1949年2月に録音された音楽

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1949年2月に録音された音楽

1949年2月は、戦後世界の新しい秩序が政治・経済・文化・科学技術の各分野で具体化した月です。2月8日、ハンガリーではヨージェフ・ミンツェンティ(József Mindszenty, 1892–1975)枢機卿に終身刑判決が言い渡され、東欧の政治体制をめぐる国際的緊張が強まりました。2月10日には、アーサー・ミラー(Arthur Miller, 1915–2005)の戯曲『セールスマンの死』(Death of a Salesman)がブロードウェイで初演されました。2月14日、イスラエルではクネセト(Knesset)が初会合を開き、2月16日にハイム・ヴァイツマン(Chaim Weizmann, 1874–1952)が初代大統領に選出されました。経済面では、インドで2月18日に内閣経済委員会(Economic Committee of the Cabinet)が設置され、外貨配分をめぐる政策調整が進められました。科学技術では、2月24日にアメリカ合衆国の高高度ロケット実験でバンパー5号(Bumper No. 5)が高度244マイルに到達し、宇宙開発前史における重要な成果となりました。

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1949年2月の録音に関する情報のまとめ

1949年2月の録音産業では、レコード規格と再生機構をめぐる競争が一段と鮮明になりました。アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)は45回転盤の普及を本格化させ、コロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)は長時間盤を軸とする市場拡大を進めました。キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は45回転方式への参入を表明し、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は当面78回転盤を継続する姿勢を示しました。さらに、マーキュリー・レコード社(Mercury Record Corporation)が長時間盤陣営に加わったと報じられ、再生機器側でもウェブスター=シカゴ社(Webster-Chicago Corporation)、ソノトーン社(Sonotone Corp.)、マイクロヴァーター社(Microverter Co.)が複数規格への対応を進めていました。これに加えて、ローズ社(Loew’s, Inc.)のエムジーエム・レコード部門(MGM Record Division)は海外販売網と映画音楽商品の拡充を進め、アポロ・レコード社(Apollo Records, Inc.)やブラック・アンド・ホワイト・レコード(Black & White Records)も契約・原盤取得を通じて事業を動かしていました。

アールシーエー・ヴィクター

アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)は、1949年2月時点で45回転盤の市場投入に向けた情報発信を強めていました。『オーディオ・レコード』(Audio Record)1949年2月号は、同社の新型45回転盤「マダムX」(Madame X)について、7インチ盤、大型センターホール、最大約5分30秒の収録時間など、当時公表されていた概要を整理しています。さらに、2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、45回転盤と長時間盤の競争がレコード業界の標準規格を左右する争点になっていたことを伝えています。

コロムビア・レコード

コロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)は、1949年2月に長時間盤の優位性を強く打ち出していました。2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、同社が長時間盤市場の拡大に向けて広告費を増額し、長時間盤がレコード業界を再活性化させると説明していたことを報じています。同じ記事では、従来型再生機器との接続を補う「マイクロヴァーター」(microverter)の実演も記録されており、同社が盤そのものだけでなく再生環境の整備にも関心を向けていたことが確認できます。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1949年2月に45回転7インチ盤への参入を表明しました。2月19日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同社が4月から通常の78回転盤に加えて45回転7インチ盤を発売する方針を発表したと伝えています。記事では、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)がアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)の45回転方式と同種の盤およびチェンジャー・プレーヤーを採用し、自社設備の転換完了まで45回転盤の製造を同社に委ねる予定であったことも示されています。

デッカ・レコード

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1949年2月の規格競争に対して即時参入を選ばず、当面は78回転盤を継続する立場を示しました。2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、同社が45回転盤と長時間盤の争いに対して中立を保ち、既存の78回転盤需要への供給を続ける方針であったと報じています。また、同月の誌面では音楽部門の人事更新も確認でき、制作体制の整備を進めていたことが読み取れます。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード社(Mercury Record Corporation)は、1949年2月の規格競争において、コロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)側に立つ企業として報じられました。2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)がアールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)側に加わったのに対し、マーキュリー・レコード社(Mercury Record Corporation)はコロムビア側に位置づけられていたと記しています。さらに、2月12日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同社が25ドルの大型ジャズ・アルバムの準備を進めていたことを伝えており、規格競争とは別に高価格帯商品の展開も確認できます。

ローズ社のエムジーエム・レコード部門

ローズ社(Loew’s, Inc.)のエムジーエム・レコード部門(MGM Record Division)は、1949年2月に海外販売網の拡大と映画音楽商品の強化を進めました。2月12日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同部門がカナダのクオリティ・レコード社(Quality Records, Ltd.)に対し、カナダおよびニューファンドランドでの独占製造・販売権を与えたと報じています。さらに、2月19日付同誌は、映画『イースター・パレード』(Easter Parade)の4冊組サウンドトラック・アルバムを発売すると伝えており、映画作品とレコード商品を連動させる展開が確認できます。

ウェブスター=シカゴ

ウェブスター=シカゴ社(Webster-Chicago Corporation)は、1949年2月に45回転盤対応機器の市場投入準備を進めていました。2月19日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同社が既存の2速度レコードチェンジャーを45回転盤にも対応させる変換キットを用意し、加えて78回転、45回転、33⅓回転の3速度に対応するチェンジャーの開発を進めていると報じています。盤の規格競争が再生機器メーカーにも直接波及していたことを示す動きです。

ソノトーン

ソノトーン社(Sonotone Corp.)は、1949年2月に複数規格への対応機器を実演した企業として確認できます。2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、同社が3種類の回転数に対応する再生装置を実演したと報じています。長時間盤と45回転盤が同時に普及を競う状況のなかで、再生機器側が規格併存を前提に対応を進めていたことが読み取れます。

マイクロヴァーター

マイクロヴァーター社(Microverter Co.)は、1949年2月のコロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)の記者会見で、「マイクロヴァーター」(microverter)を実演したと報じられました。2月14日付『ブロードキャスティング・テレキャスティング』(Broadcasting Telecasting)は、この装置が複数の回転数に対応する機器として紹介されたことを伝えています。録音媒体の競争が盤の開発だけでなく、既存ユーザーの再生環境をどう接続するかという課題にも及んでいたことを示しています。

アポロ・レコード

アポロ・レコード社(Apollo Records, Inc.)は、1949年2月に民謡系原盤の取得を進めました。2月19日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同社がセラーズ社(Sellers Company)と契約し、今後5年間にわたって一定数のフォーク系マスターを購入する方針を示したと伝えています。記事では、最初の発売が同週に予定されていたことも確認でき、同社が原盤調達を通じて新規商品展開を進めていたことが分かります。

ブラック・アンド・ホワイト・レコード

ブラック・アンド・ホワイト・レコード(Black & White Records)は、1949年2月に新人契約を進めていました。2月19日付『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)は、同社が2人の新たな歌手と5年契約を結んだと報じています。規格競争が業界全体を覆う一方で、各社は従来どおり所属アーティストの拡充にも取り組んでおり、ブラック・アンド・ホワイト・レコード(Black & White Records)の動きはその一例です。