1939年4月に録音された音楽

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1939年4月に録音された音楽

1939年4月は、ヨーロッパの戦争危機が急速に深まる一方で、文化・社会・技術の面でも象徴的な出来事が重なった月です。4月1日、フランシスコ・フランコ(Francisco Franco, 1892–1975)がスペイン内戦の勝利を宣言し、スペイン共和国は崩壊しました。4月7日、ベニート・ムッソリーニ(Benito Mussolini, 1883–1945)のイタリア王国がアルバニア王国へ侵攻し、ゾグ1世(Zog I, 1895–1961)は国外へ逃れました。4月13日、イギリス王国とフランス共和国はギリシャ王国とルーマニア王国に対する安全保障表明を行い、4月14日にはフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)がアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler, 1889–1945)とベニート・ムッソリーニ(Benito Mussolini, 1883–1945)へ侵略停止を求めるメッセージを送りました。4月28日、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler, 1889–1945)はドイツ国会(Reichstag)で英独海軍協定(Anglo-German Naval Agreement)とドイツ=ポーランド不可侵宣言(German–Polish Declaration of Non-Aggression)の失効を表明しました。文化面では、4月9日にマリアン・アンダーソン(Marian Anderson, 1897–1993)がリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)で野外コンサートを行い、4月14日にジョン・スタインベック(John Steinbeck, 1902–1968)の『怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)』が出版されました。4月30日にはニューヨーク万国博覧会(1939 New York World’s Fair)が開幕し、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)の演説がテレビで中継されました。

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1939年4月の録音に関する情報のまとめ

1939年4月の録音関連情報では、大手レコード会社によるスウィング・バンドとポピュラー音楽の商業録音に加え、独立系ジャズ・レーベルの重要な活動が確認できます。ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division)はヴィクター・レコード(Victor Records)とブルーバード・レコード(Bluebird Records)を通じてダンス・バンド録音を継続し、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)も同月に複数の主要楽団の録音を残しました。コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)のヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)、コモドア・ミュージック・ショップ(Commodore Music Shop)のコモドア・レコード(Commodore Records)、ブルーノート・レコード(Blue Note Records)、ソロ・アート・レコーディングス(Solo Art Recordings)では、後年のジャズ史で重要視される小編成録音も確認できます。

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ/ヴィクター・レコード/ブルーバード・レコード

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division)では、1939年4月もヴィクター・レコード(Victor Records)とブルーバード・レコード(Bluebird Records)を通じてスウィング・バンド録音が継続しました。グレン・ミラー(Glenn Miller, 1904–1944)が率いるグレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller and His Orchestra)は4月4日にヴィクター・スタジオ第2(Victor Studio No. 2)で「Moonlight Serenade」を録音しました。この録音はブルーバード・レコード(Bluebird Records)10214として発売され、同楽団の代表的録音になりました。ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)が率いるベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and His Orchestra)も4月7日にヴィクター・レコード(Victor Records)向けの録音を行っており、同社の主要ダンス・バンド録音が同月も継続していたことが確認できます。

デッカ・レコード社

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)では、1939年4月にウディ・ハーマン(Woody Herman, 1913–1987)が率いるウディ・ハーマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Woody Herman and His Orchestra)、ボブ・クロスビー(Bob Crosby, 1913–1993)が率いるボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Bob Crosby and His Orchestra)、ボブ・クロスビーズ・ボブ・キャッツ(Bob Crosby’s Bob Cats)などの録音が確認できます。ウディ・ハーマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Woody Herman and His Orchestra)は4月12日に「At the Woodchopper’s Ball」を録音し、デッカ・レコード(Decca Records)2440として発売されました。ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Bob Crosby and His Orchestra)とボブ・クロスビーズ・ボブ・キャッツ(Bob Crosby’s Bob Cats)も4月7日・4月19日などに録音を行い、同社がスウィングとディキシーランド系の商業録音を並行して展開していたことがわかります。

コロムビア・レコーディング社/ヴォカリオン・レコード

コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)のヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)では、1939年4月にフランク・ニュートン(Frank Newton, 1906–1954)関連の小編成ジャズ録音が確認できます。4月12日、フランク・ニュートン・アンド・ヒズ・カフェ・ソサエティ・オーケストラ(Frank Newton and His Cafe Society Orchestra)はニューヨークで「Tab’s Blues」「Jitters」「Frankie’s Jump」「Jam Fever」を録音しました。これらはヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)4821または4851として扱われます。資料によって一部の表示名はフランク・ニュートン・アップタウン・セレナーダーズ(Frank Newton Uptown Serenaders)となるため、同月の録音活動は同一系統のセッションとして整理できます。

コモドア・ミュージック・ショップ/コモドア・レコード

コモドア・ミュージック・ショップ(Commodore Music Shop)のコモドア・レコード(Commodore Records)では、1939年4月20日にビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)が「Strange Fruit」を録音しました。この曲はエイベル・ミーアポル(Abel Meeropol, 1903–1986)がルイス・アラン(Lewis Allan)名義で発表した作品をもとにしており、同録音はコモドア・レコード(Commodore Records)から発売されました。大手会社の通常の商業方針から外れた題材を独立系レーベルが録音・発売した点で、同月の録音史上きわめて重要な出来事です。

ブルーノート・レコード

ブルーノート・レコード(Blue Note Records)では、1939年4月7日にポート・オブ・ハーレム・ジャズメン(Port of Harlem Jazzmen)関連の録音がニューヨークで行われました。このセッションから、フランク・ニュートン・クインテット(Frank Newton Quintet)名義の「Daybreak Blues」と、ジェイ・シー・ヒギンボサム・クインテット(J. C. Higginbotham Quintet)名義の「Weary Land Blues」がブルーノート・レコード(Blue Note Records)501として発売されました。1939年初期のブルーノート・レコード(Blue Note Records)は大規模な月次新譜体制ではなく、ジャズ演奏家を絞った小編成録音を中心に活動していました。

ソロ・アート・レコーディングス

ソロ・アート・レコーディングス(Solo Art Recordings)では、1939年4月にブギウギ・ピアノ録音が確認できます。アルバート・アモンズ(Albert Ammons, 1907–1949)は4月8日にニューヨークで「St. Louis Blues」「Mecca Flat Blues」「Bass Gone Crazy」「Monday Struggle」「Boogie Woogie」を録音しました。ピート・ジョンソン(Pete Johnson, 1904–1967)は4月16日に「Shuffle Boogie」「Buss Robinson Blues」「B & O Blues」「How Long, How Long」「Pete’s Blues」などを録音しました。ソロ・アート・レコーディングス(Solo Art Recordings)は1939年–1940年の短命なレーベルですが、同月の録音はブギウギ・ピアノの商業録音史を補う重要な資料になります。