンではロイヤル・ホーティカルチュラル・ソサエティ(Royal Horticultural Society)が1913年最初のチェルシー・フラワー・ショーを開催し、園芸文化の恒例行事の基礎を築きました。5月29日にはパリのシャンゼリゼ劇場(Théâtre des Champs-Élysées)でイーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky, 1882–1971)作曲の『春の祭典』(Le Sacre du printemps / The Rite of Spring)が初演され、近代音楽史の象徴的事件となりました。翌30日にはロンドン条約(Treaty of London)が調印されて第一次バルカン戦争が終結し、31日にはアメリカ合衆国でアメリカ合衆国憲法修正第17条(Seventeenth Amendment to the United States Constitution)の証明が行われ、連邦上院議員の直接選挙が正式制度となりました。

この月の確認されている録音:0曲

1913年5月の録音に関する情報のまとめ

1913年5月の録音関連で、現時点で信頼性高く確認できる材料はエジソン系資料に集中しています。『エジソン・フォノグラフ・マンスリー』(The Edison Phonograph Monthly)第11巻では、5月項目として「The Edison phonograph in India」とエジソン・ブルー・アンベロルの第7リストが確認できます。また、ユーザー提供資料のディスコグラフィでは、この月に行われた複数の録音セッションが後の1913年秋季発売分へつながっていたことが確認できます。したがって1913年5月は、新譜公表、海外市場の意識化、そして秋季発売分の制作が並行して進んだ月として整理できます。

エジソン・ブルー・アンベロル第7リスト

1913年春の合併号として扱われる『エジソン・フォノグラフ・マンスリー』第11巻では、第7リストが1913年5月分の新譜案内に相当します。専門復刻レーベルArcheophoneの解説では、この公開分は1751番–1779番を中心に整理されており、少なくとも1751番「La Paloma」と1779番「Happy Days」が同誌第11巻の発売情報に結び付けられています。1913年5月時点のエジソンが、ブルー・アンベロルを継続的に拡張していたことを示す材料です。

1913年5月の録音セッションと後の発売

ユーザー提供資料の『Edison Four-Minute Cylinders: Amberols, Blue Amberols, and Royal Purple Amberols』では、1913年5月1日–30日にニューヨークで行われた録音として、1826番「Light Cavalry Overture」、1827番「Sail on, silv’ry moon」、1830番「A woman’s smile」、1837番「Clamy Green」、1842番「La rumba — Tango」などが確認できます。これらは後に1913年9月発売分として整理されており、5月が秋季発売群の実録音月であったことを示します。月ページでは、5月に録音されながら発売が数か月後へずれた作品群として扱うのが適切です。

「The Edison phonograph in India」が示す海外市場意識

同じ1913年5月号の『エジソン・フォノグラフ・マンスリー』は、「The Edison phonograph in India」を主要記事として掲げています。これは新録音の発表記事ではありませんが、1913年5月のエジソンがインド市場を録音物の販売先として重視していたことを示す重要な材料です。1913年5月の録音史は、スタジオ内の制作だけでなく、どの地域へ流通させるかという販売戦略と一体で見る必要があります。