1931年2月に録音された音楽
1931年2月は、地震災害、短波放送、帝国都市計画、映画文化、スペイン政局、インド独立運動が同時に動いた月でした。2月3日、ニュージーランドではホークス・ベイ地震(Hawke’s Bay earthquake)が発生し、公式死者数256人を出す同国最悪の地震災害となりました。2月12日にはピウス11世(Pius XI, 1857–1939)が、グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi, 1874–1937)が整備したバチカン放送局(Vatican Radio)を正式に開局しました。2月13日にはエドワード・フレデリック・リンリー・ウッド(Edward Frederick Lindley Wood, 1st Earl of Halifax, 1881–1959)がニューデリー(New Delhi)の開場式典を行い、英領インドの新首都は象徴的完成を迎えました。2月14日にはユニバーサル・ピクチャーズ社(Universal Pictures Corporation)の映画『ドラキュラ』(Dracula)が公開され、トーキー期ホラー映画の代表作として広がりました。同日、スペインではダマソ・ベレンゲル・イ・フステ(Dámaso Berenguer y Fust, 1873–1953)が辞任し、王政末期の政治的不安定が深まりました。さらに2月27日にはチャンドラ・シェーカル・アーザド(Chandrashekhar Azad, 1906–1931)がアラハバード(Allahabad)で死亡し、インド独立運動の急進派に大きな衝撃を与えました。
この月の確認されている録音:0曲
1931年2月の録音に関する情報のまとめ
1931年2月の録音業界では、アールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)のヴィクター・レコード(Victor Records)、コロムビア・レコード(Columbia Records)、ブランズウィック・レコード(Brunswick Records)の録音日が月内のディスコグラフィ資料で確認できます。これに加えて、ヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)、パーロフォン(Parlophone)、リーガル・レコード(Regal Records)、ヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)、ゾノフォン・レコード(Zonophone Records)、ポリドール・レコード(Polydor Records)は、2月の新譜紹介、店頭在庫告知、ラジオ番組表に現れており、当月の流通と使用が確認できます。1931年2月は、録音制作そのものと、放送・小売を通じた既成盤流通の両面が見える月です。
ヴィクター
1931年2月のアールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)のヴィクター・レコード(Victor Records)では、2月6日、12日、13日に録音が確認できます。2月6日には CVE-64864、2月12日には MVE-67944、2月13日には MVE-67942 などが見え、月前半に継続した録音作業が行われていました。2月20日放送予定の番組表にはヴィクター・サロン・オーケストラ(Victor Salon Orchestra)の盤も現れており、同月の放送利用も確認できます。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle.desc&date=1931-02-06
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1931-02-12
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=Description&date=1931-02-13
- https://paperspast.natlib.govt.nz/periodicals/RADREC19310213.2.40.6
コロムビア
1931年2月のコロムビア・レコード(Columbia Records)では、2月6日に W151279、W151280、W151285 などの録音が確認でき、2月12日には Columbia (U.K.) の WB3988、2月13日には Columbia (U.K.) の WLX1497 も見えます。さらに2月14日号と2月28日号の『Wanganui Chronicle』では、「The Week’s New Records」の中でコロムビア・レコード(Columbia Records)の新譜紹介が続いており、当月後半にも新譜供給が継続していました。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle.desc&date=1931-02-06
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1931-02-12
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=Description&date=1931-02-13
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/WC19310214.2.99.32.2
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/WC19310228.2.137.48.2
ブランズウィック
1931年2月のブランズウィック・レコード(Brunswick Records)では、2月6日に VO114 と C7390、2月12日に VO128、2月13日に E36068、E36069、E36074 などが確認できます。録音活動に加えて、2月18日付『Hokitika Guardian』にはブランズウィックの卓上型と携帯型の蓄音機値下げ広告が載っており、再生機販売も同月に動いていました。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle.desc&date=1931-02-06
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1931-02-12
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=Description&date=1931-02-13
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/HOG19310218.2.23
ヒズ・マスターズ・ヴォイス
1931年2月のヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)は、2月7日、14日、28日付の『Wanganui Chronicle』で継続して新譜紹介が確認できます。2月の紙面では、週ごとに新譜を告知しており、少なくとも英連邦市場では供給が安定していたことが分かります。
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/WC19310207.2.106.34.2
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/WC19310214.2.99.32.2
- https://paperspast.natlib.govt.nz/newspapers/WC19310228.2.137.48.2
パーロフォン
1931年2月のパーロフォン(Parlophone)は、2月20日付『Radio Record』の受信報告記事で、ダヨシュ・ベーラ・オーケストラ(Dajos Béla Orchestra)の “Wedding of the Rose” がパーロフォン録音として明記されています。販売広告ではありませんが、2月の受信記事に具体的な盤とレーベル名が現れており、当月の流通盤として確認できます。
リーガル
1931年2月のリーガル・レコード(Regal Records)は、2月26日付『Star』の家庭音楽欄で、ザ・スリー・ハーモナイザーズ(The Three Harmonisers)の盤とともに紹介されています。家庭向け音楽記事の中でレーベル名が明示されているため、同月の小売流通と家庭用需要の存在が確認できます。
ヴォカリオン
1931年2月のヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)は、2月5日付『Otago Daily Times』に、バース・エレクトリカル・サプライズ社(Barth Electrical Supplies, Ltd.)が「Vocalion Records are now stocked」と告知した広告が確認できます。月初の時点で店頭在庫が揃えられ、販売促進が行われていたことが分かります。
ゾノフォン
1931年2月のゾノフォン・レコード(Zonophone Records)は、2月13日付『Radio Record』の2月20日番組表で、ゾノフォン・サロン・オーケストラ(Zonophone Salon Orchestra)の “Evensong” が使われています。さらに2月20日付『Radio Record』の2月24日番組表では、同じくゾノフォン・サロン・オーケストラ(Zonophone Salon Orchestra)の “Narcissus” が確認でき、2月中の放送用音源として継続的に利用されていました。
- https://paperspast.natlib.govt.nz/periodicals/RADREC19310213.2.40.6
- https://paperspast.natlib.govt.nz/periodicals/RADREC19310220.2.55.3
ポリドール
1931年2月のポリドール・レコード(Polydor Records)は、2月6日付『Radio Record』の2月11日番組表で、ポリドール・オーケストラ(Polydor Orchestra)の “Berlin as it Laughs and Weeps” 序曲が確認できます。同じ2月6日付の別番組表には、ポリドール・ブラス・バンド・オーケストラ(Polydor Brass Band Orchestra)の “Il Trovatore” も見え、2月のラジオ番組で同レーベル盤が複数使用されていました。
