1946年11月に録音された音楽

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1946年11月に録音された音楽

1946年11月は、戦後秩序の制度化、民主化の進展、労働不安、科学研究の再始動が同時に可視化された月でした。11月1日、カリフォルニア大学放射線研究所(Radiation Laboratory, University of California, Berkeley)で184インチ・サイクロトロン(184-Inch Cyclotron)が初めて運転されました。11月3日には日本国憲法(The Constitution of Japan)が公布され、11月4日には国際連合教育科学文化機関憲章(Constitution of the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)が発効しました。11月5日のアメリカ合衆国下院(United States House of Representatives)選挙では共和党(Republican Party)が多数派を回復し、11月10日にはフランス第四共和政(French Fourth Republic)最初のフランス国民議会(Assemblée nationale)選挙が行われました。11月19日にはアフガニスタン、アイスランド、スウェーデンが国際連合(United Nations)に加盟し、同日にはパリで国際連合教育科学文化機関第1回総会(First General Conference of the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)が開会しました。アメリカ合衆国では、瀝青炭鉱山労働者の離職が11月18日から広がり、11月20日深夜までに全面的なストライキへ拡大しました。

この月の確認されている録音:0曲

1946年11月の録音に関する情報のまとめ

1946年11月の録音業界では、戦後の娯楽需要の拡大に対して、材料不足、生産能力、価格制度、録音スタジオの確保が同時に重要課題となっていました。同時代業界紙は、音楽出版社が主要レコード会社に人気歌手・楽団による新曲録音を強く求める一方、製造側は発売枠を大きく増やせず、調整が難航していたと伝えています。そのなかで各社は、専属契約の更新、教育・児童向けアルバムの拡張、東部録音拠点の追加確保、他社設備の賃借、資金再編、価格帯変更に伴う著作権使用料調整などを進めていました。1946年末商戦を見据え、録音制作、製造、流通、資本再編が一体化して動いた月でした。

コロムビア・レコーディング・コーポレーション

コロムビア・レコーディング・コーポレーション(Columbia Recording Corporation)は、1946年11月、レイ・ノーブル(Ray Noble, 1903–1978)のオーケストラ契約を更新しました。同時代業界紙は、新契約が3年と伝えられていたこと、さらに更新後の初回録音がニューヨークで実施されたことを報じています。戦後のポピュラー録音市場において、同社が有力楽団との継続的な制作体制を固めていたことが確認できます。

デッカ・レコード・インコーポレイテッド

デッカ・レコード・インコーポレイテッド(Decca Records, Inc.)は、文学、物語、伝承、詩を扱うアルバム企画を拡大し、教育部門の体制を強化しました。同時代業界紙は、同社が教育分野の顧問を迎えたこと、またチャールズ・ロートン(Charles Laughton, 1899–1962)による聖書朗読シリーズが材料不足により1947年発売待ちとなっていたことを伝えています。娯楽盤だけでなく、教養・朗読録音を事業領域として広げる動きが明確に見られます。

キャピトル・レコード・インコーポレイテッド

キャピトル・レコード・インコーポレイテッド(Capitol Records, Inc.)は、1946年11月に報じられた営業成績で、同年9月30日までの9か月売上が前年同期比142%増の8,230,505ドルに達したと示されました。さらに同月、アールケーオー=パテ(RKO-Pathé)のニューヨーク新スタジオを録音目的で独占使用する契約を結び、12月2日以降の東部録音体制を拡張する方針が報じられています。販売拡大と録音拠点の強化が同時に進んでいました。

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカのアールシーエー・ヴィクター

ラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Radio Corporation of America)のアールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)は、1946年11月、出版社側から有力歌手・楽団による新曲録音を強く求められていた主要部門の一つとして報じられました。同じ月の業界紙には、ベティ・ハットン(Betty Hutton, 1921–2007)がバラード1面とノヴェルティ1面を新たに録音したとの記述もあり、人気歌手を軸にした新譜制作が続いていたことを確認できます。

ブラック・アンド・ホワイト・レコード

ブラック・アンド・ホワイト・レコード(Black & White Records)は、ブルースおよびジャズ盤の制作体制を強化しました。同時代業界紙は、同社がフィル・ムーア(Phil Moore, 1918–1987)を同部門のディレクターに迎え、レナ・ホーン(Lena Horne, 1917–2010)とアイヴィー・アンダーソン(Ivie Anderson, 1904–1949)による最初の録音を進めたと報じています。レーベルの個性を明確にする人事と録音制作が同月に重なっていました。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、60セント盤の展開に伴い、作曲出版社に対して1面あたり1.5セントのロイヤルティ支払いへ同意する署名書面を求めました。これは法定2セントを下回る条件であり、価格帯の引き下げと原価管理をめぐる1946年末の実務対応を示しています。同時代業界紙は、低価格盤の拡大が出版社との調整問題を生んでいたことを具体的に伝えています。

コスモポリタン・レコード

コスモポリタン・レコード(Cosmopolitan Records)は、1946年11月上旬に50万ドル規模の資金注入が報じられた一方、月後半には経営権をめぐる内部対立が表面化しました。同時代業界紙は、同社の録音企画にキャンセルや制作停滞が生じたこと、さらにマーキュリー・レコード(Mercury Records)との間でプレス設備を相互利用する案が検討されていたことを伝えています。資金調達、製造能力、経営安定化が同時に課題となっていました。

ユナイテッド・ブロードキャスティング社

ユナイテッド・ブロードキャスティング社(United Broadcasting Co.)は、ワールド・ブロードキャスティング社(World Broadcasting Co.)のシカゴ録音スタジオを賃借する契約を進めました。同時代業界紙は、この動きがトランスクリプションおよび録音事業の再編と結びついていたことを報じています。放送用録音の制作基盤をめぐる企業再配置が、1946年11月の業界動向として確認できます。

ミュージクラフト・レコード・インコーポレイテッド

ミュージクラフト・レコード・インコーポレイテッド(Musicraft Records, Inc.)は、1946年11月、ニューヨーク事務所の統合と資本再編が進められました。同時代業界紙は、同社の事務所がジェファーソン=トラヴィス・ラジオ・マニュファクチャリング社(Jefferson-Travis Radio Manufacturing Corporation)側の拠点に集約されたこと、さらに50万ドル超の資金措置が進められていたこと、生産拠点が十分に稼働していなかったことを伝えています。制作継続のための組織再整備が急がれていた状況です。

シグネチャー・レコード

シグネチャー・レコード(Signature Records)は、クリスマス商戦向けの児童用アルバム制作を進めました。同時代業界紙は、物語作品『Celeste』を4面構成で制作し、年末発売を見込んでいたことを伝えています。1946年11月には、子ども向け録音商品を季節商戦へ結びつける動きも確認できます。

エンタープライズ・レコード

エンタープライズ・レコード(Enterprise Records)は、既録音マスターの買い付けを通じて新譜展開を図りました。同時代業界紙は、同社が『Coffee Song』のマスターを取得し、自社レーベルで発売予定としていたと報じています。独自録音だけでなく、既存マスターの確保によって商品力を高める動きが見られました。

シアーズ・ローバック社とアソシエイテッド・ミューザック社

シアーズ・ローバック社(Sears, Roebuck and Co.)は、アソシエイテッド・ミューザック社(Associated Muzak Corp.)の製造・流通で、10名の主要アーティストを収めた初回アルバムを試験的に投入する計画を示しました。同時代業界紙は、レコードクラブ形式の販売構想と、ビニライト盤(Vinylite discs)を用いた商品展開が検討されていたことを伝えています。大手小売業が録音商品販売へ踏み込む動きとして注目されます。