1936年11月に録音された音楽

この記事は約8分で読めます。
スポンサーリンク

1936年11月に録音された音楽

1936年11月は、政治、通信、都市基盤、出版文化、国際関係、戦争、災害が重なった月でした。11月2日、英国放送協会(British Broadcasting Corporation)はロンドンのアレクサンドラ・パレス(Alexandra Palace)から定時高精細テレビ放送を開始し、映像メディアの常設放送時代を開きました。11月3日にはアメリカ合衆国大統領選挙(United States presidential election)でフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)が再選されました。11月上旬にはスペイン内戦(Spanish Civil War)でマドリード攻防が激化し、首都防衛が国際的な注目を集めました。11月12日にはサンフランシスコ・オークランド・ベイ・ブリッジ(San Francisco–Oakland Bay Bridge)が開通しました。11月23日にはライフ(Life)誌が創刊され、写真報道の影響力を広げました。11月25日には大日本帝国とドイツ国(German Reich)が防共協定(Anti-Comintern Pact)に調印しました。11月30日にはロンドンの水晶宮(Crystal Palace)が火災で焼失しました。

この月の確認されている録音:0曲

1936年11月の録音に関する情報のまとめ

1936年11月の録音関連資料では、アメリカ合衆国ではアメリカン・レコード・コーポレーション(American Record Corporation)、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)、アールシーエー・マニュファクチャリング社ヴィクター部門(RCA Manufacturing Company, Inc., Victor Division)の活動が確認できます。ニューヨークではスウィング、ダンス音楽、ポピュラー歌唱の録音が続き、サンアントニオでもヴォーカリオン・レコード(Vocalion Records)系の録音が行われました。英国ではエレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ(Electric and Musical Industries Ltd.)系のヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)、コロムビア(Columbia)、パーロフォン(Parlophone)に、当月の録音または当月資料上の販売・批評活動が確認できます。

アメリカン・レコード・コーポレーション

アメリカン・レコード・コーポレーション(American Record Corporation)関連では、1936年11月にブランズウィック・レコード(Brunswick Records)とヴォーカリオン・レコード(Vocalion Records)系の録音活動が確認できます。11月16日にはニューヨークでルイ・プリマ(Louis Prima, 1910–1978)の録音が行われ、ブランズウィック・レコード(Brunswick Records)およびヴォーカリオン・レコード(Vocalion Records)系の盤として整理されています。11月18日にはテキサス州サンアントニオでドン・アルバート(Don Albert, 生没年未確認)率いるドン・アルバート・アンド・ヒズ・オーケストラ(Don Albert and His Orchestra)の録音が行われ、「The Sheik of Araby」「True Blue Lou」「On the Sunny Side of the Street」「Liza」などが確認できます。11月19日にはニューヨークでテディ・ウィルソン(Teddy Wilson, 1912–1986)率いるテディ・ウィルソン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Teddy Wilson and His Orchestra)が録音を行い、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)が参加した「Pennies From Heaven」「That’s Life I Guess」「I Can’t Give You Anything But Love」などが確認できます。

デッカ・レコード社

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)では、1936年11月にニューヨークでウディ・ハーマン(Woody Herman, 1913–1987)率いるウディ・ハーマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Woody Herman and His Orchestra)の録音が確認できます。11月6日には「Wintertime Dreams」「Someone to Care for Me」が録音され、11月10日には「The Goose Hangs High」「Now That Summer Is Gone」「I Can’t Pretend」「Old-Fashioned Swing」などが録音されました。1930年代中盤のデッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、低価格帯の全国流通を背景にスウィング系の若い楽団をカタログに組み込みつつあり、ウディ・ハーマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Woody Herman and His Orchestra)の11月録音もその流れの中に位置づけられます。

アールシーエー・マニュファクチャリング社ヴィクター部門

アールシーエー・マニュファクチャリング社ヴィクター部門(RCA Manufacturing Company, Inc., Victor Division)では、1936年11月にヴィクター・レコード(Victor Records)とブルーバード・レコード(Bluebird Records)系の録音活動が確認できます。11月5日にはニューヨークでベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)率いるベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and His Orchestra)の録音が行われ、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)が参加したセッションとして確認できます。11月17日にはテンポ・キング・アンド・ヒズ・キングス・オブ・テンポ(Tempo King and His Kings of Tempo)が「Keepin’ Out of Mischief Now」「Hallelujah! Things Look Rosy Now」「You Turned the Tables on Me」「The Boston Tea Party」などを録音しました。11月18日にはベニー・グッドマン・カルテット(Benny Goodman Quartet)の録音も確認でき、ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)、テディ・ウィルソン(Teddy Wilson, 1912–1986)、ライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton, 1908–2002)、ジーン・クルーパ(Gene Krupa, 1909–1973)による小編成スウィング録音が同月の重要な動きとなりました。

エレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ

エレクトリック・アンド・ミュージカル・インダストリーズ(Electric and Musical Industries Ltd.)関連では、1936年11月の英国資料にヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)、コロムビア(Columbia)、パーロフォン(Parlophone)の動きが確認できます。1936年11月号のザ・グラモフォン(The Gramophone)では、ヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)盤番D2044–D2049のピエール・モントゥー(Pierre Monteux, 1875–1964)指揮によるエクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803–1869)《幻想交響曲》と、コロムビア(Columbia)盤番L1708–L1713の同曲録音が扱われています。また、1936年11月20日にはテディ・フォスター(Teddy Foster, 生没年未確認)関連のヒズ・マスターズ・ヴォイス(His Master’s Voice)録音が確認できます。パーロフォン(Parlophone)では、1936年11月5日付でパーロフォン(Parlophone)E-11311「Harlem Night」が確認でき、オーケー・レコード(Okeh Records)の既発ジャズ録音抜粋とアイク・ハッチ(Ike Hatch, 生没年未確認)の解説録音を組み合わせた企画盤として位置づけられます。