1936年1月に録音された音楽

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1936年1月に録音された音楽

1936年1月は、軍事・政治・文化の緊張が各地で表面化した月です。イタリア王国(Kingdom of Italy)とエチオピア帝国(Ethiopian Empire)の戦争では、1936年1月時点で毒ガス使用をめぐる国際問題が続きました。イラン王国(Imperial State of Iran)では、レザー・シャー・パフラヴィー(Reza Shah Pahlavi, 1878–1944)が1936年1月8日に女性のヴェール着用禁止政策を公的に進めました。1936年1月15日には、日本が1935年ロンドン海軍会議(London Naval Conference of 1935)から離脱し、海軍軍縮体制の動揺が明確になりました。1936年1月20日にはジョージ5世(George V, 1865–1936)が死去し、エドワード8世(Edward VIII, 1894–1972)が即位しました。アメリカ合衆国(United States of America)では、1936年1月27日に調整補償支払法(Adjusted Compensation Payment Act, 1936)が成立し、第一次世界大戦退役軍人への支払いが制度化されました。文化面では、『ビルボード(Billboard)』1936年1月4日号がレコード販売順位表を掲載し、1936年1月28日には『プラウダ(Pravda)』がドミートリイ・ショスタコーヴィチ(Dmitri Shostakovich, 1906–1975)の歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人(Lady Macbeth of the Mtsensk District)』を批判しました。

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1936年1月の録音に関する情報のまとめ

1936年1月の録音関連情報では、英国の『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号に、蓄音機、ラジオグラム、レコード新譜、録音機器の広告・レビューがまとまって現れています。米国側では、アメリカ歴史的録音ディスコグラフィー(Discography of American Historical Recordings)に、1936年1月の日付を伴うコロムビア(Columbia)、デッカ(Decca)、ヴィクター(Victor)の録音セッションが掲載されています。また、『ビルボード(Billboard)』1936年1月4日号は、レコード会社から報告された販売実績に基づく順位表を掲載し、録音物が市場データとして整理される状況を示しています。

グラモフォン社

グラモフォン社(The Gramophone Company Ltd.)のヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号で、アコースティック蓄音機と1936年型ラジオグラムを広告しました。広告には、モデル152のローボーイ蓄音機、モデル150のテーブル・グランド、モデル370のラジオグラム、モデル541のスーパーへテロダイン・ラジオグラムなどが掲載され、レコード再生機器とラジオ受信機能を家庭用商品として展開していたことが示されています。同号のレビュー欄でも、ヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)のレコードが複数取り上げられています。

コロムビア

コロムビア(Columbia)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号で、ラジオグラム・モデル621を含むコロムビア(Columbia)のラジオ機器を広告しました。同号の広告では、電気蓄音機モーター、音量制御、コロムビア(Columbia)レコードの付属アルバムなどが訴求されています。アメリカ歴史的録音ディスコグラフィー(Discography of American Historical Recordings)では、1936年1月3日にデューク・エリントン・オーケストラ(Duke Ellington Orchestra)によるコロムビア(Columbia)録音として、C1195「Sweetest gal goin’」、C1196「Jumpy」、C1198「Farewell blues」などが掲載されています。

デッカ・レコード社

デッカ・レコード社(Decca Record Co. Ltd.)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号で、ウィリアム・ウォルトン(William Walton, 1902–1983)の交響曲録音を含む新譜を広告・レビュー欄に掲載されました。同号では、ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)をハミルトン・ハーティ(Hamilton Harty, 1879–1941)が指揮したデッカ(Decca)X108–13の組物が紹介されています。また、同号の業界欄には、新型デッカ・ラジオグラムが近く発売されることも記載され、同社がレコードと再生機器の双方で動いていたことを示しています。

米国デッカ・レコード社

米国デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)に関しては、アメリカ歴史的録音ディスコグラフィー(Discography of American Historical Recordings)で1936年1月6日の録音が掲載されています。同日の一覧には、レッド・ノーヴォ・オーケストラ(Red Norvo Orchestra)の60300「Gramercy Square」、60301「Polly wally doodle」などが掲載されています。英国のデッカ・レコード社(Decca Record Co. Ltd.)とは資料上の文脈を分け、米国側の日付付き録音活動として扱います。

パーロフォン社

パーロフォン社(Parlophone Company)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号で、スウィング音楽の新シリーズに関する記事とレビューを掲載されています。同号では、ミルズ・ブルー・リズム・バンド(Mills Blue Rhythm Band)の「Congo Caravan」「Ride, Red, Ride」(Parlophone R2145)が取り上げられ、英国側でアメリカ系ホット・ミュージックを紹介する媒体として機能していたことが示されています。記事は、パーロフォン社(Parlophone Company)が英国演奏家によるホット・ミュージックの展開を試みていたことも伝えています。

ブランズウィック

ブランズウィック(Brunswick)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号のスウィング音楽欄で、デューク・エリントン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Duke Ellington and His Orchestra)の「Reminiscing in Tempo」四面盤(Brunswick 02103–02104)が取り上げられています。同号には、ミルドレッド・ベイリー(Mildred Bailey, 1907–1951)名義の「Someday, Sweetheart」「When Day is Done」(Brunswick 02106)も掲載されています。1936年1月時点で、ブランズウィック(Brunswick)の米国録音が英国の録音専門誌上で継続的に紹介されていました。

リーガル・ゾノフォン

リーガル・ゾノフォン(Regal-Zonophone)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号のスウィング音楽欄で、ザ・シックス・スウィンガーズ(The Six Swingers)の「I’m livin’ in a great big way」「Truckin’ on down」(Regal-Zonophone MR1929)を掲載されています。同号には、アイク・“ヨウズ・サー”・ハッチ・アンド・ヒズ・ハーレム・ストンパーズ(Ike “Yowse Suh” Hatch and His Harlem Stompers)の「Love’s Serenade」「Some other time」(Regal-Zonophone MR194)も掲載されています。英国市場での廉価帯・大衆音楽系レーベルとしての動きが、同月資料から読み取れます。

レックス・レコード

レックス・レコード(Rex Records)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号のレビュー欄で、複数の大衆音楽盤を掲載されています。同号のスウィング音楽欄では、キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and His Orchestra)の「Somebody stole my gal」「You Dog」(Rex 8627)が取り上げられています。別欄では、レックス・レコード(Rex Records)のポピュラー録音として、フィリス・ロビンズ(Phyllis Robins, 生没年不明)やモートン・ダウニー(Morton Downey, 1901–1985)の盤も掲載されています。

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のヴィクター部門(Victor Division)は、アメリカ歴史的録音ディスコグラフィー(Discography of American Historical Recordings)で、1936年1月の日付付き録音活動を掲載されています。1936年1月14日には、ヴィクター(Victor)のBAVE-93075「Silueta porteña」とCS-98636「City called Heaven」が掲載されています。1936年1月31日には、ジョージ・ホール、ホテル・タフト・オーケストラ、ジョニー・マキーヴァー(George Hall ; Hotel Taft Orchestra ; Johnny McKeever)によるBS-99021「The wheel of the wagon is broken」が掲載されています。

パーメコ社

パーメコ社(Parmeko Ltd.)は、『ザ・グラモフォン(The Gramophone)』1936年1月号の広告欄で、盤面録音用のパーメコ録音装置(Parmeko Recording Equipment)を広告しました。広告では、放送局、映画スタジオ、私設録音スタジオなどで使用され、即時再生を要する用途に対応する録音設備として紹介されています。レコード会社ではありませんが、1936年1月時点の録音技術・録音設備市場に関わる企業活動として掲載できます。