1960年2月に録音された音楽
1960年2月は、冷戦、脱植民地化、公民権運動、地域経済統合、災害、スポーツが重なった月でした。2月1日、アメリカ合衆国ノースカロライナ州グリーンズボロ(Greensboro, North Carolina)で、ノースカロライナ農工州立大学(North Carolina Agricultural and Technical State University)の学生4人による座り込みが始まり、公共施設の人種隔離に反対する運動が広がりました。2月3日、ハロルド・マクミラン(Harold Macmillan, 1894–1986)は南アフリカ連邦議会(Parliament of the Union of South Africa)で「変化の風」演説を行い、アフリカの民族意識と脱植民地化を論じました。2月13日、フランス共和国(French Republic)はサハラで初の核実験ジェルボアーズ・ブルー(Gerboise Bleue)を実施しました。2月18日、中南米自由貿易地域及び中南米自由貿易連合を設立する条約(Treaty Establishing a Latin American Free Trade Area and Association)がモンテビデオで署名されました。同じ2月18日から28日まで、第8回オリンピック冬季競技大会(VIII Olympic Winter Games)がスコーバレーで開かれました。2月24日、アメリカ合衆国海軍(United States Navy)のアメリカ合衆国艦船トライトン(USS Triton, SSRN-586)は、サンドブラスト作戦(Operation Sandblast)で潜航世界一周の区間に入りました。2月29日、モロッコ王国(Kingdom of Morocco)のアガディール(Agadir)を地震が襲い、大きな被害を出しました。
この月の確認されている録音:0曲
1960年2月の録音に関する情報のまとめ
1960年2月の録音関連動向では、ニューヨーク周辺のジャズ録音、ヨーロッパ公演のライブ録音、ポピュラー歌手のスタジオ録音、コメディ・アルバム録音、シングル市場でのヒット拡大が並行しました。ブルーノート・レコード(Blue Note Records)とリバーサイド・レコード(Riverside Records)では、ハード・バップ、ソウル・ジャズ、ブルースを含む複数のセッションが行われました。ヴァーヴ・レコード(Verve Records)ではエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)のベルリン公演が録音され、キャピトル・レコード(Capitol Records)ではペギー・リー(Peggy Lee, 1920–2002)のハリウッド録音が続きました。ワーナー・ブラザース・レコード(Warner Bros. Records)ではボブ・ニューハート(Bob Newhart, 1929–2024)のライブ録音が行われ、タムラ・レコード(Tamla Records)、アンナ・レコード(Anna Records)、コロムビア・レコード(Columbia Records)では、既発録音が1960年2月のシングル市場で存在感を強めました。
ブルーノート・レコード
ブルーノート・レコード(Blue Note Records)では、1960年2月に複数のジャズ・セッションが行われました。2月5日と2月28日にはルー・ドナルドソン(Lou Donaldson, 1926–2024)のセッションが行われ、2月7日にはハンク・モブレー(Hank Mobley, 1930–1986)がニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)で『Soul Station』に関わる録音を行いました。この2月7日のセッションには、ウィントン・ケリー(Wynton Kelly, 1931–1971)、ポール・チェンバース(Paul Chambers, 1935–1969)、アート・ブレイキー(Art Blakey, 1919–1990)が参加しました。2月15日にはフレディ・レッド(Freddie Redd, 1928–2021)、2月29日にはホレス・パーラン(Horace Parlan, 1931–2017)の録音も行われ、同月のブルーノート・レコード(Blue Note Records)は複数の小編成ジャズ録音を継続的に制作していました。
- https://www.jazzdisco.org/blue-note-records/discography-1959-1960/
- https://www.jazzdisco.org/hank-mobley/discography/
- https://store.bluenote.com/products/hank-mobley-soul-station-lp-blue-note-classic-vinyl-edition
リバーサイド・レコード
リバーサイド・レコード(Riverside Records)では、1960年2月にジャズとブルースをまたぐ録音活動が行われました。2月1日にはキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley, 1928–1975)のセッション、2月4日にはビリー・テイラー(Billy Taylor, 1921–2010)のセッション、2月9日にはジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker, 1917–2001)のセッションが記録されています。ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker, 1917–2001)の録音を含むことで、同月のリバーサイド・レコード(Riverside Records)の活動は、モダン・ジャズだけでなくブルース系録音にも広がっていました。
ヴァーヴ・レコード
ヴァーヴ・レコード(Verve Records)では、1960年2月13日にエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)がベルリンのドイッチュラントハレ(Deutschlandhalle)でライブ録音を行いました。この録音は『Ella in Berlin: Mack the Knife』として知られるアルバムに結びつき、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald, 1917–1996)の代表的ライブ録音の一つとなりました。ヴァーヴ・レコード(Verve Records)の1960年2月分には、メル・トーメ(Mel Tormé, 1925–1999)、マーガレット・ホワイティング(Margaret Whiting, 1924–2011)、ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie, 1924–2009)のセッションも記録されており、同社はジャズ・ヴォーカルとポピュラー・ヴォーカルの制作を継続していました。
- https://www.jazzdisco.org/verve-records/discography-1960/
- https://www.discogs.com/master/123332-Ella-Fitzgerald-Mack-The-Knife-Ella-In-Berlin
- https://grammy.com/awards/hall-of-fame-award
キャピトル・レコード
キャピトル・レコード(Capitol Records)では、1960年2月15日、2月18日、2月19日にペギー・リー(Peggy Lee, 1920–2002)の録音セッションが行われました。いずれもハリウッドのキャピトル・タワー(Capitol Tower)で行われ、2月15日のCapitol Session #9252には「Remind Me」、2月18日のCapitol Session #9263には「As You Desire Me」が含まれます。2月19日のCapitol Session #9264も同所で行われたセッションとして記録されており、同月のキャピトル・レコード(Capitol Records)ではペギー・リー(Peggy Lee, 1920–2002)のアルバム制作に関わる録音が継続していました。
ワーナー・ブラザース・レコード
ワーナー・ブラザース・レコード(Warner Bros. Records)では、1960年2月10日にボブ・ニューハート(Bob Newhart, 1929–2024)のライブ・コメディ録音が行われました。会場はテキサス州ヒューストンのタイドランズ・モーター・イン(Tidelands Motor Inn)で、この録音は『The Button-Down Mind of Bob Newhart』に結びつきました。同作は、話芸録音が長時間盤市場で大きな成功を収めた例として、1960年のレコード産業史上でも重要な作品となりました。
タムラ・レコードとアンナ・レコード
タムラ・レコード(Tamla Records)とアンナ・レコード(Anna Records)では、バレット・ストロング(Barrett Strong, 1941–2023)の「Money (That’s What I Want)」が1960年2月の全米シングル市場で注目を高めました。同曲は1959年に録音・発売されたシングルですが、1960年2月5日週にビルボード・ホット100(Billboard Hot 100)へ入りました。デトロイト発の独立系レコード制作が全国市場へ広がる過程を示す出来事であり、1960年2月のレコード市場動向として重要です。
コロムビア・レコード
コロムビア・レコード(Columbia Records)では、パーシー・フェイス・アンド・ヒズ・オーケストラ(Percy Faith and His Orchestra)による「Theme from A Summer Place」が1960年2月のシングル市場で大きな成功を収めました。同曲は1960年2月22日付のビルボード・ホット100(Billboard Hot 100)で首位に達し、2月29日付でも首位を維持しました。映画音楽由来のインストゥルメンタル録音がポピュラー・シングル市場の中心に立った例として、同月のコロムビア・レコード(Columbia Records)の動向を示しています。
- https://www.billboard.com/charts/hot-100/1960-02-22/
- https://www.billboard.com/charts/hot-100/1960-02-29/
