1952年6月に録音された音楽

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1952年6月に録音された音楽

1952年6月は、冷戦体制と戦後秩序の再編が同時に進んだ月でした。6月9日、インド政府と日本国政府との間の平和条約(Treaty of Peace Between the Governments of India and Japan)が東京で署名され、日本国の対外関係回復が進みました。6月16日には日本国が国際連合(United Nations)加盟を申請しました。6月14日、アメリカ合衆国海軍(United States Navy)のノーチラス(USS Nautilus, SSN-571)が起工され、原子力推進艦時代の端緒となりました。朝鮮戦争(Korean War)では6月23日–27日、水豊発電所(Sui-ho Dam)を含む北朝鮮の水力発電施設に大規模空襲が行われました。6月26日、南アフリカではアフリカ民族会議(African National Congress)と南アフリカ・インド人会議(South African Indian Congress)による不正法抵抗運動(Defiance Campaign against Unjust Laws)が始まりました。6月27日、アメリカ合衆国では移民国籍法(Immigration and Nationality Act of 1952)が成立しました。文化・スポーツでは、第15回オリンピック競技大会ヘルシンキ大会(Games of the XV Olympiad, Helsinki 1952)へ向けた聖火リレー(Olympic torch relay)が6月25日に開始されました。

この月の確認されている録音:0曲

1952年6月の録音に関する情報のまとめ

1952年6月の録音関連企業の動きは、既に録音済みの音源をどのように発売・広告・流通させるかという市場面に強く現れています。『ビルボード』(Billboard)と『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)の同月号では、大手会社の映画主題歌・ポピュラー唱盤、長時間盤、リズム・アンド・ブルース、カントリー・アンド・ウェスタンの売れ行きが並び、独立レーベルの動きも確認できます。録音日が当月資料だけで確定できない場合は、当月の発売・広告・レビュー・チャート活動として扱います。

アールシーエー・ヴィクター

『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)1952年6月14日号は、アールシーエー・ヴィクター・レコード(RCA Victor Records)のスパイク・ジョーンズ(Spike Jones, 1911–1965)による「Stop Your Gamblin’ / Way Out Yonder」を表紙記事で扱っています。同記事では、スパイク・ジョーンズ(Spike Jones, 1911–1965)が60日間のツアーを終えたことも伝えられており、アールシーエー・ヴィクター・レコード(RCA Victor Records)が新譜と舞台活動を結びつけて露出を得ていたことが確認できます。同号から当該盤の録音日は確認できません。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード(Capitol Records, Inc.)では、テックス・リッター(Tex Ritter, 1905–1974)による「High Noon (Do Not Forsake Me) / Go On! Get Out!」が1952年6月の新譜として確認できます。『ビルボード』(Billboard)1952年6月7日号の新譜広告に掲載があり、同月21日号にも流通情報が確認されます。別資料では録音日を1952年5月14日、発売日を1952年6月9日としますが、当月の同時代資料から直接確認できるのは新譜広告と流通です。

コロンビア・レコード

コロンビア・レコード(Columbia Records)では、ジョニー・レイ(Johnnie Ray, 1927–1990)の10インチ長時間盤『Johnnie Ray』が1952年6月のアルバム市場で継続的に動いていました。『ビルボード』(Billboard)1952年6月21日号では同盤がベストセラー・ポップ・アルバムの上位にあり、コロンビア・レコード(Columbia Records)がシングル盤だけでなく長時間盤市場でも存在感を示していたことが確認できます。同盤の録音は1951年10月–1952年2月とされ、1952年6月に確認できるのは販売・チャート上の動きです。

デッカ・レコード

デッカ・レコード(Decca Records, Inc.)では、ペギー・リー(Peggy Lee, 1920–2002)の「Be Anything (But Be Mine)」が1952年6月の現行曲として確認できます。『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)では、同曲の複数社競作が1952年6月28日週に上位へ入り、ペギー・リー(Peggy Lee, 1920–2002)のデッカ・レコード(Decca Records, Inc.)在籍初期の市場反応を示しています。当月資料上で確認できるのはヒット曲としての流通・放送・ジュークボックス面の動きであり、録音日の確定は行いません。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、『ビルボード』(Billboard)1952年6月21日号と6月28日号の音楽欄で、新譜・広告・レビューの対象として確認できます。同月の資料からは、マーキュリー・レコード(Mercury Records)がポピュラー、リズム・アンド・ブルース、カントリー・アンド・ウェスタンをまたぐ商業レコード会社として継続的に商品を投入していたことが分かります。ただし、同月資料の検索可能範囲だけでは、個別作品の録音日までは確定できません。

インペリアル・レコード

インペリアル・レコード(Imperial Records)では、ファッツ・ドミノ(Fats Domino, 1928–2017)の「Goin’ Home / Reeling and Rocking」が1952年6月のリズム・アンド・ブルース市場で重要な位置を占めました。同盤は1952年3月に発売されたとされ、1952年6月21日には『ビルボード』(Billboard)のリズム・アンド・ブルース系チャートで首位に達した記録が確認できます。1952年6月の活動としては、録音そのものではなく、既発盤の販売・ジュークボックス・チャート上の拡大として位置づけられます。

キング・レコード

『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)1952年6月28日号には、シド・ネイサン(Syd Nathan, 1904–1968)が率いたキング・レコード社(King Records, Inc.)の成長と製造工程に関する記事が掲載されています。そこでは、原盤への銀処理、銅メッキ、マザー盤、スタンパー作成というレコード製造工程が説明されており、1952年6月時点でキング・レコード社(King Records, Inc.)が録音後の工業的複製・量産工程を自社の強みとして示していたことが分かります。

フェデラル・レコード

キング・レコード社(King Records, Inc.)傘下のフェデラル・レコード(Federal Records)では、ビリー・ウォード(Billy Ward, 1921–2002)率いるドミノズ(The Dominoes)の「Have Mercy Baby」が1952年6月を通じてリズム・アンド・ブルース市場で強い動きを示しました。『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)の同月各号では、同曲がハーレム、シカゴ南部、ニューオーリンズ、フィラデルフィア、ロサンゼルス、ダラスなど複数地域で高い順位を得ていたことが確認できます。録音日は同月資料からは確認できず、当月の活動は発売後の地域市場での浸透として整理されます。

サヴォイ・レコード

サヴォイ・レコード(Savoy Records)では、ヴァレッタ・ディラード(Varetta Dillard, 1933–1993)の「Here In My Heart / I’m Yours」が1952年6月のリズム・アンド・ブルース市場で注目を受けました。『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)1952年6月14日号では同盤が評価対象となり、ポピュラー曲をリズム・アンド・ブルース市場へ展開する同社の動きが確認できます。同盤の録音は1952年5月のセッションとされますが、1952年6月に確認できるのは発売後のレビュー・販促面での動きです。

トッパー・レコード

小規模独立レーベルのトッパー・レコード(Topper Records)も、1952年6月28日号の『ビルボード』(Billboard)と『キャッシュ・ボックス』(The Cash Box)で新譜の入荷・レビュー対象として確認できます。対象盤はトッパー・レコード(Topper Records)202番として整理されており、同月の資料上では大手会社だけでなく、短命の独立レーベルも業界誌のレビュー欄に入っていたことが分かります。会社の継続的な録音活動の全体像は、当月資料だけでは確認できません。