1940年12月に録音された音楽
1940年12月は、第二次世界大戦(Second World War)が軍事・社会・産業を強く動かした月です。12月1日、メキシコ合衆国(United Mexican States)ではマヌエル・アビラ・カマチョ(Manuel Ávila Camacho, 1897–1955)が大統領に就任しました。9日には北アフリカでコンパス作戦(Operation Compass)が始まり、イギリス連邦軍はイタリア軍に対する反攻を進めました。イギリス本土ではリヴァプール・ブリッツ(Liverpool Blitz)に続き、22日–24日にマンチェスター・ブリッツ(Manchester Blitz)が発生し、都市生活と民間防衛が大きな被害を受けました。14日にはバークレー放射線研究所(Berkeley Radiation Laboratory)で、グレン・T・シーボーグ(Glenn T. Seaborg, 1912–1999)らによる元素94に関係する実験が行われました。20日にはジョー・サイモン(Joe Simon, 1913–2011)とジャック・カービー(Jack Kirby, 1917–1994)による『キャプテン・アメリカ・コミックス』第1号(Captain America Comics No. 1)が発売され、戦時色を帯びた大衆文化の象徴となりました。21日にはF・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald, 1896–1940)が死去しました。29日にはフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)が「民主主義の兵器庫」演説(Arsenal of Democracy Speech)を行い、アメリカ合衆国(United States of America)の対英支援と軍需生産拡大を訴えました。
この月の確認されている録音:0曲
1940年12月の録音に関する情報のまとめ
1940年12月の録音関連資料では、アメリカ合衆国(United States of America)の主要会社による商業録音が複数確認できます。アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)では、デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Duke Ellington and His Famous Orchestra)の「Flamingo」が録音されました。デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)では、ビング・クロスビー・ウィズ・ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Bing Crosby with Bob Crosby and His Orchestra)による「New San Antonio Rose」が録音され、ポピュラー音楽とカントリー系レパートリーの接点を示す録音として重要です。コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)では、ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・セクステット(Benny Goodman and His Sextet)の小編成録音が行われ、チャーリー・クリスチャン(Charlie Christian, 1916–1942)を含む電気ギター期のスウィング録音として位置づけられます。
アールシーエー・マニュファクチャリング
アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)では、1940年12月28日にシカゴのアールシーエー・スタジオA(RCA Studio A)でデューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Duke Ellington and His Famous Orchestra)が「Flamingo」を録音しました。同録音はハーブ・ジェフリーズ(Herb Jeffries, 1913–2014)のヴォーカルを含み、デューク・エリントン(Duke Ellington, 1899–1974)の1940年代前半のレパートリーのなかでも、ポピュラー・ヴォーカル曲として広く知られる重要録音です。資料上、同日の録音には複数曲が確認できますが、H3本文では代表性の高い「Flamingo」に絞って扱います。
- https://ellingtonia.com/discography/1940-1949/
- https://archive.org/stream/rust_jazz-records_free-edition-6/rust_jazz-records_free-edition-6_djvu.txt
デッカ・レコード
デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)では、1940年12月16日にロサンゼルスでビング・クロスビー・ウィズ・ボブ・クロスビー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Bing Crosby with Bob Crosby and His Orchestra)が「New San Antonio Rose」を録音しました。同曲はボブ・ウィルズ(Bob Wills, 1905–1975)のレパートリーとして知られ、ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903–1977)の録音によって、ウェスタン・スウィング系の楽曲がより広いポピュラー市場へ届くうえで重要な録音となりました。1940年12月のデッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)には他の録音活動も確認できますが、本文では同月の代表的な商業録音としてこの項目に絞ります。
- https://www.45cat.com/78rpm/record/3572
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1940-12-09
コロムビア・レコーディング
コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)では、1940年12月19日にベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・セクステット(Benny Goodman and His Sextet)が「Breakfast Feud」を録音しました。同録音は、ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)の小編成スウィング録音のなかで、チャーリー・クリスチャン(Charlie Christian, 1916–1942)の参加を確認できる時期の資料として重要です。1940年12月には同社で他のベニー・グッドマン関連録音やテディ・ウィルソン・オーケストラ(Teddy Wilson Orchestra)の録音も確認できますが、H3本文では後世への影響が大きい小編成録音に絞って記述します。
- https://www.soloflight.cc/xBrkfst01_259-5.htm
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1940-12-09
