1952年1月に録音された音楽
1952年1月、アメリカ合衆国では、ハリー・エス・トルーマン(Harry S. Truman, 1884–1972)が1月9日に合衆国議会に対する一般教書演説(Annual Message to the Congress on the State of the Union)を行い、冷戦下の防衛力強化を前面に掲げました。1月5日–18日にはワシントンD.C.でウィンストン・チャーチル(Winston Churchill, 1874–1965)との会談が続き、英米協調と安全保障政策が協議されました。経済政策では、1月16日の大統領経済報告(The President’s Economic Report)と1月21日の1953会計年度予算教書(Annual Budget Message to the Congress: Fiscal Year 1953)により、国防支出の拡大が国家運営の中心課題として示されました。中東では、1月25日のイスマイリアでの英軍軍事行動を受け、翌1月26日にカイロ火災(Cairo Fire)が発生し、エジプトの政治危機が深まりました。文化面では1月14日、ナショナル・ブロードキャスティング・カンパニー(National Broadcasting Company)の朝番組『トゥデイ(Today)』が放送を開始しました。科学技術では1月30日、ラファエル・ミッチェル・ロビンソン(Raphael Mitchel Robinson, 1911–1995)がスタンダーズ・ウェスタン・オートマティック・コンピュータ(Standards Western Automatic Computer)を用いて、2つの新しいメルセンヌ素数を確認しました。
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1952年1月の録音に関する情報のまとめ
1952年1月の録音関連資料からは、レコード市場の拡大と、ジュークボックス機器をめぐる供給制約が同時進行していた状況が読み取れます。ザ・ビルボード(The Billboard)1952年1月19日号は、ジュークボックス向けディスク購入が年間5,000万枚規模に達していると報じました。ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月19日号は、重要金属の不足、部品供給の不安、録音レベルの不統一、部品規格の標準化の必要性を取り上げています。個別企業の動向を見ると、ヒット盤の拡販を進めるレコード会社と、既存機種の継続販売や新機種訴求を続けるジュークボックスメーカーの双方が、1952年初頭の市場環境に対応していました。
コロムビア・レコード
1952年1月19日号のザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)は、トニー・ベネット(Tony Bennett, 1926–2023)の『Because Of You』が100万枚販売に達したことを表紙で扱いました。同号は、同録音が同氏の「1951年最優秀男性歌手」選出と並んで紹介され、コロムビア・レコード(Columbia Records)がポピュラー市場で大きな成果を得ていたことを示しています。さらに同月の放送集計では、ジョニー・レイ(Johnnie Ray, 1927–1990)の『Cry』と『The Little White Cloud That Cried』、フランキー・レイン(Frankie Laine, 1913–2007)の『Jealousy』、ジョー・スタッフォード(Jo Stafford, 1917–2008)の『Shrimp Boats』が上位に入り、同社作品の強い浸透が確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-19.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-12.pdf
ロンドン・レコード
ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月12日号は、マントヴァーニ(Mantovani, 1905–1980)の『Charmaine』について、アルバム収録曲から単独ヒットへ発展し、ロンドン・レコード(London Records)のベストセラー表を押し上げていると報じました。同月19日号のディスクジョッキー放送集計でも『Charmaine』は上位に残っており、同社がこの録音を中心に強い市場反応を得ていたことが確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-12.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-19.pdf
アールシーエー・ビクター
アールシーエー・ビクター(RCA Victor)は、1952年1月19日号のザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)で、自社ヒット盤を前面に押し出す広告を展開しました。同号のディスクジョッキー放送集計では、ピー・ウィー・キング(Pee Wee King, 1914–2000)の『Slow Poke』が2位、エディ・フィッシャー(Eddie Fisher, 1928–2010)の『Anytime』が上位に入り、同社作品がラジオ市場で強い露出を保っていたことが確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-19.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-12.pdf
デッカ・レコード
デッカ・レコード(Decca Records)は、1952年1月の放送集計で複数の主力盤を上位に送り込みました。ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月19日号では、ザ・フォー・エイシズ(The Four Aces)の『Tell Me Why』が3位、ドロレス・グレイ(Dolores Gray, 1924–2002)の『Anytime』が上位圏に入り、同社がポピュラー分野で強い競争力を持っていたことが確認できます。1月12日号でもデッカ・レコード作品は複数の放送集計に現れており、月初から継続した市場浸透が見られます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-19.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Cash-Box/50s/1952/CB-1952-01-12.pdf
マーキュリー・レコード
マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、1952年1月19日号のザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)において、エディ・ハワード(Eddy Howard, 1914–1963)の『Sin』がディスクジョッキー放送集計の上位に入っていました。同号の広告では、ディナ・ワシントン(Dinah Washington, 1924–1963)をはじめとする自社録音が大きく掲出され、ポピュラー分野とリズム・アンド・ブルース分野の双方で販促を進めていたことが確認できます。
キャピトル・レコード
ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月12日号の推奨盤欄では、ノーマン・ケイ(Norman Kaye, 生没年不明)の『Would You』がキャピトル・レコード(Capitol Records)作品として紹介されました。同号では、同社関係者がフロリダ州のデイド郡アミューズメント・マシン・オペレーターズ・アソシエーション(Amusement Machine Operators’ Association of Dade County)の会合に出席したことも報じられており、キャピトル・レコードがジュークボックス業界との接点を持ちながら販路形成を進めていたことが確認できます。
ルドルフ・ワーリッツァー社
ルドルフ・ワーリッツァー社(The Rudolph Wurlitzer Company)は、ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月12日号で、Models 1400および1450を今後の新機種追加後も販売ラインに残す方針を示しました。同広告は、78回転盤と45回転盤の双方に対応する利点を強調し、既存のレコード資産を活用できる点を訴求しています。また、重要資材不足により需要が供給を上回る可能性にも触れており、同社が市場需要の維持と供給制約への対応を同時に意識していたことが確認できます。
ロック=オラ・マニュファクチャリング社
ロック=オラ・マニュファクチャリング社(The Rock-Ola Manufacturing Corporation)は、ザ・キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1952年1月19日号で、「Rock-Ola Super Rocket Phonograph」と「Rock-Ola Universal 50 Selection Wall Box」を組み合わせて訴求しました。本体機器と壁面選曲機を同時に前面へ出した広告展開は、同社がジュークボックス運営の実用性と販売拡大を意識していたことを示しています。
