1944年8月に録音された音楽

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1944年8月に録音された音楽

1944年8月は、第二次世界大戦(Second World War)の戦局、戦後秩序の構想、科学技術の進展が同時に大きく動いた月でした。8月1日にはワルシャワ蜂起(Warsaw Uprising)が始まり、4日にはアンネ・フランク(Anne Frank, 1929–1945)らがアムステルダムで発見・逮捕されました。7日には、ハーバード大学(Harvard University)で自動逐次制御計算機(Automatic Sequence Controlled Calculator)が正式に披露されました。15日にはドラグーン作戦(Operation Dragoon)が開始され、21日にはワシントン国際平和安全保障機構会談(Washington Conversations on International Peace and Security Organization)が開幕しました。23日、ミハイ1世(Michael I of Romania, 1921–2017)がイオン・アントネスク(Ion Antonescu, 1882–1946)を拘束し、ルーマニア王国(Kingdom of Romania)の政局は大きく転換しました。25日にはパリ解放(Liberation of Paris)が進み、欧州戦線は終局へ向けてさらに動きました。

この月の確認されている録音:0曲

1944年8月の録音に関する情報のまとめ

1944年8月の録音関連業界では、アメリカ音楽家連盟(American Federation of Musicians)の録音禁止問題がなお大手企業の動向を左右していました。その一方で、同月の業界紙には、既存盤の販売促進、放送番組と結びついた訴求、転写盤事業の拡大、新規契約や録音計画の進行が確認できます。大手レコード会社だけでなく、転写盤制作会社や新興レーベルも活発に動いており、1944年8月は、制約下にありながら録音関連事業の多層的な展開が続いた月でした。

デッカ・レコード・インコーポレイテッド

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月5日号では、デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)が《アイル・リメンバー・エイプリル(I’ll Remember April)》のデッカ録音を前面に掲げた広告を掲載していました。広告は同曲の他社盤との比較を意識した販促構成で、1944年8月の時点で同社が既発盤の販売訴求を積極的に行っていたことを示しています。この広告だけでは、当月に同曲の新規録音が実施されたかどうかは確認できません。

アールシーエー・ヴィクター部門

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月12日号では、アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)とナショナル・ブロードキャスティング・カンパニー(National Broadcasting Company)に関わる番組《ミュージック・アメリカ・ラヴズ・ベスト(Music America Loves Best)》が、クラシック中心からジャズ重視へ方針を変えたと報じられました。8月12日放送分には、クージー・コール(Cozy Cole, 1909–1981)、チャーリー・スピヴァク(Charlie Spivak, 1905–1982)、デューク・エリントン(Duke Ellington, 1899–1974)の出演予定が示されています。また、8月26日号では、録音禁止問題をめぐる報道の中でアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)の名が挙げられており、同月の同部門が放送企画と制度問題の双方で注目されていたことが確認できます。個別の当月録音セッション実施は、これらの記事のみでは確認できません。

コロムビア・レコーディング・コーポレーション

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月26日号では、アメリカ音楽家連盟(American Federation of Musicians)と国家戦時労働委員会(National War Labor Board)をめぐる録音禁止問題の報道において、コロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)の名が挙げられました。この記事は、1944年8月時点でコロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)が、録音事業の再開条件を左右する制度的対立の渦中にあったことを示しています。具体的な当月録音セッションの実施は、当該記事だけでは確認できません。

キャピトル・レコード・インコーポレイテッド

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月5日号、8月12日号、8月26日号の人気盤欄には、キャピトル・レコード・インコーポレイテッド(Capitol Records, Inc.)の盤が継続して掲載されました。とくにキング・コール・トリオ(King Cole Trio)の「Capitol 154」は複数号で確認でき、1944年8月の市場でキャピトル・レコード・インコーポレイテッド(Capitol Records, Inc.)の音盤が継続して流通し、注目されていたことが分かります。ただし、この掲載から当月の新規録音実施を断定することはできません。

シー・ピー・マクレガー社

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月5日号には、シー・ピー・マクレガー社(C.P. MacGregor Company)に関する録音日程設定の記事が掲載されました。シー・ピー・マクレガー社(C.P. MacGregor Company)は転写盤制作を担う企業であり、当月資料からは、1944年8月時点で録音計画が進行していたことを確認できます。当該記事からは、録音計画の全内容までは確認できません。

スタンダード・ラジオ・トランスクリプション・サービシズ社

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月19日号では、スタンダード・ラジオ・トランスクリプション・サービシズ社(Standard Radio Transcription Services, Inc.)に関する記事が掲載され、同社の転写盤が英語・スペイン語・ポルトガル語で準備され、米国外にも供給される計画が報じられました。これは、1944年8月の時点で、スタンダード・ラジオ・トランスクリプション・サービシズ社(Standard Radio Transcription Services, Inc.)が多言語かつ国際向けの転写盤事業を進めていたことを示します。当該記事から個別タイトルや全供給先の確定はできません。

サヴォイ・レコード

『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年8月5日号では、サヴォイ・レコード(Savoy Records)向けの録音企画が進行していると報じられました。8月12日号では、ヴィオラ・アンダーヒル(Viola Underhill, 生没年不明)との契約と録音実施が伝えられ、8月19日号にはディーラー向け広告も確認できます。これらの資料から、サヴォイ・レコード(Savoy Records)が1944年8月に新規録音、契約、販売促進を並行して進めていたことが確認できます。