1916年2月に録音された音楽
1916年2月は、第一次世界大戦の長期化を背景に、政治・司法・文化・軍事が同時に大きく動いた月でした。ロシア帝国(Russian Empire)では2月2日にボリス・シュテュルマー(Boris Vladimirovich Stürmer, 1848–1917)が閣僚評議会議長に就任し、政権運営の再編が進みました。英領インド(British India)では2月3日にパトナ高等裁判所(High Court of Judicature at Patna)が開設され、植民地統治下の司法制度が強化されました。カナダ自治領(Dominion of Canada)では同月3日夜にオタワのカナダ連邦議会議事堂中央棟(Centre Block)が火災で焼失し、国家の象徴的建築が失われました。スイス連邦(Swiss Confederation)のチューリヒ(Zurich)では2月上旬にキャバレー・ヴォルテール(Cabaret Voltaire)が開かれ、のちにダダ(Dada)の拠点となりました。東部戦線ではロシア帝国(Russian Empire)軍が2月16日にオスマン帝国(Ottoman Empire)領のエルズルム(Erzurum)を占領し、西部戦線では2月21日にヴェルダンの戦い(Battle of Verdun)が始まりました。1916年2月は、国家制度の再編と前衛文化の誕生、そして戦場の激化が一つの月に重なった時期でした。
この月の確認されている録音:0曲
1916年2月の録音に関する情報のまとめ
1916年2月の録音業界では、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)が販売網の拡張と店頭販促を進め、コロンビア・グラフォフォン会社(Columbia Graphophone Co.)とパテ・フレール・フォノグラフ会社(Pathé Frères Phonograph Co.)が2月向け新譜を告知していたことを、当月の一次資料または同時代業界資料で確認できます。今回確認できた範囲では、1916年2月は新譜供給そのものに加え、販売店網の拡大、告知手段の整備、月次商戦への対応が並行して進んだ月でした。ヴィクター・トーキング・マシン会社(Victor Talking Machine Company)など他社については、今回参照した資料の範囲では1916年2月の企業活動を直接示す記述を十分確認できず、ここでは無理に立てていません。
エジソン
トーマス・アルバ・エジソン(Thomas Alva Edison, 1847–1931)が率いるトーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)の1916年2月号『エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)』では、ダイヤモンド・アンベローラ(Diamond Amberola)とブルー・アンベロール・レコード(Blue Amberol Records)の販促が前面に出され、バレンタイン向けの店頭装飾案、活動写真館向けの宣伝スライド、販売員向けの営業記事がまとめて掲載されました。同号には年初以来に新たにアンベローラ取扱店となった販売店一覧も載っており、1916年2月時点で販売網の拡張が続いていたことが確認できます。さらに、ブルー・アンベロール・レコード(Blue Amberol Records)2808–2822番の2月発売が確認でき、管弦楽、流行歌、アイルランド系レパートリー、器楽、語り物までを含む継続的な新譜供給も行われていました。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Audio/Edison-Phonograph/Edison-Phonograph-Monthly-1916-Vol-14.pdf
- https://adp-assets.library.ucsb.edu/edison_4m-cyls.pdf
コロンビア
コロンビア・グラフォフォン会社(Columbia Graphophone Co.)については、1916年1月15日付『トーキング・マシン・ワールド(The Talking Machine World)』に、2月向けの新譜欄として「Record Bulletins for February, 1916」が掲載されていました。そこではコロンビア・グラフォフォン会社(Columbia Graphophone Co.)のダブル・ディスク新譜として、A1898「You’ll Be There」を含む Popular Hits for February が告知されており、同社が1916年2月商戦に向けて流行曲中心の二面盤を継続的に市場へ投入していたことが確認できます。今回確認できた同時代資料の範囲では、1916年2月のコロンビア・グラフォフォン会社(Columbia Graphophone Co.)は、月次の新譜告知を通じて販売活動を進めていました。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Talking-Machine/10s/Talking-Machine-1916-01.pdf
- https://archive.org/stream/talkingmachinewo12bill/talkingmachinewo12bill_djvu.txt
パテ
パテ・フレール・フォノグラフ会社(Pathé Frères Phonograph Co.)については、1916年1月15日付『トーキング・マシン・ワールド(The Talking Machine World)』に、2月向け新譜欄として「Pathe Records for February」が掲載されていました。これにより、パテ・フレール・フォノグラフ会社(Pathé Frères Phonograph Co.)が1916年2月商戦に向けて新譜を告知し、市場への供給を進めていたことが確認できます。1916年2月のパテ・フレール・フォノグラフ会社(Pathé Frères Phonograph Co.)は、月次の新譜告知を通じて販売活動を行っていました。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Talking-Machine/10s/Talking-Machine-1916-01.pdf
- https://archive.org/stream/talkingmachinewo12bill/talkingmachinewo12bill_djvu.txt
