1944年6月に録音された音楽
1944年6月は、第二次世界大戦(Second World War)の戦局が欧州とアジアの双方で大きく動いた月でした。6月4日、連合国軍はローマを解放しました。6月6日にはオーヴァーロード作戦(Operation Overlord)が開始され、ノルマンディー上陸によって西部戦線の本格的な再開が進みました。6月13日、ドイツはV-1飛行爆弾(V-1 flying bomb)による英国攻撃を開始し、6月15日にはボーイングB-29スーパーフォートレス(Boeing B-29 Superfortress)が八幡製鐵所を目標とする日本本土初空襲を実施しました。6月17日、アイスランド共和国(Republic of Iceland)が成立しました。6月22日にはソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)がバグラチオン作戦(Operation Bagration)を開始し、同日、アメリカ合衆国では復員軍人再適応法(Servicemen’s Readjustment Act of 1944)が成立しました。
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1944年6月の録音に関する情報のまとめ
1944年6月の米国録音産業は、米国音楽家連盟(American Federation of Musicians)の録音禁止問題を中心に展開しました。全国戦時労働委員会(National War Labor Board)は、録音禁止の撤回と未決着企業との支払い交渉を求める裁定を示しましたが、アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division of RCA Manufacturing Co., Inc.)とコロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)については、同月中の通常録音再開を確認できません。一方、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は先行契約企業として扱われ、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は生産体制の拡張を進めていました。
アールシーエー・ヴィクター部門
アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division of RCA Manufacturing Co., Inc.)は、1944年6月時点で米国音楽家連盟(American Federation of Musicians)との録音禁止問題が未決着の主要企業として報じられました。『ブロードキャスティング(Broadcasting)』1944年6月12日号は、同部門とコロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)が、全国戦時労働委員会(National War Labor Board)の判断遅延に抗議したことを伝えています。さらに6月19日号では、全国戦時労働委員会(National War Labor Board)が録音禁止の撤回を命じ、未決着企業とのエスクロー支払い交渉を求めたことが掲載されました。ただし、アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division of RCA Manufacturing Co., Inc.)の通常商業録音が1944年6月中に再開したことは、確認資料上では断定できません。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-12-BC.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-19-BC.pdf
コロムビア・レコーディング・コーポレーション
コロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)も、1944年6月の録音禁止問題における未決着企業として確認できます。『ブロードキャスティング(Broadcasting)』1944年6月12日号では、同社がアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division of RCA Manufacturing Co., Inc.)とともに全国戦時労働委員会(National War Labor Board)へ早期裁定を求めていたことが報じられました。6月19日号の裁定記事では、米国音楽家連盟(American Federation of Musicians)に録音禁止撤回が命じられた一方、同社を含む未決着企業との金銭条件はなお交渉対象とされました。したがって、1944年6月のコロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)は、録音活動の正常化に至る直前段階にあったと整理できますが、同月内の通常録音再開は確認できません。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-12-BC.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-19-BC.pdf
デッカ・レコード社
デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1944年6月時点で米国音楽家連盟(American Federation of Musicians)と先行して契約を結んでいた録音企業として位置づけられます。『ブロードキャスティング(Broadcasting)』1944年6月12日号は、米国音楽家連盟(American Federation of Musicians)が、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)および他の先行契約企業の条件を基準として、同等条件以外での録音に応じない方針を確認したことを伝えています。6月19日号でも、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)と他のトランスクリプション会社による契約が、全国戦時労働委員会(National War Labor Board)の裁定上の重要な前提として扱われました。1944年6月の同社は、録音禁止問題の中で、他社より先に労使合意を確保していた企業として確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-12-BC.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-BC/Broadcasting-Magazine/BC-1944/1944-06-19-BC.pdf
キャピトル・レコード社
キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1944年6月の業界資料で、生産体制の拡張を進める企業として確認できます。『ラジオ・アンド・テレビジョン・リテイリング(Radio & Television Retailing)』1944年6月号は、同社がスクラントン・レコード社(Scranton Record Co.)との新契約を結び、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)製品の生産改善が見込まれると報じました。これは、戦時下で原材料と製造能力の制約が続くなか、同社が販売拡大に対応する供給基盤を強化していたことを示す同月資料上の動きです。
