1951年7月に録音された音楽

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1951年7月に録音された音楽

1951年7月は、朝鮮戦争(Korean War)の休戦交渉が7月10日に開城で始まり、戦闘が続くなかで停戦へ向けた外交が本格化しました。ベルギー王国(Kingdom of Belgium)では7月17日、ボードゥアン1世(Baudouin I, 1930–1993)が憲法上の宣誓を行い、第5代国王となりました。ヨルダン・ハシミテ王国(Hashemite Kingdom of Jordan)では7月20日、アブドゥッラー1世(Abdullah I, 1882–1951)がエルサレムで暗殺され、中東情勢に大きな衝撃を与えました。国際社会では、ジュネーブの外交会議で難民の地位に関する条約(Convention Relating to the Status of Refugees)が採択され、7月28日に署名のため開放されました。科学技術では、7月初旬にベル・テレフォン・ラボラトリーズ社(Bell Telephone Laboratories, Inc.)が接合トランジスタの成果を公表しました。文化面では、7月28日にウォルト・ディズニー・プロダクションズ(Walt Disney Productions)の長編アニメーション映画『ふしぎの国のアリス(Alice in Wonderland)』がアメリカ合衆国で公開されました。

この月の確認されている録音:0曲

1951年7月の録音に関する情報のまとめ

1951年7月の録音産業では、レコード会社が新譜発売だけでなく、映画・舞台作品との連動企画、販売展示、家庭用再生機器との接続、人気アーティストの長期契約、他社マスターの流通提携などを通じて市場拡大を進めていました。とくに全米楽器商協会(National Association of Music Merchants)の年次展示会では、アールシーエー・ヴィクター・レコード(RCA Victor Records)とコロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)が、レコード販売をテレビ受像機や再生機器の訴求と結びつけました。また、エムジーエム・レコード(MGM Records)、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)、マーキュリー・レコード社(Mercury Records Corp.)では舞台・映画音楽関連商品の動きが目立ち、キング・レコード社(King Records, Inc.)とコーラル・レコード社(Coral Records, Inc.)でも、当月資料上で具体的な録音・流通活動が確認できます。

アールシーエー・ヴィクター・レコード

アールシーエー・ヴィクター・レコード(RCA Victor Records)は、1951年7月の全米楽器商協会(National Association of Music Merchants)年次展示会で、78回転盤、45回転盤、33⅓回転盤に対応する店頭用3スピード試聴機を公開しました。記事では、この試聴機が45回転盤用と78回転盤・33⅓回転盤用の2基のターンテーブルを備えていたことが説明されています。同社はあわせてテレビ受像機、ラジオ、45回転盤用再生機、テレビ・ラジオ・蓄音機の複合型機器を展示し、レコード販売と家庭用再生機器の需要を一体で訴求しました。さらに、ウォルト・ディズニー・プロダクションズ(Walt Disney Productions)の映画『ふしぎの国のアリス(Alice in Wonderland)』に対応するアルバムも展示の中心商品として扱われました。

コロムビア・レコード社

コロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)は、1951年7月の全米楽器商協会(National Association of Music Merchants)年次展示会で、コロムビア・ブロードキャスティング・システム(Columbia Broadcasting System)およびシービーエス=コロムビア社(CBS-Columbia, Inc.)と連携し、カラー・テレビジョンの実演展示を行いました。展示は、カラーと白黒の双方に対応する受像機を紹介する場として構成され、レコード会社による音楽商品展開と家庭向け映像機器の訴求が同一会場で結びつけられました。資料では、コロムビア・レコード社(Columbia Records, Inc.)所属歌手の実演も組み込まれていたことが確認でき、同社が録音・放送・家電販売の接点を強く意識した販促を進めていたことが読み取れます。

キャピトル・レコード社

キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1951年7月、レス・ポール(Les Paul, 1915–2009)とメアリー・フォード(Mary Ford, 1924–1977)との新たな7年契約を締結しました。業界紙は、同デュオが「How High The Moon」や「Mockin’ Bird Hill」の成功によって全国的な注目を集めていたことを示しつつ、この長期契約を同社の重要な動きとして報じています。これは、キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)が1951年時点で、継続的に売上を支える主力録音主体を長期的に確保しようとしていたことを示す事例です。

エムジーエム・レコード

エムジーエム・レコード(MGM Records)は、映画『ショウ・ボート(Show Boat)』のサウンドトラック・アルバムをめぐり、1951年7月にロサンゼルス地域で展開した映画館・レコード販売店・レコード会社の3者連動型キャンペーンが成功したと報じられました。業界紙では、この試行施策を全国規模で繰り返す方針が示されています。映画公開とレコード販売を直結させる販促は、1951年7月のエムジーエム・レコード(MGM Records)における主要な市場活動の1つであり、映画音楽商品の拡販を重視していたことが確認できます。

デッカ・レコード社

デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)は、1951年7月、ブロードウェイ・ミュージカル『トゥー・オン・ジ・アイル(Two On The Aisle)』のオリジナル・キャスト・アルバムを録音すると発表しました。記事では、同作が7月12日にマーク・ヘリンジャー劇場(Mark Hellinger Theatre)で開幕予定であることとあわせて、デッカ・レコード社(Decca Records, Inc.)が直近シーズンにも複数の舞台作品を録音していたことが示されています。これは、同社が1951年時点でブロードウェイ作品の音源化を継続的な商品分野として位置づけていたことを示す動きです。

マーキュリー・レコード社

マーキュリー・レコード社(Mercury Records Corp.)は、1951年7月、映画『ショウ・ボート(Show Boat)』に関連する新作LPアルバムの準備を進めていました。業界紙は、同社所属歌手を起用した全8面構成のLP企画として報じており、映画公開と連動した音楽商品の展開が進行していたことが確認できます。7月21日付の記事でも同企画への言及が続いており、同月のマーキュリー・レコード社(Mercury Records Corp.)にとって、『ショウ・ボート(Show Boat)』関連商品の準備が継続的な販促トピックであったことが分かります。

キング・レコード社

キング・レコード社(King Records, Inc.)は、1951年7月、レコーデッド・イン・ハリウッド(Recorded in Hollywood)の20マスターを、協業体制のもとでキング・レコード社(King Records, Inc.)のレーベルから発売する計画を進めていました。業界紙は、この流通提携を具体的に報じており、他社保有マスターを自社レーベルで流通させる形の事業展開が確認できます。これは、1951年の独立系レコード市場において、録音制作だけでなくマスター供給と販売網の活用が重要な企業活動となっていたことを示しています。

コーラル・レコード社

コーラル・レコード社(Coral Records, Inc.)では、1951年7月、楽曲「Come On-A My House」の共作者であるウィリアム・サローヤン(William Saroyan, 1908–1981)自身による録音が報じられました。記事では、ロス・バグダサリアン(Ross Bagdasarian, 1919–1972)とのデュエットとして録音されたことが記されています。同曲は同時期に複数の歌手による録音が進んでおり、コーラル・レコード社(Coral Records, Inc.)による共作者本人の録音は、流行楽曲をめぐる当月の差別化策として位置づけられます。