1958年3月に録音された音楽

スポンサーリンク

1958年3月に録音された音楽

1958年3月は、冷戦、宇宙開発、欧州統合、文化産業が並行して動いた月です。2日にはイギリス連邦南極横断探検隊(Commonwealth Trans-Antarctic Expedition)が南極大陸の機械化横断を完了しました。17日には人工衛星ヴァンガード1号(Vanguard 1)が打ち上げられ、アメリカ合衆国の宇宙開発が継続しました。19日にはストラスブールで欧州議会議員会議(European Parliamentary Assembly)が初会合を開き、同日、映画『南太平洋(South Pacific)』が公開されました。24日にはエルヴィス・アーロン・プレスリー(Elvis Aaron Presley, 1935–1977)がアメリカ合衆国陸軍(United States Army)に入隊しました。27日にはニキータ・セルゲーエヴィチ・フルシチョフ(Nikita Sergeyevich Khrushchev, 1894–1971)がソビエト社会主義共和国連邦閣僚会議議長(Chairman of the Council of Ministers of the Union of Soviet Socialist Republics)に就き、31日にはカナダ連邦総選挙(Canadian federal election)でジョン・ジョージ・ディーフェンベーカー(John George Diefenbaker, 1895–1979)率いるカナダ進歩保守党(Progressive Conservative Party of Canada)が大勝しました。

この月の確認されている録音:0曲

1958年3月の録音に関する情報のまとめ

1958年3月の録音産業では、ロングプレイ盤の編集・再発売戦略、映画サウンドトラック、ロックンロールとリズム・アンド・ブルースのシングル盤、ジャズの重要録音、ステレオ盤の商業化、録音テープ製造設備の拡張が同時に進みました。アメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)による最初の公式ゴールド認定とステレオ盤標準の採択、ワーナー・ブラザーズ・レコード(Warner Bros. Records)の設立、オーディオ・フィデリティ社(Audio Fidelity, Inc.)による初期ステレオ長時間盤の発売は、1958年3月を録音メディア転換期の重要な月として位置づける動きです。個別録音では、コロムビア・レコード(Columbia Records)、ブルー・ノート・レコード(Blue Note Records)、ヴァーヴ・レコード(Verve Records)、アトコ・レコード(Atco Records)などで、後年まで参照される録音が行われました。

アメリカレコード協会

アメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)は、1958年3月14日にペリー・コモ(Perry Como, 1912–2001)の「キャッチ・ア・フォーリング・スター(Catch a Falling Star)」へ最初の公式ゴールド・シングル認定を行いました。同月25日には、ステレオ・ディスク・レコードの標準方式としてウェストレックス社(Westrex Corporation)の45°–45°方式を採択しました。1958年3月の同協会の動きは、販売実績認定とステレオ盤標準化という、レコード産業の制度面を大きく整えた出来事です。

ワーナー・ブラザーズ・レコード

ワーナー・ブラザーズ・レコード(Warner Bros. Records)は、1958年3月にワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures)のレコード部門として設立されました。同社は映画スタジオの音楽資産、俳優・テレビ関連の音源、ステレオ長時間盤市場を視野に入れて事業を始めました。1958年3月の同社設立は、映画会社が自社の録音・サウンドトラック事業を直接持つ流れを示す重要な会社史上の出来事です。

オーディオ・フィデリティ社

オーディオ・フィデリティ社(Audio Fidelity, Inc.)は、1958年3月に一般向けステレオ長時間盤の初期発売を行いました。同社の初期ステレオ盤群には、ジョニー・プレオ・アンド・ヒズ・ハーモニカ・ギャング(Johnny Puleo and His Harmonica Gang)の録音などが含まれました。1958年3月の同社活動は、ステレオ盤が実験段階から一般市場へ出る過程を示します。

キャピトル・レコード社

キャピトル・レコード社(Capitol Records, Inc.)は、1958年3月のビルボード(Billboard)で、ロングプレイ盤の販売、プレス能力、ステレオ盤対応をめぐる動きが報じられました。1958年3月17日号では同社のプレス関連設備拡張が報じられ、1958年3月31日号では互換ステレオ盤をめぐる同社見解が取り上げられました。1958年3月の同社活動は、需要拡大とステレオ盤移行を同時に見据えた生産・技術対応の一例です。

コロムビア・レコード

コロムビア・レコード(Columbia Records)は、1958年3月17日にジョニー・マティス(Johnny Mathis)の『ジョニーズ・グレイテスト・ヒッツ(Johnny’s Greatest Hits)』を発売しました。同作は既発シングルを長時間盤へ再編する「グレイテスト・ヒッツ」型商品の重要な初期事例です。また、マイルス・デイヴィス(Miles Davis, 1926–1991)の『マイルストーンズ(Milestones)』は、1958年2月–3月に録音されたコロムビア・レコード(Columbia Records)の重要なジャズ録音で、同作の録音期間には1958年3月が含まれます。

アールシーエー・ビクター・レコード

アールシーエー・ビクター・レコード(RCA Victor Records)は、1958年3月に映画『南太平洋(South Pacific)』のオリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラックを発売しました。さらに、1958年3月21日にはエルヴィス・アーロン・プレスリー(Elvis Aaron Presley, 1935–1977)の『エルヴィス・ゴールデン・レコード(Elvis’ Golden Records)』を発売しました。同月24日のエルヴィス・アーロン・プレスリー(Elvis Aaron Presley, 1935–1977)のアメリカ合衆国陸軍(United States Army)入隊と結びつく形で、既発ヒットの長時間盤化が行われました。

ブルー・ノート・レコード

ブルー・ノート・レコード(Blue Note Records)では、1958年3月9日にジュリアン・“キャノンボール”・アダレイ(Julian “Cannonball” Adderley, 1928–1975)の『サムシン・エルス(Somethin’ Else)』が録音されました。同作はブルー・ノート・レコード(Blue Note Records)から発売された代表的ジャズ・アルバムで、マイルス・デイヴィス(Miles Davis, 1926–1991)が参加した録音としても重要です。1958年3月の同録音は、ハード・バップからモード・ジャズへ向かう同時期のジャズ録音状況を示します。

ヴァーヴ・レコード

ヴァーヴ・レコード(Verve Records)では、1958年3月13日–19日にエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)の『エラ・フィッツジェラルド・シングス・ザ・アーヴィング・バーリン・ソング・ブック(Ella Fitzgerald Sings the Irving Berlin Song Book)』が録音されました。同作はアーヴィング・バーリン(Irving Berlin, 1888–1989)の作品集として制作され、ポール・ウェストン(Paul Weston, 1912–1996)が編曲・指揮を担当しました。1958年3月の同録音は、ヴァーヴ・レコード(Verve Records)のソングブック企画がジャズ・ヴォーカル録音の中心的シリーズとして展開していたことを示します。

アトコ・レコード

アトコ・レコード(Atco Records)では、1958年3月17日にザ・コースターズ(The Coasters)の「ヤケティ・ヤック(Yakety Yak)」が録音されました。同作は1958年4月発売ですが、録音自体は1958年3月に行われ、後年グラミー殿堂賞(Grammy Hall of Fame Award)にも登録されました。1958年3月のアトコ・レコード(Atco Records)関連では、翌月以降のヒットにつながる重要録音がすでに完了していました。

チャレンジ・レコード

チャレンジ・レコード(Challenge Records)は、ザ・チャンプス(The Champs)の「テキーラ(Tequila)」によって1958年3月のシングル盤市場で大きな動きを示しました。同作は1958年1月発売ですが、1958年3月のビルボード(Billboard)ではポップ系チャート上位への上昇が示されています。1958年3月の同社活動は、独立系レーベルのシングル盤が全国的なヒットへ拡大する事例として重要です。

チェス・レコード

チェス・レコード(Chess Records)は、1958年3月にチャック・ベリー(Chuck Berry, 1926–2017)の「ジョニー・B.グッド(Johnny B. Goode)」をChess 1691として発売しました。同作は後年のロックンロール史において代表的録音として扱われます。1958年3月の同社活動は、リズム・アンド・ブルース、ロックンロール、ギター主体のシングル盤が大衆音楽市場でさらに影響力を強める過程を示します。

オーアールラジオ・インダストリーズ社

オーアールラジオ・インダストリーズ社(ORRadio Industries, Inc.)は、1958年3月29日にアラバマ州オペライカの新工場を開設しました。同社は磁気録音テープ製造に関わる企業であり、録音・放送・映像記録の媒体供給面で重要な役割を持ちました。1958年3月の同社工場開設は、レコード盤だけでなく磁気テープを含む録音メディア産業の拡張を示す出来事です。