1953年10月に録音された音楽

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1953年10月に録音された音楽

1953年10月は、朝鮮戦争休戦後の安全保障、冷戦下の植民地統治、核実験、科学、文化が重なった月です。10月1日、アメリカ合衆国(United States of America)と大韓民国(Republic of Korea)は、ワシントンでアメリカ合衆国と大韓民国との相互防衛条約(Mutual Defense Treaty between the United States of America and the Republic of Korea)に署名しました。10月5日にはアール・ウォーレン(Earl Warren, 1891–1974)がアメリカ合衆国最高裁判所(Supreme Court of the United States)の首席裁判官(Chief Justice of the United States)に就任し、同日、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)はブルックリン・ドジャース(Brooklyn Dodgers)を破ってワールドシリーズ(World Series)5連覇を達成しました。10月8日、アメリカ合衆国(United States of America)とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)は、トリエステ自由地域(Free Territory of Trieste)ゾーンAの行政をイタリア共和国(Italian Republic)へ移す方針を示しました。英領ギアナ(British Guiana)では、英領ギアナ(憲法)(暫定規定)枢密院令1953年(British Guiana (Constitution) (Temporary Provisions) Order in Council, 1953)により憲法停止が進められました。10月15日と27日には、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)がオーストラリア連邦(Commonwealth of Australia)のエミュー・フィールド(Emu Field)でトーテム作戦(Operation Totem)の核実験を実施しました。科学分野では、ノーベル生理学・医学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)がハンス・アドルフ・クレブス(Hans Adolf Krebs, 1900–1981)とフリッツ・アルバート・リップマン(Fritz Albert Lipmann, 1899–1986)に決まり、平和分野ではジョージ・キャトレット・マーシャル(George Catlett Marshall, 1880–1959)がノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞しました。

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1953年10月の録音に関する情報のまとめ

1953年10月の録音関連資料では、録音日そのものよりも、新譜広告、ジュークボックス人気表、ディスクジョッキー向け人気表、地方別売上・演奏状況、業界記事を通じて各社の活動が確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)の1953年10月10日号、10月24日号、10月31日号では、キャピトル・レコード(Capitol Records)、アールシーエー・ビクター(RCA Victor)、コロムビア・レコード(Columbia Records)、デッカ・レコード(Decca Records)、ロンドン・レコード(London Records)、コーラル・レコード(Coral Records)、マーキュリー・レコード(Mercury Records)、エムジーエム・レコード(MGM Records)の主要レーベルに加え、アトランティック・レコーディング・コーポレーション(Atlantic Recording Corporation)、シーコ・レコード(Seeco Records)、ヴィージェイ・レコード(Vee-Jay Records)、アボット・レコード(Abbott Records)、カデンス・レコード(Cadence Records)、ジュビリー・レコード(Jubilee Records)、ティコ・レコード(Tico Records)など、独立系レーベルの動きも確認できます。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード(Capitol Records)は、1953年10月のポピュラー盤市場で大きな露出を示しました。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月10日号および10月31日号の地方別人気表では、レス・ポール(Les Paul, 1915–2009)とメアリー・フォード(Mary Ford, 1924–1977)の「Vaya Con Dios」、スタン・フリーバーグ(Stan Freberg, 1926–2015)の「St. George And The Dragonet」および「Little Blue Riding Hood」、レイ・アンソニー(Ray Anthony)の「Dragnet」が複数地域で上位に現れます。10月24日号の記事では、グレン・ウォリックス(Glenn Wallichs, 1910–1971)がジャッキー・グリーソン(Jackie Gleason, 1916–1987)に100万枚販売を示すゴールド・レコードを贈ったことも報じられており、同社の録音商品がポピュラー音楽市場で強い存在感を持っていたことが確認できます。

アールシーエー・ビクター

アールシーエー・ビクター(RCA Victor)は、1953年10月のポピュラー盤とカントリー・アンド・ウェスタン盤の双方で活動が確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号では、エイムス・ブラザーズ(The Ames Brothers)の「You, You, You」がアールシーエー・ビクター(RCA Victor)20-5325および47-5325として掲載され、同じ曲の別録音と並んで全国的に扱われています。同号のカントリー・アンド・ウェスタン欄では、デイヴィス・シスターズ(The Davis Sisters)の「I Forgot More Than You’ll Ever Know」がアールシーエー・ビクター(RCA Victor)20-5345および47-5345として1位に掲載され、エディ・アーノルド(Eddy Arnold, 1918–2008)の「Mama, Come Get Your Baby Boy」も同社盤として確認できます。

コロムビア・レコード

コロムビア・レコード(Columbia Records)は、1953年10月のポピュラー盤とカントリー・アンド・ウェスタン盤で強い露出を示しました。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月31日号の人気表には、トニー・ベネット(Tony Bennett, 1926–2023)の「Rags To Riches」が複数地域で掲載されています。10月24日号のカントリー・アンド・ウェスタン欄では、カール・スミス(Carl Smith, 1927–2010)の「Hey Joe!」がコロムビア・レコード(Columbia Records)21129および4-21129として上位に掲載され、同号の新譜欄ではハリー・ジェイムス(Harry James, 1916–1983)の「The Moonlighter Song」やジョニー・レイ(Johnnie Ray, 1927–1990)のコロムビア盤も確認できます。

デッカ・レコード

デッカ・レコード(Decca Records)は、1953年10月にカントリー・アンド・ウェスタン盤、新人歌手の宣伝、既存アーティストの録音活動で確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号のカントリー・アンド・ウェスタン欄では、ウェッブ・ピアース(Webb Pierce, 1921–1991)の「It’s Been So Long」がデッカ・レコード(Decca Records)28725および9-28725として掲載され、レックス・アレン(Rex Allen, 1920–1999)の「Crying in the Chapel」もデッカ盤として扱われています。同号の業界記事では、デッカ・レコード(Decca Records)がシカゴでレックス・アレン(Rex Allen, 1920–1999)とパット・モリッシー(Pat Morrissey, 生没年不明)を歓待し、パット・モリッシー(Pat Morrissey, 生没年不明)の初デッカ盤が出る予定であること、さらにジミー・デイヴィス(Jimmie Davis, 1899–2000)がデッカ・レコード(Decca Records)のセッションを完了したことが報じられています。

ロンドン・レコード

ロンドン・レコード(London Records)は、1953年10月のアメリカ合衆国(United States of America)市場で、フランク・チャックスフィールド(Frank Chacksfield, 1914–1995)のオーケストラ録音を通じて大きく扱われました。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号の表紙記事は、同氏のロンドン・レコード盤「Ebb Tide」がアメリカ合衆国(United States of America)のジュークボックスで継続的に演奏されていると説明しています。同記事は、同氏の新しいロンドン・レコード盤「Golden Violins」と「A Girl Called Linda」が発売されたことも伝えており、英国系オーケストラ録音の北米流通が確認できます。

コーラル・レコード

コーラル・レコード(Coral Records)は、1953年10月のポピュラー盤市場で複数の動きが確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月31日号では、ドン・コーネル(Don Cornell, 1919–2004)、アラン・デイル(Alan Dale, 1925–2002)、ジョニー・デズモンド(Johnny Desmond, 1919–1985)による「Heart Of My Heart」と「I Think I’ll Fall In Love Today」がコーラル・レコード(Coral Records)61076および9-61076として「Disk Of The Week」に選ばれています。同号では、パール・ベイリー(Pearl Bailey, 1918–1990)の「I Love My Argentine」もコーラル・レコード(Coral Records)61070および9-61070として注目盤に掲載されています。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、1953年10月にリズム・アンド・ブルース、カントリー・アンド・ウェスタン、ポピュラー盤の複数分野で確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号のリズム・アンド・ブルース欄では、ダイナ・ワシントン(Dinah Washington, 1924–1963)の「T.V. Is The Thing」がマーキュリー・レコード(Mercury Records)70214として複数地域に掲載されています。同号の広告では、ジョニー・ホートン(Johnny Horton, 1925–1960)の「Broken Hearted Gypsy」と「The Love Of A Girl」がマーキュリー・レコード(Mercury Records)70227として宣伝され、カントリー系新譜の販売活動も確認できます。10月31日号の新譜欄では、アル・モーガン(Al Morgan, 1915–1989)の「Say You Do」とリチャード・ヘイズ(Richard Hayes, 1930–2014)の「The Long Black Rifle」もマーキュリー盤として扱われています。

エムジーエム・レコード

エムジーエム・レコード(MGM Records)は、1953年10月にポピュラー盤とカントリー・アンド・ウェスタン盤の両面で確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号の新譜評では、シャーリー・ハーマー(Shirley Harmer, 生没年不明)の「We Will Always Be Sweethearts」と「Embrasse」がエムジーエム・レコード(MGM Records)11603およびK-11603として紹介されています。同号では、ハリー・ランチ(Harry Ranch, 生没年不明)と15人編成バンドの再契約も報じられ、最初のセッションでバラード2曲とインストゥルメンタル2曲を録音したことが確認できます。カントリー・アンド・ウェスタン欄では、ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams, 1923–1953)の「Weary Blues From Waitin’」がエムジーエム・レコード(MGM Records)11574およびK-11574として掲載されています。

アトランティック・レコーディング・コーポレーション

アトランティック・レコーディング・コーポレーション(Atlantic Recording Corporation)は、1953年10月にリズム・アンド・ブルース分野で明確な広告展開を行っていました。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号の広告では、ラヴァーン・ベイカー(LaVern Baker, 1929–1997)の「Soul On Fire」(Atlantic 1004)、クライド・マクファター(Clyde McPhatter, 1932–1972)とザ・ドリフターズ(The Drifters)の「Money Honey」と「The Way I Feel」(Atlantic 1006)、レイ・チャールズ(Ray Charles, 1930–2004)の「Heartbreaker」と「Feelin’ Sad」(Atlantic 1008)が掲載されています。同号のリズム・アンド・ブルース欄でも、ジョー・ターナー(Joe Turner, 1911–1985)の「Honey Hush」、ザ・クローヴァーズ(The Clovers)の「Good Lovin’」などがアトランティック盤として繰り返し掲載されています。

シーコ・レコード

シーコ・レコード(Seeco Records)は、1953年10月にラテン音楽分野で複数の動きが確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号では、シーコ・レコード(Seeco Records)が若いピアニストのチャーリー・パルミエリ(Charlie Palmieri, 1927–1988)と契約し、「Night And Day」と「Cielito Lindo」による初シーコ盤を市場投入する準備があると報じられています。同号には、シーコ・レコード(Seeco Records)が新しいトロピカル・エルピー・シリーズを発表した記事もあり、マンボ、タンゴ、ルンバ、ボレロを主題にしたラテン・アメリカ音楽の長時間盤展開が確認できます。さらに同号では、マチート(Machito, 1908–1984)の「Dragnet Mambo」とヴィセンティコ・バルデス(Vicentico Valdés, 1921–1995)の「Como Fue」への反応も報じられています。

ヴィージェイ・レコード

ヴィージェイ・レコード(Vee-Jay Records)は、1953年10月にリズム・アンド・ブルースおよびヴォーカル・グループ系の新譜広告を出しています。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号の広告では、インディアナ州ゲーリー(Gary, Indiana)の同社が「3 New Releases」として、ザ・スパニエルズ(The Spaniels)の「The Bells Ring Out」と「House Cleaning」、ウェリントン・ブレイクリー(Wellington Blakeley, 生没年不明)の「Gypsy With A Broken Heart」と「Sailor Joe」、プロフェッサー・オブ・ザ・ブルース(Professor of the Blues)の「Boot ‘Em Up」と「Policy Blues」を掲げています。同号の記事でも、ザ・スパニエルズ(The Spaniels)の「Baby It’s You」がグループ・ヴォーカル人気の流れの中で言及されています。

アボット・レコード

アボット・レコード(Abbott Records)は、1953年10月にカントリー・アンド・ウェスタン分野で録音制作と販売活動が確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号のカントリー・アンド・ウェスタン欄では、ミッチェル・トロク(Mitchell Torok, 1929–2017)の「Caribbean」がアボット・レコード(Abbott Records)140および45-140として掲載され、同じページに同盤の広告も出ています。同号のロサンゼルス欄では、フェイバー・ロビソン(Fabor Robison, 1911–1986)がルイジアナ州シュリーブポート(Shreveport, Louisiana)でジム・リーヴス(Jim Reeves, 1923–1964)とキャロリン・ブラッドショー(Carolyn Bradshaw, 生没年不明)の新録音セッションを完了し、アボット・レコード(Abbott Records)のハリウッド本部に戻ったことが報じられています。

カデンス・レコード

カデンス・レコード(Cadence Records)は、1953年10月にジュリアス・ラ・ローザ(Julius La Rosa, 1930–2016)の「Eh, Cumpari」を通じて強い露出を示しました。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月31日号の全国人気表では、「Eh, Cumpari」がカデンス・レコード(Cadence Records)盤として上位に入り、地方別人気表にも複数地域で掲載されています。同号の記事では、ジュリアス・ラ・ローザ(Julius La Rosa, 1930–2016)がアーサー・モートン・ゴッドフリー(Arthur Morton Godfrey, 1903–1983)の番組から離れたことが報じられ、同時にカデンス・レコード(Cadence Records)のヒット曲として「Eh, Cumpari」が言及されています。

ジュビリー・レコード

ジュビリー・レコード(Jubilee Records)は、1953年10月にリズム・アンド・ブルースとヴォーカル・グループ系の活動が確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号および10月31日号のリズム・アンド・ブルース欄では、ザ・オリオールズ(The Orioles)の「Crying In The Chapel」がジュビリー・レコード(Jubilee Records)5122として複数地域に掲載されています。10月31日号の広告では、ザ・オリオールズ(The Orioles)の「Write And Tell Me Why」と「In The Mission Of St. Augustine」、パイニー・ブラウン(Piney Brown, 1922–2009)の「Don’t Pass Me By」と「Don’t Bring Out The Wolf In Me」がジュビリー盤として宣伝されています。

ティコ・レコード

ティコ・レコード(Tico Records)は、1953年10月のラテン音楽市場で広告活動が確認できます。キャッシュ・ボックス(The Cash Box)1953年10月24日号の広告では、ジョー・ロコ(Joe Loco, 1921–1988)、ティト・プエンテ(Tito Puente, 1923–2000)、ティト・ロドリゲス(Tito Rodríguez, 1923–1973)のマンボ系録音をティコ・レコード(Tico Records)で入手できると宣伝しています。同号のシーコ・レコード(Seeco Records)記事と並んで、1953年10月時点のラテン音楽録音市場で、マンボを中心とするレーベル競争が業界誌上に現れていたことが確認できます。