1920年5月に録音された音楽

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1920年5月に録音された音楽

1920年5月の世界では、東欧でポーランド共和国とウクライナ人民共和国の連合軍が5月6日–7日にキーウを確保し、第一次世界大戦後の国境秩序がなお流動的であることを示しました。5月16日にはジャンヌ・ダルク(Jeanne d’Arc, 1412頃–1431)が列聖され、同じ日にスイス連邦では国際連盟(League of Nations)参加を承認する国民投票が成立しました。アメリカ合衆国ワイオミング州ジャクソンでは1920年の女性のみの町議会が実際に動き始め、女性保安官も置かれました。無線通信の分野では、アメリカ合衆国国立標準局(National Bureau of Standards)のWWVが5月に金曜夜の音楽放送を始め、ラジオの公共利用が一歩進みました。さらにメキシコではベヌスティアーノ・カランサ(Venustiano Carranza, 1859–1920)が5月20日–21日に殺害され、革命後政治の不安定さが続きました。

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1920年5月の録音に関する情報のまとめ

1920年5月の録音業界では、コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Co.)、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)、エオリアン社(The Aeolian Company)のヴォカリオン(Vocalion)、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corp.)のオーケー・レコード(OKeh)で当月の活動を確認できます。歌唱物、軽オペラ抜粋、ハワイアン、ダンス音楽、ジャズ系、外国語盤が並行して動いており、1920年5月の市場が大衆向け新譜の拡充と同時に、専門的な需要にも応えていたことがわかります。

コロムビア

コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)では、5月14日の《Florodora : Vocal gems》、5月18日のハッピー・シックス(Happy Six)による《Dance-o-mania》、5月21日のフェレラ・アンド・フランチーニ(Ferera and Franchini)による《Hawaiian twilight》が確認できます。1920年5月のコロムビア・グラフォフォン社は、軽オペラ抜粋、ジャズ/ダンス曲、ハワイアンを同月内に並行して動かしていました。

ヴィクター

ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Co.)では、5月12日の《What-cha gonna do when there ain’t no jazz?》、5月21日の《Once upon a time》、5月28日の《E marenarielle》と《Pieśń dziewczyny》が確認できます。英語歌唱だけでなく外国語題名の録音も同月末に見えるため、1920年5月のヴィクター・トーキング・マシン社が大衆歌謡と多言語市場の双方を維持していたことがわかります。

エジソン

トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では、5月21日の《Our little love affair》、5月26日の《Hush, little baby, don’t you cry》、5月28日の《Sweet bird》が確認できます。1920年5月のトーマス・A・エジソン社は、流行歌系のデュエットと声楽曲の双方を継続して録音しており、通俗向けとクラシック寄りの両面を並行していたことがわかります。

ヴォカリオン

エオリアン社(The Aeolian Company)のヴォカリオン(Vocalion)では、14048–14053番台に1920年5月発売の新譜がまとまっており、《Gypsy Land》《The Hen and the Cow》《Melodious Jazz》《La Veeda》《Missy, intro: Rainbow of My Dreams》などが同月発売として並びます。歌手物、カルテット、ダンス・オーケストラ、器楽小編成が同じ発売群に含まれており、1920年5月のヴォカリオンがジャンル横断で新譜を編成していたことがわかります。

オーケー

ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corp.)のオーケー・レコード(OKeh)では、ジョゼフ・サミュエルズ・ジャズ・バンド(Joseph Samuels Jazz Band)の《Marriage blues》が1920年5月ニューヨーク録音として確認でき、同じ時期にコンウェイズ・バンド(Conway’s Band)の《Aubade printanière》や《William Tell overture》も5月録音で見えます。1920年5月のオーケー・レコードは、ジャズ/ダンス系だけでなく吹奏楽・編曲物も同時に展開していました。