1959年5月に録音された音楽

この記事は約12分で読めます。
スポンサーリンク

1959年5月に録音された音楽

1959年5月は、冷戦外交、革命後の制度改革、宇宙開発、アジアの自治政治、映画・音楽産業が大きく動いた月です。5月11日、アメリカ合衆国、イギリス、フランス共和国、ソビエト社会主義共和国連邦の外相によるジュネーヴ外相会議(Conference of the Foreign Ministers of the United States, the United Kingdom, France, and the Soviet Union at Geneva)が始まり、ドイツ問題とベルリン問題が協議されました。5月17日、キューバ共和国ではフィデル・カストロ(Fidel Castro, 1926–2016)政権下で農地改革法(Agrarian Reform Law)が公布され、土地所有制度と対米関係に大きな影響を及ぼしました。5月24日には、アメリカ合衆国元国務長官ジョン・フォスター・ダレス(John Foster Dulles, 1888–1959)が死去しました。5月28日、ジュピターAM-18(Jupiter AM-18)でアカゲザルのエイブルとリスザルのベーカーが宇宙飛行後に生還し、有人宇宙飛行に向けた生体医学データが得られました。5月30日、シンガポール(Singapore)の立法議会総選挙で人民行動党(People’s Action Party)が多数を得て、リー・クアンユー(Lee Kuan Yew, 1923–2015)の政権成立へ進みました。文化面では、5月4日に第1回グラミー賞(1st Annual Grammy Awards)が行われ、第12回カンヌ国際映画祭(12th Festival de Cannes)ではマルセル・カミュ(Marcel Camus, 1912–1982)監督の『黒いオルフェ(Orfeu Negro)』がパルム・ドール(Palme d’or)を受賞しました。

この月の確認されている録音:0曲

1959年5月の録音に関する情報のまとめ

1959年5月には、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、パリなどで、ジャズ、ヴォーカル、リズム・アンド・ブルース、ポピュラー音楽の録音活動が活発に行われました。コロムビア・レコード(Columbia Records)ではチャールズ・ミンガス(Charles Mingus, 1922–1979)、アトランティック・レコード(Atlantic Records)ではジョン・コルトレーン(John Coltrane, 1926–1967)、レイ・チャールズ(Ray Charles, 1930–2004)、オーネット・コールマン(Ornette Coleman, 1930–2015)、ブルーノート・レコード(Blue Note Records)ではジャッキー・マクリーン(Jackie McLean, 1931–2006)やドナルド・バード(Donald Byrd, 1932–2013)の録音が行われました。プレスティッジ・レコード(Prestige Records)、ヴァーヴ・レコード(Verve Records)、コンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)、グッド・タイム・ジャズ(Good Time Jazz)、マーキュリー・レコード(Mercury Records)、リバーサイド・レコード(Riverside Records)、キャピトル・レコード(Capitol Records)でも、同月に重要なセッションが行われています。

コロムビア・レコード

コロムビア・レコード(Columbia Records)では、1959年5月5日と5月12日に、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus, 1922–1979)の『Mingus Ah Um』に関係する録音がコロムビア・サーティース・ストリート・スタジオ(Columbia 30th Street Studio)で行われました。同作はチャールズ・ミンガス(Charles Mingus, 1922–1979)にとってコロムビア・レコード(Columbia Records)での重要作で、制作にはテオ・マセロ(Teo Macero, 1925–2008)が関与しました。1959年5月の録音史では、同作のセッションが、同時期のモダン・ジャズ録音を代表する出来事のひとつに位置づけられます。

アトランティック・レコード

アトランティック・レコード(Atlantic Records)では、1959年5月に多方面の録音活動が行われました。5月1日にはミルト・ジャクソン・ウィズ・クインシー・ジョーンズ・オーケストラ(Milt Jackson with Quincy Jones’ Orchestra)、5月4日と5月5日にはジョン・コルトレーン・カルテット(John Coltrane Quartet)、5月6日にはレイ・チャールズ・ウィズ・ラルフ・バーンズ・オーケストラ(Ray Charles with Ralph Burns’ Orchestra)、5月7日と5月8日にはジョン・ルイス・トリオ(John Lewis Trio)の録音が行われました。5月14日にはラヴァーン・ベイカー・ウィズ・チャック・セイグル・オーケストラ(LaVern Baker with Chuck Sagle’s Orchestra)、5月19日–21日にはボビー・ダーリン・ウィズ・リチャード・ウェス・オーケストラ(Bobby Darin with Richard Wess’ Orchestra)、5月22日にはオーネット・コールマン・カルテット(Ornette Coleman Quartet)の録音が行われました。オーネット・コールマン・カルテット(Ornette Coleman Quartet)の同日セッションは、『The Shape of Jazz to Come』に関係する録音です。

ブルーノート・レコード

ブルーノート・レコード(Blue Note Records)では、1959年5月にヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)で複数の録音が行われました。5月2日にはジャッキー・マクリーン・クインテット(Jackie McLean Quintet)、5月17日にはレオン・イーソン・カルテット(Leon Eason Quartet)、5月20日にはザ・スリー・サウンズ(The Three Sounds)、5月24日にはジミー・スミス・トリオ(Jimmy Smith Trio)、5月31日にはドナルド・バード・セクステット(Donald Byrd Sextet)の録音が行われました。ジャッキー・マクリーン・クインテット(Jackie McLean Quintet)の録音は『New Soil』、ジミー・スミス・トリオ(Jimmy Smith Trio)の録音は『Home Cookin’』、ドナルド・バード・セクステット(Donald Byrd Sextet)の録音は『Byrd in Hand』に関係しています。

プレスティッジ・レコード

プレスティッジ・レコード(Prestige Records)では、1959年5月にヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)で複数の録音が行われました。5月1日にはエディ・“ロックジョウ”・デイヴィス・ファイヴ・ウィズ・シャーリー・スコット(The Eddie “Lockjaw” Davis 5 with Shirley Scott)、5月14日にはアーネット・コブ・ファイヴ(Arnett Cobb 5)、5月25日にはウィリス・ジャクソン・ファイヴ(The Willis Jackson 5)の録音が行われました。テナー・サクソフォンとオルガンを中心にした小編成の録音が続き、プレスティッジ・レコード(Prestige Records)の1959年ジャズ・カタログを構成するセッションが重ねられました。

ヴァーヴ・レコード

ヴァーヴ・レコード(Verve Records)では、1959年5月にアメリカ国内外で録音が行われました。5月5日–6日にはピート・ブラウン・ファイヴ(Pete Brown 5)、5月12日–13日にはリー・コニッツ=ジミー・ジュフリー・エイト(Lee Konitz – Jimmy Giuffre 8)、5月18日にはパリでソニー・スティット・ウィズ・ジ・オスカー・ピーターソン・スリー(Sonny Stitt with The Oscar Peterson 3)とジ・オスカー・ピーターソン・スリー(The Oscar Peterson 3)の録音が行われました。5月21日–22日にはブロッサム・ディアリー・ファイヴ(Blossom Dearie 5)、5月28日–29日にはオラシオ・サルガン・アンド・ウバルド・デ・リオ(Horacio Salgan and Ubaldo De Lio)の録音も行われました。ヴァーヴ・レコード(Verve Records)は、同月にジャズ、ヴォーカル、国外録音を並行して進めました。

コンテンポラリー・レコードとグッド・タイム・ジャズ

コンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)とグッド・タイム・ジャズ(Good Time Jazz)では、1959年5月にロサンゼルスを中心とする録音が行われました。5月4日にはヴィクター・フェルドマン・ウィズ・ジャズ・スターズ・アンド・オーセンティック・アフロ・キューバン・リズムズ(Victor Feldman with Jazz Stars and Authentic Afro-Cuban Rhythms)、5月11日にはグッド・タイム・ジャズ(Good Time Jazz)でファイアハウス・ファイヴ・プラス・トゥー(Firehouse Five Plus Two)、5月12日にはアート・ペッパー・プラス・イレヴン(Art Pepper + Eleven)の録音が行われました。5月21日と5月26日には、シェリー・マン・メン(Shelly Manne Men)の録音も行われ、西海岸系ジャズ、トラディショナル・ジャズ、編曲重視の大編成録音が同月内に並びました。

マーキュリー・レコード

マーキュリー・レコード(Mercury Records)では、1959年5月7日にシカゴのユニヴァーサル・レコーディング(Universal Recording)でアート・ホーデス・アンド・ジミー・マクパートランド・オーケストラズ(Art Hodes and Jimmy McPartland Orchestras)の録音が行われました。5月26日、5月27日–28日にはニューヨークのファイン・レコーディング(Fine Recording)でクインシー・ジョーンズ・オーケストラ(Quincy Jones Orchestra)の録音が行われました。クインシー・ジョーンズ・オーケストラ(Quincy Jones Orchestra)のセッションには、ハリー・“スウィーツ”・エディソン(Harry “Sweets” Edison, 1915–1999)、クラーク・テリー(Clark Terry, 1920–2015)、メルバ・リストン(Melba Liston, 1926–1999)、ベニー・ゴルソン(Benny Golson, 1929–2024)などが参加し、『The Birth of a Band!』に関係する録音が行われました。

リバーサイド・レコード

リバーサイド・レコード(Riverside Records)では、1959年5月5日にロンドンのランズダウン・スタジオ(Lansdowne Studios)でジョー・ハリオット・ファイヴ(Joe Harriott 5)の録音が行われました。5月12日にはニューヨークのリーヴス・サウンド・スタジオ(Reeves Sound Studios)でキャノンボール・アダレイ・カルテット(Cannonball Adderley Quartet)の録音が行われ、『Cannonball Takes Charge』に関係する音源が残されました。さらに1959年5月には、同じリーヴス・サウンド・スタジオ(Reeves Sound Studios)でフィリー・ジョー・ジョーンズ・ビッグ・バンド・サウンズ(Philly Joe Jones’ Big Band Sounds)の録音も行われました。

キャピトル・レコード

キャピトル・レコード(Capitol Records)では、1959年5月14日にハリウッドのキャピトル・スタジオA(Capitol Studio A)で、フランク・シナトラ(Frank Sinatra, 1915–1998)の『No One Cares』に関係する録音が行われました。同日の録音には「When No One Cares」「I’ll Never Smile Again」「A Cottage for Sale」が含まれ、ゴードン・ジェンキンズ(Gordon Jenkins, 1910–1984)とネルソン・リドル(Nelson Riddle, 1921–1985)が編曲と指揮を担当しました。『No One Cares』は1959年3月24日–26日と5月14日の録音から構成され、5月14日のセッションは同作を完成させる追加録音として位置づけられます。