1956年6月に録音された音楽

スポンサーリンク

1956年6月に録音された音楽

1956年6月は、冷戦、脱植民地化、公民権運動、大衆文化、交通インフラの転換が重なった月です。5日、アメリカ合衆国(United States of America)ではブラウダー対ゲイル事件(Browder v. Gayle)でアラバマ州内バスの人種分離が違憲と判断され、公民権運動の法的基盤が強まりました。13日、パリのパルク・デ・プランス(Parc des Princes)で第1回欧州チャンピオンズ・クラブ・カップ(European Champion Clubs’ Cup)決勝が行われ、レアル・マドリード・クルブ・デ・フトボル(Real Madrid Club de Fútbol)がスタッド・ドゥ・ランス(Stade de Reims)を4対3で破りました。23日、エジプト共和国(Republic of Egypt)ではガマール・アブデル・ナセル(Gamal Abdel Nasser, 1918–1970)の大統領選出と新憲法承認が国民投票で示されました。25日前後には、アメリカ合衆国(United States of America)のレッドウィング作戦(Operation Redwing)がビキニ環礁(Bikini Atoll)とエニウェトク環礁(Enewetak Atoll)で続き、核実験が国際政治上の緊張を映しました。28日、ポーランド人民共和国(Polish People’s Republic)ではポズナン六月事件(Poznań June)が発生し、労働者抗議が弾圧されました。29日、ドワイト・デイヴィッド・アイゼンハワー(Dwight David Eisenhower, 1890–1969)は1956年連邦補助道路法(Federal-Aid Highway Act of 1956)に署名し、アメリカ合衆国州間高速道路制度の建設を本格化させました。30日にはグランド・キャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)上空でトランス・ワールド航空2便(Trans World Airlines Flight 2)とユナイテッド航空718便(United Air Lines Flight 718)が衝突し、128人が死亡しました。

この月の確認されている録音:0曲

1956年6月の録音に関する情報のまとめ

1956年6月の録音関連では、ジャズ、リズム・アンド・ブルース、ロックンロール、ポピュラー音楽の制作と発売が複数のレーベルで活発に進みました。ジャズでは、コロムビア・レコード(Columbia Records)のマイルス・デイヴィス・クインテット(Miles Davis Quintet)、プレスティッジ・レコード(Prestige Records)のソニー・ロリンズ(Sonny Rollins, 1930–2026)『サキソフォン・コロッサス』(Saxophone Colossus)、ブルーノート・レコード(Blue Note Records)のジミー・スミス・トリオ(Jimmy Smith Trio)など、後年に重要視される録音が集中しました。26日にはクリフォード・ブラウン(Clifford Brown, 1930–1956)とリッチー・パウエル(Richie Powell, 1931–1956)が自動車事故で死亡し、1956年6月はハード・バップ世代の重要人物を失った月にもなりました。

コロムビア・レコード

コロムビア・レコード(Columbia Records)では、1956年6月5日にニューヨーク市のコロムビア三十丁目スタジオ(Columbia 30th Street Studio)でマイルス・デイヴィス・クインテット(Miles Davis Quintet)の録音が行われました。録音主体はマイルス・デイヴィス(Miles Davis, 1926–1991)、ジョン・コルトレーン(John Coltrane, 1926–1967)、レッド・ガーランド(Red Garland, 1923–1984)、ポール・チェンバース(Paul Chambers, 1935–1969)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones, 1923–1985)で、「ディア・オールド・ストックホルム(Dear Old Stockholm)」「バイ・バイ・ブラックバード(Bye Bye Blackbird)」「タッズ・ディライト(Tadd’s Delight)」などが録音されました。これらは後の『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』(’Round About Midnight)に関わる素材で、コロムビア・レコード(Columbia Records)期のマイルス・デイヴィス(Miles Davis, 1926–1991)の初期重要セッションに位置づけられます。

プレスティッジ・レコード

プレスティッジ・レコード(Prestige Records)では、1956年6月にヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)を中心とする複数の録音が行われました。6月8日にアール・コールマン(Earl Coleman, 1925–1995)、6月15日にフィル・ウッズ(Phil Woods, 1931–2015)、6月22日にソニー・ロリンズ(Sonny Rollins, 1930–2026)、6月29日にベニー・グリーン(Bennie Green, 1923–1977)のセッションが並びます。特に6月22日のソニー・ロリンズ(Sonny Rollins, 1930–2026)『サキソフォン・コロッサス』(Saxophone Colossus)は、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan, 1930–2001)、ダグ・ワトキンス(Doug Watkins, 1934–1962)、マックス・ローチ(Max Roach, 1924–2007)が参加した録音で、1950年代ジャズの代表的アルバムとして後年の評価が定着しました。

ブルーノート・レコード

ブルーノート・レコード(Blue Note Records)では、1956年6月17日–18日にヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)でジミー・スミス・トリオ(Jimmy Smith Trio)の録音が行われました。録音主体はジミー・スミス(Jimmy Smith, 1928–2005)、ソーネル・シュワルツ(Thornel Schwartz, 生没年不明)、ドナルド・ベイリー(Donald Bailey, 1933–2013)で、『ジミー・スミス・アット・ジ・オルガン 第3集』(Jimmy Smith at the Organ Volume 3)に関わる「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー(Willow Weep for Me)」「オータム・リーヴス(Autumn Leaves)」「ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー(Lover Come Back to Me)」などが録音されました。ブルーノート・レコード(Blue Note Records)は1956年にジミー・スミス(Jimmy Smith, 1928–2005)を継続的に録音し、ハモンド・オルガンを中心にしたモダン・ジャズの市場を拡大しました。

インペリアル・レコード

インペリアル・レコード(Imperial Records)では、1956年6月にファッツ・ドミノ(Fats Domino, 1928–2017)の「ブルーベリー・ヒル(Blueberry Hill)」に関わるセッションがハリウッドのマスターズ・レコーダー・スタジオ(Masters Recorder Studios)で行われました。アメリカ議会図書館(Library of Congress)の解説では、この録音が複数素材の編集を経て完成したことが説明されています。録音日の細部には資料間の差があり、1956年6月のセッションとして記録される範囲にとどまります。

アトランティック・レコード

アトランティック・レコード(Atlantic Records)では、1956年6月5日–21日にニューヨーク市で複数の録音が行われました。クリス・コナー(Chris Connor, 1927–2009)とラルフ・バーンズ(Ralph Burns, 1922–2001)関連の録音、ザ・クローヴァーズ(The Clovers)、ルース・ブラウン(Ruth Brown, 1928–2006)、ラヴァーン・ベイカー(LaVern Baker, 1929–1997)、メイベル・マーサー(Mabel Mercer, 1900–1984)、ザ・ドリフターズ(The Drifters)などが同月の録音に並びます。また、ナッシュヴィルでは1956年6月にグレン・リーヴス・アンド・ウィリス(Glenn Reeves and Willis)、ハル・ウィリス(Hal Willis, 1933–2015)、ザ・クレッシェンドズ(The Crescendos)の録音も行われました。アトランティック・レコード(Atlantic Records)は当月、リズム・アンド・ブルース、ヴォーカル、ジャズ寄りの素材を並行して制作していました。

スペシャルティ・レコード

スペシャルティ・レコード(Specialty Records)では、リトル・リチャード・アンド・ヒズ・バンド(Little Richard and His Band)名義の「リップ・イット・アップ(Rip It Up)/レディ・テディ(Ready Teddy)」が1956年6月にシングルとして発売されました。録音は1956年5月9日にニューオーリンズのジェイ・アンド・エム・レコーディング・スタジオ(J&M Recording Studio)で行われました。1956年6月16日号の『ビルボード』(Billboard)では同シングルがレビュー対象となり、ロックンロールの市場拡大を示す当月の重要なレコード活動となりました。

ヴァーヴ・レコード

ヴァーヴ・レコード(Verve Records)では、1956年6月7日にサンフランシスコでジョージ・ルイス・バンド(George Lewis Band)のライブ録音が行われ、同日にはニューヨーク市でビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)とトニー・スコット(Tony Scott, 1921–2007)関連の録音も行われました。さらに6月11日–12日にはロサンゼルスでビング・クロスビー・ウィズ・バディ・ブレグマン・オーケストラ(Bing Crosby with Buddy Bregman Orch.)の録音、6月18日にはジョージ・ウォーリントン(George Wallington, 1924–1993)とメトロノーム・オールスターズ(Metronome All-Stars)の録音が行われました。ヴァーヴ・レコード(Verve Records)は1956年に設立されたレーベルであり、同月の録音群はジャズとポピュラー音楽を横断する初期制作活動の一部でした。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード(Mercury Records)では、1956年6月にジャズ系の録音が集中しました。6月8日と6月18日にキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley, 1928–1975)の録音、6月25日にダイナ・ワシントン(Dinah Washington, 1924–1963)とクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones, 1933–2024)関連の録音、6月26日にビル・ハリス(Bill Harris, 1916–1973)とヘレン・メリル(Helen Merrill)、6月27日と6月29日にヘレン・メリル(Helen Merrill)関連の録音が行われました。マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、当月にジャズ・ヴォーカルとモダン・ジャズの双方を継続的に制作していました。

サヴォイ・レコード

サヴォイ・レコード(Savoy Records)では、1956年6月にニューヨーク市とヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)で複数のセッションが行われました。6月6日にジョー・バートン・トリオ(Joe Burton 3)、6月14日にバーニー・プレヴィン・ファイヴ(Bernie Previn 5)、6月20日にフランク・ウェス–ケニー・バレル・ファイヴ(Frank Wess – Kenny Burrell 5)、6月26日–27日にパリでアンドレ・オデール・アンド・ザ・ジャズ・グループ・オブ・パリ(Andre Hodeir and The Jazz Group Of Paris)の録音が行われました。サヴォイ・レコード(Savoy Records)は当月、アメリカ国内のハード・バップ系録音と、フランスの作編曲家アンドレ・オデール(Andre Hodeir, 1921–2011)関連の録音を並行して扱っていました。

エービーシー・パラマウント・レコード

エービーシー・パラマウント・レコード(ABC-Paramount Records)では、1956年6月11日にニューヨーク市でオスカー・ペティフォード・アンド・ヒズ・オーケストラ(Oscar Pettiford And His Orchestra)の録音が行われました。録音主体はオスカー・ペティフォード(Oscar Pettiford, 1922–1960)を中心とする大編成で、アート・ファーマー(Art Farmer, 1928–1999)、アーニー・ロイヤル(Ernie Royal, 1921–1983)、ジミー・クリーヴランド(Jimmy Cleveland, 1926–2008)、ジジ・グライス(Gigi Gryce, 1925–1983)、ラッキー・トンプソン(Lucky Thompson, 1924–2005)、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan, 1930–2001)らが参加しました。この録音は『オスカー・ペティフォード・オーケストラ・イン・ハイ・ファイ』(The Oscar Pettiford Orchestra In Hi-Fi)に関わる素材です。

リヴァーサイド・レコード

リヴァーサイド・レコード(Riverside Records)では、1956年6月にニューヨーク市のベルトーン・スタジオ(Beltone Studios)でボブ・コーウィン・カルテット・フィーチャリング・ザ・トランペット・オブ・ドン・エリオット(The Bob Corwin 4 feat. The Trumpet Of Don Elliott)の録音が行われました。リヴァーサイド・レコード(Riverside Records)は、復刻系・伝統系だけでなく、現行ジャズの新録音にも取り組んでいました。同録音の日付は資料上、1956年6月までの記載にとどまります。