1944年9月に録音された音楽
1944年9月は、第二次世界大戦(Second World War)の終結過程を左右する軍事・外交の動きが相次いだ月でした。9月8日にはV-2ロケット(V-2 rocket)による攻撃がパリとロンドンに達し、長距離弾道兵器が実戦段階に入りました。9月中旬には第二次ケベック会談(Second Quebec Conference)が開かれ、連合国首脳が対独戦終結と戦後構想を協議しました。9月17日にはマーケット・ガーデン作戦(Operation Market Garden)が始まり、オランダで大規模な空挺・地上作戦が展開されました。9月19日にはモスクワ休戦協定(Moscow Armistice)が署名され、フィンランドはソビエト連邦との休戦に入りました。社会面では、9月15日にグレート・アトランティック・ハリケーン(Great Atlantic Hurricane)が米国東岸を襲い、海上を中心に大きな被害を出しました。文化面では、フランク・キャプラ(Frank Capra, 1897–1991)監督の映画『毒薬と老嬢(Arsenic and Old Lace)』が9月23日に公開されました。
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1944年9月の録音に関する情報のまとめ
1944年9月の米国録音業界では、全米音楽家連盟(American Federation of Musicians)による録音禁止措置がなお大手各社の動きを制約していました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年9月23日号は、ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカのアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)とコロムビア・レコード(Columbia Records)が同連盟側との協議を続けていたと報じています。一方で、独立系レーベルでは新規録音、録音スタジオ契約、発売再開、販売網の整備が確認でき、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)、サヴォイ・レコード・カンパニー(Savoy Record Company)、スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)、ヒット・レコード(Hit Records)などが当月資料上で具体的な活動を示しています。
キャピトル・レコード社
キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1944年9月にシー・ピー・マグレガー(C. P. MacGregor, 生没年不明)と専属録音契約を結びました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年9月23日号によれば、この契約により、同社はシー・ピー・マグレガーの録音スタジオを商業録音向けに専属使用し、週1,000ドルを保証する条件を設定しました。記事は、キャピトル・レコード社が録音制作の中核設備を安定的に確保する動きとして、この契約を報じています。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
サヴォイ・レコード・カンパニー
サヴォイ・レコード・カンパニー(Savoy Record Company)は、1944年9月16日までの週に2件の録音セッションを実施し、いずれもオリジナル作品の録音を進めていました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年9月23日号は、同社がジャズ録音の蓄積を進めるとともに、翌週にも追加セッションを予定していたと報じています。また、同記事では、同社がオリジナル作品の出版業務にも乗り出していたことが示されており、録音制作と楽曲管理を並行して強化していたことが確認できます。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
ジェネット・レコード
スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)は、1944年9月20日頃から10インチ黒レーベル盤の初回出荷を予定していると広告で告知しました。『ザ・ビルボード(The Billboard)』1944年9月23日号の広告では、ザ・ファイヴ・レッド・キャップス(The 5 Red Caps)、サヴァンナ・チャーチル・アンド・ハー・オールスター・セヴン(Savannah Churchill and Her All-Star Seven)、ガブリエル・ブラウン・アンド・ヒズ・ギター(Gabriel Brown and His Guitar)、クレイトン・マクミチェン・アンド・ヒズ・ジョージア・ワイルドキャッツ(Clayton McMichen and His Georgia Wildcats)の盤が掲げられています。これは、ジェネット・レコードが戦時期に新たな発売展開を具体化していたことを示す当月資料です。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
デッカ・レコード社
デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)については、1944年9月23日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』が、ザ・スリー・ペッパーズ(The Three Peppers)とのレコード録音契約を報じています。これは、同社が録音禁止措置の継続下でも新たな出演者を確保し、商品展開を進めていたことを示す動きです。同号では、同社の新規商業録音盤に関する紹介も掲載されており、1944年9月時点でデッカ・レコード社が録音・発売の両面で活動を継続していたことが確認できます。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
コロムビア・レコード
コロムビア・レコード(Columbia Records)は、1944年9月23日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』に新盤広告を掲載し、キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Cab Calloway and His Orchestra)とレイ・ノーブル・アンド・ヒズ・オーケストラ(Ray Noble and His Orchestra)の盤を訴求しました。同号の記事では、全米音楽家連盟(American Federation of Musicians)による録音禁止措置の影響が依然として同社に及んでいたことも示されています。1944年9月のコロムビア・レコードは、新録音をめぐる制約のなかで、既存商品と新盤広告を通じた市場対応を続けていました。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
アールシーエー・ヴィクター
ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカのアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)は、1944年9月23日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』に広告を掲出し、自社レコードの販売訴求を続けていました。同号の記事は、同部門がコロムビア・レコード(Columbia Records)とともに、全米音楽家連盟(American Federation of Musicians)による録音禁止措置をめぐる協議の当事者であったことを報じています。1944年9月の同部門は、販売活動を継続しつつ、録音再開をめぐる交渉局面に置かれていました。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
ヒット・レコード
ヒット・レコード(Hit Records)は、1944年9月23日号の『ザ・ビルボード(The Billboard)』で、前週に6面分の録音が行われたと報じられました。記事は録音主体を個別に扱う短い業界欄ですが、同レーベルが1944年9月時点で新規録音を継続していたことを直接示しています。大手企業の録音活動が制約を受けるなかで、ヒット・レコードのような独立系レーベルが制作を進めていた点は、当月の録音業界を整理するうえで重要です。
- https://archive.org/stream/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ/bub_gb_PwwEAAAAMBAJ_djvu.txt
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1944/BB-1944-09-23.pdf
