1950年2月に録音された音楽

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1950年2月に録音された音楽

1950年2月は、冷戦の緊張が外交・諜報・国内政治に表れた月でした。2月2日、クラウス・フックス(Klaus Fuchs, 1911–1988)がロンドンで逮捕され、原子力研究をめぐる機密流出事件が表面化しました。2月7日、アメリカ合衆国はベトナム国(State of Viet-Nam)、ラオス王国(Kingdom of Laos)、カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)を承認し、フランス連合(French Union)内のインドシナ諸国への関与を明確にしました。2月8日、ダイナースクラブ(Diners Club)が試作チャージカードによる支払いを実施し、汎用決済カード事業の出発点となる出来事が記録されました。2月9日、ジョセフ・レイモンド・マッカーシー(Joseph Raymond McCarthy, 1908–1957)がウェストバージニア州ホイーリングで演説を行い、アメリカ合衆国内の反共政治を大きく刺激しました。2月14日、中ソ友好同盟相互援助条約(Treaty of Friendship, Alliance and Mutual Assistance)が調印され、中華人民共和国(People’s Republic of China)とソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)の同盟関係が制度化されました。2月15日、映画『シンデレラ(Cinderella)』が公開されました。2月23日、1950年イギリス総選挙(1950 United Kingdom General Election)が実施され、労働党(Labour Party)は政権を維持しましたが、議会多数は大幅に縮小しました。

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1950年2月の録音に関する情報のまとめ

1950年2月の録音業界では、長時間盤市場への本格対応、ポピュラー部門の人事刷新、クラシック録音素材の拡充、テレビ番組との連動施策、独立系録音会社の再編、ジュークボックス機器の販促強化が同時に確認できます。『ビルボード(Billboard)』『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』『ダウン・ビート(Down Beat)』の同月資料からは、アールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)、コロムビア・レコード(Columbia Records)、マーキュリー・レコード(Mercury Records)、キャピトル・レコード(Capitol Records)、デッカ・レコード(Decca Records)、シグネチャー・レコーディング・コーポレーション(Signature Recording Corporation)、ルドルフ・ワーリッツァー社(Rudolph Wurlitzer Company)の具体的な動きが確認できます。

アールシーエー・ヴィクター

『ビルボード(Billboard)』1950年2月18日号は、アールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)が33 1/3回転盤の初期カタログを1950年3月15日に発売予定であると報じました。記事では、12インチ盤18点、10インチ盤4点、複数枚組3点という構成が示されており、同社が長時間盤市場へ本格的に進出する段階に入っていたことが確認できます。『ダウン・ビート(Down Beat)』1950年2月10日・17日合併号は、この長時間盤導入がまずクラシック・カタログを対象とするもので、ポピュラー盤の現行発売体制には直ちに影響しない見通しを伝えました。

コロムビア・レコード

『ビルボード(Billboard)』1950年2月11日号は、コロムビア・レコード(Columbia Records)がミッチ・ミラー(Mitch Miller, 1911–2010)をポピュラー盤部門の責任者に起用したと報じました。ミッチ・ミラー(Mitch Miller, 1911–2010)は直前までマーキュリー・レコード(Mercury Records)で活動しており、この人事はコロムビア・レコードのポピュラー部門の制作体制を大きく更新する動きとして確認できます。

マーキュリー・レコード

『ビルボード(Billboard)』1950年2月18日号は、マーキュリー・レコード(Mercury Records)がクラシック部門を拡張し、ドイツ側の放送録音テープを借用する契約を進めていたと報じました。長時間盤需要の拡大を見据え、同社がクラシック・カタログの厚みを増す方針を取っていたことが確認できます。さらに『ダウン・ビート(Down Beat)』1950年2月10日・17日合併号は、マーキュリー・レコードがバレット・レコード(Bullet Records)で制作されたエイドリアン・ロリーニ・トリオ(Adrian Rollini Trio)のマスター12点を借用し、その一部を長時間盤と78回転盤で発売する計画を伝えました。

キャピトル・レコード

『ビルボード(Billboard)』1950年2月18日号は、キャピトル・レコード(Capitol Records)がテレビ番組『ボゾ・サーカス(Bozo Circus)』にかかる費用を負担すると報じました。キャピトル・レコードは、児童向けレコード商品と結びついたキャラクター資産をテレビ媒体へ展開しており、1950年2月には録音商品と放送番組を連動させる販促活動が確認できます。

デッカ・レコード

『ダウン・ビート(Down Beat)』1950年2月10日・17日合併号は、アーティ・ショウ(Artie Shaw, 1910–2004)がコロムビア・レコード(Columbia Records)との契約を終え、デッカ・レコード(Decca Records)と新たに契約したと伝えました。記事では、この契約が3年間で、年20面の録音を保証する内容であると報じられており、デッカ・レコードが著名バンドリーダーを獲得してカタログ拡充を進めていたことが確認できます。

シグネチャー・レコーディング・コーポレーション

『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1950年2月11日号は、シグネチャー・レコーディング・コーポレーション(Signature Recording Corporation)が再編され、新資本の注入を受けたと報じました。同社はシグネチャー(Signature)、ハイ・トーン(Hi-Tone)、シェルトン・レコード(Shelton Records)を扱っており、1950年2月時点で独立系録音会社として事業体制の立て直しを進めていたことが確認できます。

ルドルフ・ワーリッツァー社

『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1950年2月11日号は、ルドルフ・ワーリッツァー社(Rudolph Wurlitzer Company)の新型ジュークボックス「モデル1250」を大きく取り上げました。同号の広告では、コヴェン・ディストリビューティング社(Coven Distributing Co.)が「ナショナル・ワーリッツァー・デイズ(National Wurlitzer Days)」に合わせ、1950年2月12日–13日にモデル1250の展示会を開催すると告知しています。記事と広告からは、録音再生機器市場において新型機の販売促進が強く進められていたことが確認できます。