1934年5月に録音された音楽

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1934年5月に録音された音楽

1934年5月は、政治・社会・環境・技術の各面で転換が重なった月でした。アメリカ合衆国では5月11日、グレートプレーンズから発生した巨大な砂塵嵐が東海岸に達し、土壌流失と干ばつの深刻さをニューヨークやボストンにまで可視化しました。ラトビアでは5月15日、カールリス・ウルマニス(Kārlis Ulmanis, 1877–1942)が戒厳体制を宣言して議会と政党を停止し、ブルガリアでは5月18日–19日の政変でキモン・ゲオルギエフ(Kimon Georgiev, 1882–1969)政権が成立しました。アメリカ合衆国では5月23日、ボニー・エリザベス・パーカー(Bonnie Elizabeth Parker, 1910–1934)とクライド・チャンピオン・バロウ(Clyde Champion Barrow, 1909–1934)がルイジアナ州で射殺され、大衆報道の象徴的事件となりました。カナダでは5月28日、ディオンヌ五つ子がオンタリオ州コルベイユで生まれ、乳児期を生き延びた最初の五つ子として世界的に報じられました。英国では同月、グラモフォン社(The Gramophone Company, Ltd.)が自動交換機構付きラジオグラムの新機種を前面に出し、放送と蓄音機を組み合わせた家庭娯楽機器の進歩も印象づけました。

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1934年5月の録音に関する情報のまとめ

1934年5月の録音業界は、販売回復と商品多様化が同時に進んでいたことが確認できます。アメリカ合衆国では、アールシーエー・ヴィクター社(RCA Victor Co., Inc.)が、前年より大きく伸びたレコード需要を販売店向けに強調し、ヴィクター(Victor)盤とブルーバード(Bluebird)盤の拡販を進めていました。英国では、グラモフォン社(The Gramophone Company, Ltd.)のヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)とコロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co., Ltd.)のコロムビア(Columbia)が新しい再生機と新譜を継続的に市場へ出し、さらに『Radio Pictorial』1934年5月11日号では、ブランズウィック(Brunswick)、リーガル=ゾノフォン(Regal-Zonophone)、パーロフォン(Parlophone)、レックス(Rex)、ステルノ(Sterno)、インペリアル・ブロードキャスト(Imperial Broadcast)、エディソン・ベル(Edison Bell)、デッカ(Decca)の現行盤が一括して紹介されていました。アメリカ側では、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)が放送事業の持分売却を公表しており、企業整理も同時進行していました。

アールシーエー・ヴィクター

1934年5月号の『Radio Retailing』では、アールシーエー・ヴィクター社(RCA Victor Co., Inc.)が、過去12か月でレコード需要が前年を200パーセント以上上回ったと販売店向けに訴えています。同誌面では、現行のVictor Recordsの新しい音質を店頭で実演することが勧められており、同社が1934年5月にレコード販売の再活性化を明確な営業方針として進めていたことがわかります。

コロムビア・フォノグラフ

1934年5月号の『Radio Engineering』は、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)が、同社子会社パブリック・ブロードキャスターズ(Public Broadcasters)のラジオ局WJJD運営に関する持分を売却したと報じています。録音関連企業として活動を続けながら、同月に放送事業側の整理を進めていたことが一次資料で確認できます。

ヒズ・マスターズ・ヴォイス

『Practical Wireless』1934年5月5日号は、グラモフォン社(The Gramophone Company, Ltd.)が「Superhet Five Forty-Two Auto-radiogram」を告知し、最大8枚のレコードを自動交換できる機構を紹介しています。さらに同誌の同月記事では、ヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)の現行盤としてB8004、C2615、C2619–20、DA1342、B8038、B8051、C2621、B8069、B6421、B6415などが取り上げられており、1934年5月の時点で機械とレコードの両面から市場展開が続いていました。

コロムビア

『Practical Wireless』1934年5月12日号の広告は、コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co., Ltd.)の「Columbia Superhet Battery Grand Model No. 1006」を掲げています。加えて『Radio Pictorial』1934年5月11日号では、DB1357、CB729、DB1349、DB1351、DB1341、CB726、DB1310などのコロムビア(Columbia)盤が同月の放送使用盤として紹介されており、同社が1934年5月の英国市場で機械販売とレコード供給を同時に進めていたことが確認できます。

デッカ

『Radio Pictorial』1934年5月11日号には、デッカ(Decca)のCA8174、K726、F3836、LY6085が掲載されています。クラシック、軽音楽、ダンス音楽の各分野にわたって現行盤が放送向け選定盤として並んでおり、1934年5月の英国市場でデッカ盤が継続的に流通していたことがわかります。

ブランズウィック

『Radio Pictorial』1934年5月11日号では、ブランズウィック(Brunswick)の01715、01729、01724、01720、01719、01731、01678が紹介されています。ダンス音楽とヴォーカル盤を中心に複数の番号が並んでおり、1934年5月時点でブランズウィック盤の供給が活発に続いていたことが確認できます。

リーガル=ゾノフォン

『Radio Pictorial』1934年5月11日号には、リーガル=ゾノフォン(Regal-Zonophone)のMR1245、MR1238、MR1239、MR1248、MR1244が掲載されています。吹奏楽、声楽、ダンス音楽を含む複数盤が放送向け推薦盤として扱われており、1934年5月の英国市場でこのレーベルが継続的に動いていたことがわかります。

パーロフォン

『Radio Pictorial』1934年5月11日号では、パーロフォン(Parlophone)のE1784、R020248、R1781、R020244、R1792、R1801、R1796が挙げられています。歌曲、器楽、ダンス音楽の現行盤が混在しており、1934年5月時点でパーロフォン盤が広い分野の放送用選定盤として扱われていました。

レックス

『Radio Pictorial』1934年5月11日号では、レックス(Rex)の8123B、8136、8135、8132、8133が紹介されています。軽音楽、吹奏楽、ヴォーカル盤が並んでおり、1934年5月の英国市場でレックス盤が安定して流通していたことが確認できます。

ステルノ

『Radio Pictorial』1934年5月11日号には、ステルノ(Sterno)の1389、1392、1385が掲載されています。マントヴァーニ楽団やレスリー・ハッチンソンの盤が放送使用盤として挙げられており、1934年5月時点でこのレーベルの新譜が市場に出ていたことが確認できます。

インペリアル・ブロードキャスト

『Radio Pictorial』1934年5月11日号は、インペリアル・ブロードキャスト(Imperial Broadcast)4002を、同年4月12日の昼番組で放送された盤のひとつとして挙げています。少なくとも1934年5月時点で、同レーベル盤が英国内の現行流通盤として扱われていたことが確認できます。

エディソン・ベル

『Radio Pictorial』1934年5月11日号には、エディソン・ベル(Edison Bell)5666が掲載されています。ほかの主要レーベル盤と並んで放送用の注目盤として扱われており、1934年5月の英国市場でこのレーベルも活動していたことが確認できます。