1938年1月に録音された音楽
1938年1月は、交通制度、放送、戦争、音楽文化が大きく動いた月です。1日、フランス国有鉄道(Société nationale des chemins de fer français)が発足し、フランスの主要鉄道網は新体制に統合されました。3日、英国放送協会(British Broadcasting Corporation)はアラビア語放送を開始し、国際放送の対象を英語圏外へ広げました。同日、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)は国立小児麻痺財団(National Foundation for Infantile Paralysis)を設立しました。スペイン内戦(Spanish Civil War)ではテルエルの戦い(Battle of Teruel)が続き、戦線は冬季の激戦となりました。16日、近衛文麿(1891–1945)内閣は第一次近衛声明を発し、中華民国国民政府(National Government of the Republic of China)との交渉を否定しました。同日、ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)はカーネギー・ホール(Carnegie Hall)でジャズ公演を行い、スウィング音楽の社会的認知を広げました。27日、ナイアガラ川(Niagara River)のアッパー・スチール・アーチ橋(Upper Steel Arch Bridge)が氷圧により崩落しました。
この月の確認されている録音:0曲
1938年1月の録音に関する情報のまとめ
1938年1月の録音関連では、アメリカ合衆国の大手商業レーベルと新興独立レーベルの活動が並行しています。アメリカン・レコード・コーポレーション社(American Record Corporation)はブランズウィック(Brunswick)とヴォカリオン(Vocalion)の録音・新譜活動を継続し、アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)はビクター(Victor)とブルーバード(Bluebird)の月次資料を残しています。デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)はポピュラー音楽の録音と新譜展開を続け、コモドア・レコード社(Commodore Record Co., Inc.)は1938年1月に独自ジャズ録音を始めました。ミュージクラフト・レコード社(Musicraft Records, Inc.)では、同月のアルバム発行・商品化活動が確認できます。
アメリカン・レコード・コーポレーション
アメリカン・レコード・コーポレーション社(American Record Corporation)は、1938年1月にブランズウィック(Brunswick)とヴォカリオン(Vocalion)の新譜資料を出しています。同月の録音では、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)のブランズウィック(Brunswick)録音、ジャック・ジェニー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Jack Jenney and His Orchestra)のヴォカリオン(Vocalion)録音、スリム・アンド・スラム(Slim and Slam)のヴォカリオン(Vocalion)未発売テイクが確認できます。ジャズ、ダンス・バンド、ヴォーカル・コンビの録音が同じ月に並行して行われており、同社の低価格・大衆向けレーベル運用の広がりを示しています。
- https://hdl.loc.gov/loc.mbrsrs/eadmbrs.rs021001
- https://www.jazzdisco.org/billie-holiday/catalog/
- https://www.78discography.com/
コモドア・レコード
コモドア・レコード社(Commodore Record Co., Inc.)は、1938年1月17日に初回録音セッションを行いました。コモドア・ミュージック・ショップ(Commodore Music Shop)を運営していたミルト・ゲイブラー(Milt Gabler, 1911–2001)は、1938年にオリジナルのジャズ録音を専門とするコモドア(Commodore)レーベルを始動させました。初回セッションでは、エディ・コンドン・アンド・ヒズ・ウィンディ・シティ・セヴン(Eddie Condon & His Windy City Seven)とバド・フリーマン・トリオ(Bud Freeman Trio)の録音が行われ、同社は小規模ながらジャズ専門レーベルとしての性格を明確にしました。
- https://www.jazzdiscography.com/Artists/Commodore/CommodoreCDr.html
- https://www.78discography.com/
- https://hdl.loc.gov/loc.mbrsrs/eadmbrs.rs021001
デッカ・レコード
デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1938年1月の新譜資料が確認できるほか、同月25日にニューヨークでエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)関連の録音を行っています。この録音はエラ・フィッツジェラルド・アンド・ハー・サヴォイ・エイト(Ella Fitzgerald and Her Savoy Eight)名義で整理され、チック・ウェブ(Chick Webb, 1905–1939)を含む編成によるポピュラー音楽録音として位置づけられます。1938年初頭のデッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、スウィング期の人気歌手とバンドを組み合わせた商品展開を継続していました。
- https://hdl.loc.gov/loc.mbrsrs/eadmbrs.rs021001
- https://www.78discography.com/
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/30s/1938/BB-1938-01-22.pdf
アールシーエー・マニュファクチャリング社
アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)は、1938年1月のビクター(Victor)およびブルーバード(Bluebird)の新譜資料を残しています。同月18日には、ニューヨークでライオネル・ハンプトン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Lionel Hampton and His Orchestra)のビクター(Victor)録音が行われました。ビクター(Victor)では有力ジャズ演奏家の録音を扱う一方、ブルーバード(Bluebird)は低価格盤として広い市場に向けた展開を続けていました。
- https://hdl.loc.gov/loc.mbrsrs/eadmbrs.rs021001
- https://www.45cat.com/78rpm/record/b8928se
- https://www.78discography.com/
ミュージクラフト・レコード
ミュージクラフト・レコード社(Musicraft Records, Inc.)は、1938年1月にアルバム形式での発行・商品化活動が確認できます。同月の一覧には、カール・ヴァインリヒ(Carl Weinrich, 1904–1991)、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685–1750)作品、カール・サンドバーグ(Carl Sandburg, 1878–1967)関連のアルバムが含まれます。ミュージクラフト・レコード社(Musicraft Records, Inc.)は、クラシック、民謡、朗読、教育的録音を含む独自のカタログ形成を進めていました。
- https://www.friktech.com/labels/MusicraftAlbums1.pdf
- https://archives.libraries.rutgers.edu/repositories/6/resources/697
