1941年6月に録音された音楽
1941年6月は、第二次世界大戦(World War II)が中東・東欧・北欧へ一段と拡大した月です。1日–2日にはイラク王国(Kingdom of Iraq)バグダードでファルフード(Farhud)が起き、8日にはシリア・レバノン戦役(Syria–Lebanon Campaign)が始まりました。14日にはソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)が占領下のバルト地域などで六月強制移送(June deportation)を実施しました。22日にはドイツ国(German Reich)がバルバロッサ作戦(Operation Barbarossa)を開始し、25日にはフィンランド共和国(Republic of Finland)とソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)の継続戦争(Continuation War)が始まりました。同じ25日、アメリカ合衆国(United States of America)ではフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)が大統領令第8802号(Executive Order 8802)に署名し、28日には大統領令第8807号(Executive Order 8807)で科学研究開発局(Office of Scientific Research and Development)が設置されました。文化・労働面では、ウォルト・ディズニー・プロダクションズ(Walt Disney Productions)のストライキが続きました。
この月の確認されている録音:0曲
1941年6月の録音に関する情報のまとめ
1941年6月の録音関連記録では、アメリカ合衆国(United States of America)の主要3系統が目立ちます。アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)系ではヴィクター・レコード(Victor Records)とブルーバード・レコード(Bluebird Records)、コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)系ではオーケー・レコード(OKeh Records)、デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)ではデッカ・レコード(Decca Records)の活動が確認できます。同月の資料では、スウィング、ジャズ、ポピュラー、カントリー/ウェスタン系の録音が並行して行われ、主要会社の販売活動も国内ヒット盤と海外市場の双方に向いていました。
アールシーエー・ヴィクター/ブルーバード
アールシーエー・マニュファクチャリング社(RCA Manufacturing Co., Inc.)系では、ヴィクター・レコード(Victor Records)とブルーバード・レコード(Bluebird Records)の双方で1941年6月の活動が確認できます。ヴィクター・レコード(Victor Records)では、デューク・エリントン(Duke Ellington, 1899–1974)率いるデューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Duke Ellington and His Famous Orchestra)が、6月5日にロサンゼルスで「Bakiff」「The Giddybug Gallop」などを、6月26日に「Chocolate Shake」「I Got It Bad」などを録音しました。ブルーバード・レコード(Bluebird Records)では、サニー・ダナム(Sonny Dunham, 1911–1990)、チャーリー・バーネット(Charlie Barnet, 1913–1991)、グレン・ミラー(Glenn Miller, 1904–1944)、ラリー・クリントン(Larry Clinton, 1909–1985)、フレディ・マーティン(Freddy Martin, 1906–1983)、ヴォーン・モンロー(Vaughn Monroe, 1911–1973)らの楽団録音が月内に並び、同系統のスウィング系商業録音が継続していました。
- https://www.78discography.com/BB11000.htm
- https://www.filmsgraded.com/boxset/year/4/1/06.htm
- https://www.78discography.com/vic27500.html
コロムビア/オーケー
コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corporation)系では、オーケー・レコード(OKeh Records)の1941年6月録音が確認できます。ジーン・クルーパ(Gene Krupa, 1909–1973)率いるジーン・クルーパ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Gene Krupa and his Orchestra)は、6月5日にニューヨークで「‘Til Reveille」「Afraid To Say Hello」「Love Me As I Am」「The Cowboy Serenade」「Kick It」「After You’ve Gone」を録音し、「Kick It」「After You’ve Gone」はオーケー・レコード(OKeh Records)6278として発売されました。同社系のカントリー/ウェスタン系では、ジーン・オートリー(Gene Autry, 1907–1998)が6月18日にハリウッドで「You Are My Sunshine」と「It Makes No Difference Now」を録音し、オーケー・レコード(OKeh Records)06274として同年7月10日に発売されました。
- https://www.gkrp.net/sessions/1941s/
- https://www.45cat.com/78rpm/record/06274
- https://www.78discography.com/OK6000.htm
デッカ・レコード
デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)では、1941年6月に録音と販売の両面で活動が見られます。ウディ・ハーマン(Woody Herman, 1913–1987)率いるウディ・ハーマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Woody Herman and His Orchestra)は、6月5日にニューヨークで「Hey Doc!」を録音し、デッカ・レコード(Decca Records)3889の片面として発売されました。販売面では、ジミー・ドーシー(Jimmy Dorsey, 1904–1957)楽団のデッカ・レコード(Decca Records)盤「My Sister and I」と「Maria Elena」が、ビルボード誌(The Billboard)の1941年6月の全国小売レコード売上表(National Best Selling Retail Records)で上位を占めました。6月7日号は、デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)、ヴィクター・レコード(Victor Records)、コロムビア・レコード(Columbia Records)の南アメリカ市場での事業にも言及しており、同月の録音産業が国内ヒット盤と海外販路の双方で動いていたことを示しています。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1941/BB-1941-06-07.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1941/BB-1941-06-14.pdf
- https://www.discogs.com/release/3923964-Woody-Herman-And-His-Orchestra-Night-Watchman-Hey-Doc
