1949年7月に録音された音楽

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1949年7月に録音された音楽

1949年7月は、戦後世界の制度再編と社会・文化の統合が各地で進んだ月でした。1日には、インド勅許会計士協会(The Institute of Chartered Accountants of India)が設立され、独立後インドの専門職制度整備が進みました。8日には、南アフリカ連邦(Union of South Africa)で雑婚禁止法(Prohibition of Mixed Marriages Act, 1949)が施行され、アパルトヘイト体制を支える差別法制が強化されました。10日には、タジク・ソビエト社会主義共和国(Tajik Soviet Socialist Republic)でカイト地震(Khait earthquake)が発生し、大規模な地すべりを伴う甚大な被害をもたらしました。7月には、中華全国文学芸術界連合会(All-China Federation of Literary and Art Circles)が成立し、中国の文学・芸術組織再編が進みました。20日には、イスラエル・シリア一般休戦協定(Israeli-Syrian General Armistice Agreement)が署名され、第一次中東戦争後の休戦体制が整えられました。25日には、ハリー・S・トルーマン(Harry S. Truman, 1884–1972)が北大西洋条約(North Atlantic Treaty)を批准し、米国の戦後安全保障政策は大きな転換点を迎えました。27日には、デ・ハビランド DH.106 コメット(de Havilland DH.106 Comet)が初飛行し、民間航空のジェット化が現実の段階に入りました。

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1949年7月の録音に関する情報のまとめ

1949年7月の録音産業では、78回転盤、45回転盤、33 1/3回転長時間盤の併存を前提とした販売戦略が一段と明確になりました。キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)はクラシック音源で33 1/3回転長時間盤への展開を表明し、アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)は45回転盤の小売支援策を強化しました。デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は旧作アルバムの大規模値引き販売を準備し、ロンドン・レコード(London Records)はフル・フリークエンシー・レンジ・レコーディング(Full Frequency Range Recording)音源の米国投入を具体化させました。さらに、テレフンケン・レコード(Telefunken Records)のクラシック音源流通権をめぐって、キャピトル・レコード社とマーキュリー・レコード・コーポレーション(Mercury Record Corporation)の係争も注目されました。1949年7月は、新しい再生方式の競争、音質訴求、在庫処理、海外音源流通が同時進行した月でした。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1949年7月にテレフンケン・レコード(Telefunken Records)のクラシック音源を33 1/3回転長時間盤でも供給する方針を打ち出しました。1949年7月20日号の『ヴァラエティ』(Variety)は、同社が78回転盤、45回転盤、33 1/3回転盤の3方式を扱う主要レコード会社となると報じ、33 1/3回転盤の初回発売を9月予定と記しています。長時間盤はクラシック・カタログに重点を置き、ポピュラー分野では引き続き78回転盤と45回転盤を中心に展開する構成でした。1949年7月23日号の『ビルボード』(The Billboard)も、キャピトル・レコード社がテレフンケン・レコードのクラシック音源を33 1/3回転盤で発売する計画を報じています。

アールシーエー・ヴィクター

アールシーエー・ヴィクター部門(RCA Victor Division, Radio Corporation of America)は、1949年7月末に45回転盤の販売支援を強化しました。1949年7月30日号の『ビルボード』(The Billboard)は、同部門が同年末までの45回転盤仕入れに対し、販売店へ15%の返品特典を付与すると報じています。これは、新方式の在庫負担を軽減し、小売段階での導入を後押しする施策でした。同号には、8月・9月の店頭販売促進に向けたヴィクトローラ「45」(Victrola “45”)レコードと専用プレーヤーのディスプレイ案内広告も掲載されており、45回転盤普及に向けた販売網への働きかけが継続していたことが確認できます。

デッカ・レコード

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1949年7月に旧作アルバム在庫を対象とする大規模値引き販売を準備しました。1949年7月16日号の『ビルボード』(The Billboard)は、1949年1月以前に発売されたアルバム在庫を6週間、消費者向けに半額で販売し、販売店向けには定価の65%で供給する計画を報じています。記事では、同社のアルバム在庫が工場および流通段階で積み上がっていたことにも触れられており、この施策は在庫負担の軽減と小売回転の改善を狙う動きとして位置づけられます。

ロンドン・レコード

ロンドン・レコード(London Records)は、1949年7月末までに米国市場へフル・フリークエンシー・レンジ・レコーディング(Full Frequency Range Recording)音源の初回供給を始める見通しを示しました。1949年7月6日号の『ヴァラエティ』(Variety)は、初回発売を45選とし、そのうち16選が月末までに米国で入手可能になる見込みと報じています。これらの音源はイギリスでプレスされ、33 1/3回転マイクログルーヴ長時間盤として供給される計画でした。同記事は、米国でのフル・フリークエンシー・レンジ・レコーディング音源の流通がロンドン・レコードへ移管されたことも伝えており、同社が高音質クラシック市場での展開を本格化させていたことが分かります。

マーキュリー・レコード・コーポレーション

マーキュリー・レコード・コーポレーション(Mercury Record Corporation)は、1949年7月初頭の時点で、テレフンケン・レコード(Telefunken Records)クラシック・カタログの西半球における独占販売権をめぐり、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)と係争中でした。1949年7月6日号の『ヴァラエティ』(Variety)は、この権利関係が連邦裁判所の判断待ちにあり、両社の契約内容が審理対象となっていたと報じています。テレフンケン・レコードのクラシック音源をめぐる流通権争いは、戦後の欧州音源を米国市場へどう導入するかという問題と結びついた、同月の重要な録音産業上の動きでした。