1945年4月に録音された音楽
1945年4月、第二次世界大戦(World War II)は欧州とアジアの両戦線で終局局面に入りました。4月1日には沖縄戦(Battle of Okinawa)が始まり、日本本土への接近をめぐる大規模戦闘が本格化しました。4月12日、フランクリン・D・ルーズベルト(Franklin D. Roosevelt, 1882–1945)が死去し、同日、ハリー・S・トルーマン(Harry S. Truman, 1884–1972)がアメリカ合衆国大統領に就任しました。4月15日にはベルゲン・ベルゼン強制収容所(Bergen-Belsen concentration camp)がイギリス軍によって解放され、収容所の実態が広く明らかになりました。4月25日、トルガウ付近のエルベ川でアメリカ軍とソビエト連邦軍が合流し、同日、国際機構に関する連合国会議(United Nations Conference on International Organization)がサンフランシスコで開幕しました。4月28日にはベニート・ムッソリーニ(Benito Mussolini, 1883–1945)が殺害され、4月30日にはアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler, 1889–1945)がベルリンで自殺しました。文化面では4月19日、ミュージカル『回転木馬』(Carousel)がブロードウェイで初演されました。
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1945年4月の録音に関する情報のまとめ
1945年4月の録音関連業界では、戦時下の資材制約を背景にしつつ、主要企業が新譜宣伝、映画や放送と結びついた販促、ディスクジョッキー向け配布の見直し、業界紙広告による市場訴求を続けていました。『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月各号では、アールシーエー・ヴィクター・ディストリビューティング社(RCA-Victor Distributing Company)、キャピトル・レコード・インコーポレイテッド(Capitol Records, Inc.)、デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)、コロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)、マジェスティック・レコード・インコーポレイテッド(Majestic Records, Inc.)、ナショナル・レコード社(National Records Co.)の当月活動が確認できます。
アールシーエー・ヴィクター・ディストリビューティング社
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月14日号では、アールシーエー・ヴィクター・ディストリビューティング社(RCA-Victor Distributing Company)が、映画『忘れじの面影』(A Song to Remember)に関連するクラシック・レコード販促キャンペーンをシカゴで開始すると報じられました。映画公開と音楽商品の販促を連動させる施策であり、同社が1945年4月時点でクラシック市場の需要喚起を積極的に進めていたことが確認できます。
キャピトル・レコード・インコーポレイテッド
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月21日号では、キャピトル・レコード・インコーポレイテッド(Capitol Records, Inc.)が、従来ディスクジョッキーへ無償送付していたレコードについて、資材と人員の不足、さらに発売前の売り切れ発生を理由に、従来どおりの配布を続けにくくなっていると報じられました。これは、戦時下の生産制約が販促実務に直接影響していたことを示す事例です。
デッカ・レコード・インコーポレイテッド
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月7日号には、デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)のデイヴ・カップ(Dave Kapp, 1904–1976)が、ルイ・ジョーダン(Louis Jordan, 1908–1975)の「カルドニア」(Caldonia)を強く訴求する広告が掲載されました。さらに4月28日号のランキング欄では、同社から発売されたシスター・ロゼッタ・サープ(Sister Rosetta Tharpe, 1915–1973)のDecca 8689、ルイ・ジョーダン(Louis Jordan, 1908–1975)のDecca 8608が確認できます。デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)は、同月に広告と市場反応の両面で主要タイトルを押し出していました。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1945/BB-1945-04-07.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/40s/1945/BB-1945-04-28.pdf
コロムビア・レコーディング・コーポレーション
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月28日号には、コロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)のColumbia Record No. 36795を掲げた広告が掲載されました。広告では、カウント・ベイシー(Count Basie, 1904–1984)の録音に用いられた特殊な弦楽効果を前面に出して訴求しており、同社が録音上の特徴を販売宣伝の核として扱っていたことが確認できます。
マジェスティック・レコード・インコーポレイテッド
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月28日号には、マジェスティック・レコード・インコーポレイテッド(Majestic Records, Inc.)の広告が掲載されました。同広告では、同社がマジェスティック・ラジオ・アンド・テレビジョン・コーポレーション(Majestic Radio & Television Corporation)の子会社であることも明示されています。1945年4月時点で、同社が業界紙上で継続的にレコード事業を訴求していたことが確認できます。
ナショナル・レコード社
『ザ・ビルボード』(The Billboard)1945年4月14日号には、ナショナル・レコード社(National Records Co.)の広告が掲載され、「4月のニッケルの雨」を掲げてジュークボックス需要を意識した販促が展開されていました。戦時下でも小売と自動演奏機市場を意識した宣伝を積極的に行っていたことが確認できます。
