1944年4月に録音された音楽

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1944年4月に録音された音楽

1944年4月は、第二次世界大戦(Second World War)の戦局と戦後秩序の構想が同時に動いた月でした。4月3日、アメリカ合衆国最高裁判所(Supreme Court of the United States)はスミス対オールライト事件(Smith v. Allwright)で、人種差別的な予備選挙排除を違憲と判断しました。4月8日にはソビエト連邦軍がクリミア戦略攻勢作戦(Crimean Strategic Offensive Operation)を開始し、4月14日には英領インドのボンベイでボンベイ・ドックス爆発事故(Bombay Docks Explosion)が発生しました。4月19日、日本軍は中国戦線で一号作戦(Operation Ichi-Go)を開始しました。4月21日、フランス国民解放委員会(French Committee of National Liberation)は解放後のフランスにおける公権力の組織に関する1944年4月21日付オルドナンス(Ordonnance du 21 avril 1944 portant organisation des pouvoirs publics en France après la Libération)を公布し、女性の選挙権と被選挙権を明文化しました。同日、連合国および協同国の国際通貨基金設立に関する専門家共同声明(Joint Statement by Experts on the Establishment of an International Monetary Fund of the United and Associated Nations)が公表され、戦後国際金融体制の具体化が進みました。文化面では、4月24日に映画『深夜の告白(Double Indemnity)』の公開が確認されます。

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1944年4月の録音に関する情報のまとめ

1944年4月のアメリカ合衆国の録音業界では、戦時下の制約が続くなかでも、各社が新譜、アルバム商品、既発音源の再構成、独立系レーベルの新録音を通じて市場活動を継続していました。大手ではデッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)、ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division)、コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corp.)の動きが確認できます。加えて、サヴォイ・レコード社(Savoy Record Company)ではジャズ系録音の展開が報じられ、コンチネンタル・レコード・ディストリビューティング社(Continental Record Distributing Company)やスタンダード・レコード(Standard Record、会社正式名称は資料上確認できず)についても、1944年4月の資料上で流通・録音計画に関する具体的な動きが確認できます。

デッカ・レコード

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1944年4月の業界紙『ザ・ビルボード(The Billboard)』で、舞台作品を中心としたアルバム商品の拡充を進めていたことが確認できます。4月8日号では、『オクラホマ!(Oklahoma!)』がすでに発売済みであることに加え、『ア・コネチカット・ヤンキー(A Connecticut Yankee)』『メリー・ウィドウ(The Merry Widow)』『砂漠の歌(The Desert Song)』『カルメン・ジョーンズ(Carmen Jones)』が近く予定されていると記されています。単発盤に加え、舞台音楽をまとまった商品として提示するアルバム展開が、同社の1944年4月の主要な活動として確認できます。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、キング・コール・トリオ(King Cole Trio)の「ストレイトン・アップ・アンド・フライ・ライト(Straighten Up and Fly Right)」〔Capitol 154〕を1944年4月の主要商品として展開していました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』4月15日号、4月22日号、4月29日号の人気盤欄に同盤が継続して掲載されており、当月の市場で強い存在感を示していたことが確認できます。戦時下のポピュラー音楽市場において、同社が新しいヒット盤を軸に存在感を高めていたことを示す動きです。

アールシーエー・ヴィクター

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division)は、1944年4月に既発音源を再構成したアルバム商品の訴求を進めていました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』4月1日号では、『スモーク・リングス(Smoke Rings)』〔Victor P-147〕が掲載され、4月8日号では『アップ・スウィング(Up Swing)』と『スモーク・リングス(Smoke Rings)』の企画が紹介されています。『アップ・スウィング(Up Swing)』は、トミー・ドーシー(Tommy Dorsey, 1905–1956)、グレン・ミラー(Glenn Miller, 1904–1944)、ベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909–1986)、アーティ・ショウ(Artie Shaw, 1910–2004)らの既発スウィング録音を組み直した商品として説明されています。新録音だけでなく、既存カタログをアルバム化して再提示する販売戦略が、当月資料から明確に読み取れます。

コロムビア・レコーディング

コロムビア・レコーディング社(Columbia Recording Corp.)は、1944年4月22日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』で、『ブルース・バイ・ベイシー(Blues by Basie)』を1944年5月15日発売予定の新アルバムとして告知しました。発売日は翌月ですが、広告掲載と事前訴求は1944年4月に確認できる企業活動です。カウント・ベイシー(Count Basie, 1904–1984)関連商品をアルバム単位で前面に出す販売施策が、同社の当月の重要な動きとして位置づけられます。

サヴォイ・レコード

サヴォイ・レコード社(Savoy Record Company)は、1944年4月にアール・ウォーレン(Earle Warren, 1914–1994)を中心とする録音を進めていたことが確認できます。『ザ・ビルボード(The Billboard)』4月29日号は、アール・ウォーレン(Earle Warren, 1914–1994)がサヴォイ・レコード社(Savoy Record Company)向けに4面のセッションを行ったことを報じています。後年のディスコグラフィでは、アール・ウォーレン楽団(Earle Warren Orchestra)の録音が1944年4月18日にニューヨークで行われたことが整理されています。独立系レーベルがスウィング系演奏家を起用して新録音を展開していたことを示す当月の具体例です。

コンチネンタル・レコード・ディストリビューティング

コンチネンタル・レコード・ディストリビューティング社(Continental Record Distributing Company)は、1944年4月29日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』で、リリカル・レーベル(Lyrical Label)の商品『ミュージック・オブ・トゥデイ・スタイルド・バイ・レニー・アンド・ハー・スウィンゲッツ(Music of Today Styled By Renee and her Swingettes)』の流通に関与する企業として確認できます。レコード会社本体ではなく販売・流通側の動きですが、戦時下の独立系録音商品の市場展開を支える事業者として、同月の業界活動に含めることができます。

スタンダード・レコード

スタンダード・レコード(Standard Record、会社正式名称は資料上確認できず)は、1944年4月29日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』で、新たに4面を録音し、5万枚をプレスする計画を持つ事業者として報じられています。記事では、その対象として「ハット・チェック・ガール、ビー・スウィート・トゥ・ユア・ダディ(Hat-Check Girl, Be Sweet To Your Daddy)」などの曲名が挙げられています。会社の正式名称までは同資料のみでは確定できませんが、1944年4月時点で具体的な録音・製造計画が公表されていたことは確認できます。