1958年2月に録音された音楽

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1958年2月に録音された音楽

1958年2月は、冷戦下の宇宙開発、地域統合、核兵器管理、民衆運動が重なった月です。1日、アメリカ合衆国はエクスプローラー1号(Explorer 1)の軌道投入を確認し、ヴァン・アレン放射線帯(Van Allen radiation belts)の発見につながる観測を始めました。同日、中東ではエジプトとシリアがアラブ連合共和国(United Arab Republic)の成立を進め、21日の住民投票でガマール・アブドゥル・ナーセル(Gamal Abdel Nasser, 1918–1970)の大統領就任も承認されました。3日にはベルギー、オランダ、ルクセンブルクがベネルクス経済連合設立条約(Benelux Treaty establishing the Benelux Economic Union)に署名し、欧州統合の制度的枠組みを補強しました。5日にはアメリカ合衆国空軍(United States Air Force)の事故で核爆弾がジョージア州沖に投棄されました。6日にはブリティッシュ・ヨーロピアン・エアウェイズ609便(British European Airways Flight 609)がミュンヘンで墜落し、マンチェスター・ユナイテッド・フットボール・クラブ(Manchester United Football Club)関係者を含む23人が死亡しました。14日にはイラクとヨルダンがアラブ連邦(Arab Federation)の成立を発表し、17日にはロンドンで核軍縮キャンペーン(Campaign for Nuclear Disarmament)の大規模公開集会が開かれました。

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1958年2月の録音に関する情報のまとめ

1958年2月の録音産業では、ロング・プレイング盤、エクステンデッド・プレイ盤、シングル盤、ステレオディスク、レコード・クラブ、販売認証制度、映画音楽録音をめぐる動きが広がりました。アールシーエー・ビクター(RCA Victor)はシングル盤とアルバム販売制度を並行して展開し、オーディオ・フィデリティ・レコード(Audio Fidelity Records)はステレオ録音商品を前面に出しました。トゥエンティース・センチュリー=フォックス・フィルム社(20th Century-Fox Film Corporation)はレコード事業参入を進め、チェス・プロデューシング社(Chess Producing Co.)はロックンロールとリズム・アンド・ブルース系シングルを押し出しました。レコード産業協会(Recording Industry Association of America)はゴールド・レコード認証制度を整え、映画音楽の現場ではアメリカ音楽家連盟ローカル47(American Federation of Musicians Local 47)による労働争議が表面化しました。

アールシーエー・ビクター

アールシーエー・ビクター(RCA Victor)は、1958年2月にシングル盤、ロング・プレイング盤、エクステンデッド・プレイ盤、レコード・クラブ施策を並行して展開しました。『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1958年2月15日号では、レイ・ピーターソン(Ray Peterson, 1939–2005)、トニー・パーキンス(Tony Perkins, 1932–1992)、フロイド・ティルマン(Floyd Tillman, 1914–2003)、マリオ・ランツァ(Mario Lanza, 1921–1959)らのシングル盤が広告され、ポップ、映画音楽、カントリーを横断する商品展開が示されました。同時期には、ブック・オブ・ザ・マンス・クラブ(Book of the Month Club)と共同でアールシーエー・ビクター・ポピュラー・アルバム・クラブ(RCA Victor Popular Album Club)を始める計画も報じられました。アールシーエー・カムデン(RCA Camden)では、エクステンデッド・プレイ盤の価格改定と再パッケージ施策も進められました。

オーディオ・フィデリティ・レコード

オーディオ・フィデリティ・レコード(Audio Fidelity Records)は、1958年2月にステレオ録音を前面に出した新興レーベルとして注目されました。『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1958年2月15日号では、創業者シド・フレイ(Sid Frey, 生没年不明)が紹介され、同社のカタログがロング・プレイング盤60点、ステレオ・テープ10点に達していたことが報じられました。同社は商業用ステレオディスクを展開し、さらに4点の商業用ステレオディスク・アルバムを発売する方針を示しました。ステレオ録音を録音技術と販売上の特色として押し出した同社の活動は、1958年のレコード市場における高忠実度録音商品の拡大を示しています。

トゥエンティース・センチュリー・レコード

トゥエンティース・センチュリー=フォックス・フィルム社(20th Century-Fox Film Corporation)は、1958年2月にレコード事業参入を明確にしました。『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1958年2月15日号は、同社がトゥエンティース・センチュリー・レコード(20th Century Records)を設立し、1958年3月からレコード発売を始める予定であると報じました。新レーベルはヘンリー・オノラティ(Henry Onorati, 生没年不明)とルー・デル・ゲルシオ(Lou Del Guercio, 生没年不明)が率いる体制で、映画会社が自社の音楽資産とレコード市場を結びつける動きとして位置づけられます。

チェス・プロデューシング社

チェス・プロデューシング社(Chess Producing Co.)は、1958年2月のシングル盤市場でチェス(Chess)とチェッカー(Checker)の両レーベルを展開しました。『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1958年2月15日号には、チャック・ベリー(Chuck Berry, 1926–2017)「Sweet Little Sixteen」Chess 1683、ザ・ムーングロウズ(The Moonglows)「Too Late」Chess 1681、ジミー・マクラクリン(Jimmy McCracklin, 1921–2012)「The Walk」Checker 885 などを並べた広告が掲載されました。リズム・アンド・ブルース、ロックンロール、ドゥーワップ系のシングル盤を同時に押し出す構成は、同社の1958年初頭の市場展開をよく示しています。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード(Capitol Records)は、1958年2月にロング・プレイング盤市場で継続的な販売・宣伝活動を展開しました。『ビルボード(Billboard)』1958年2月の各号では、フランク・シナトラ(Frank Sinatra, 1915–1998)の『Come Fly with Me』がアルバム市場で大きく扱われ、同社のロング・プレイング盤販売を支える中心的作品のひとつとなりました。『キャッシュ・ボックス(The Cash Box)』1958年2月15日号では、ゴードン・マックレー(Gordon MacRae, 1921–1986)の公演と、キャピトル・レコード(Capitol Records)のアルバム『Motion Picture Sound Stage』に関する動きも紹介されました。映画音楽、舞台音楽、スター歌手の録音を結びつけた同社のアルバム販売は、1958年2月のレコード市場におけるロング・プレイング盤重視の傾向を示しています。

レコード産業協会

レコード産業協会(Recording Industry Association of America)は、1958年2月にレコード販売認証制度を整えました。『ビルボード(Billboard)』1958年2月24日号では、同協会が100万枚販売を基準とするゴールド・レコード認証制度を設けたことが報じられました。ジョン・W・グリフィン(John W. Griffin, 生没年不明)事務局長の発表として、売上監査、認証料、協会印付き認定の仕組みが説明され、販売実績を業界全体で可視化する制度が整備されました。初の公式ゴールド・シングル認定は、1958年3月14日のペリー・コモ(Perry Como, 1912–2001)「Catch A Falling Star」でした。

アメリカ音楽家連盟ローカル47

アメリカ音楽家連盟ローカル47(American Federation of Musicians Local 47)は、1958年2月20日0時1分から、映画音楽制作をめぐるストライキを有効としました。『インターナショナル・ミュージシャン(International Musician)』1958年5月号には、このストライキがロウズ(Loew’s)、トゥエンティース・センチュリー=フォックス(20th Century-Fox)、ワーナー(Warners)、パラマウント(Paramount)、コロムビア・ピクチャーズ(Columbia Pictures)を対象としていたことが記録されています。映画会社の録音・音楽制作、スタジオ音楽家、再使用料をめぐる労使関係は、1958年2月の録音関連事項として重要です。