1960年1月に録音された音楽
1960年1月は、冷戦下の安全保障、脱植民地化、経済統合、科学技術が同時に動いた月です。1日、カメルーン共和国(Republic of Cameroon)がフランス施政下カメルーン信託統治地域(Trust Territory of the Cameroons under French Administration)から独立しました。2日、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy, 1917–1963)はアメリカ合衆国大統領選挙への立候補を表明し、4日には欧州自由貿易連合設立条約(Convention Establishing the European Free Trade Association)がストックホルムで署名されました。同日、作家アルベール・カミュ(Albert Camus, 1913–1960)が死去しました。9日、アスワン・ハイ・ダム(Aswan High Dam)の建設工事が始まり、19日には日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(Treaty of Mutual Cooperation and Security between Japan and the United States of America)がワシントンで署名されました。23日、バチスカーフ・トリエステ(Bathyscaphe Trieste)がマリアナ海溝のチャレンジャー海淵へ到達し、ジャック・ピカール(Jacques Piccard, 1922–2008)とドン・ウォルシュ(Don Walsh, 1931–2023)は有人潜航の記録を残しました。24日以降、フランス領アルジェリア(French Algeria)のアルジェでバリケード週間(Week of the Barricades)が発生しました。
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1960年1月の録音に関する情報のまとめ
1960年1月の録音産業では、長時間盤、ステレオ盤、店頭販促、旧ヒット音源の再商品化、映画・舞台関連アルバム、放送局との関係整理が並行して進みました。各社は新譜を単独商品として出すだけでなく、販売店向けキット、返品交換条件、プリパック商品、ラジオ・テレビ出演、実演活動、ステレオ・テープ化などを組み合わせ、録音物の販売経路を広げていました。録音会社と放送・映画・舞台・小売店の結びつきが強くなり、音源そのものに加えて、宣伝、配給、陳列、再編集、二次媒体化が市場戦略の中心に置かれていた月です。
アールシーエー・ヴィクター
アールシーエー・ヴィクター(RCA Victor)は、ブロードウェイ新作『グリーンウィロー(Greenwillow)』のオリジナル・キャスト録音権を獲得し、舞台録音を長時間盤市場の重要商品として展開しました。同社はこの作品に広告と販売促進を組み合わせ、演劇作品とレコード販売を接続する方針を打ち出しました。さらに、外部企業の商品購入者向けに長時間盤を割安で提供する共同販促も行い、レコードを独立商品としてだけでなく、消費財キャンペーンの景品・販促商品としても流通させていました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
コロムビア・レコード
コロムビア・レコード(Columbia Records)は、コロムビア・マスターワークス(Columbia Masterworks)新譜の販売を支援する販売店向け自動発売計画を開始しました。この仕組みでは、毎月選定された新譜と、広告、広報、美術、陳列、販売促進部門が用意する商品情報キットが販売店に届けられました。また、映画『避暑地の出来事(A Summer Place)』主題曲を含むスペシャル・イントロダクトリー・ステレオ・セブン・オファー(Special Introductory Stereo Seven Offer)も展開し、映画音楽、ステレオ盤、店頭販売を結びつけていました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
キャピトル・レコード
キャピトル・レコード(Capitol Records)とキャピトル・レコード・ディストリビューティング・コーポレーション(Capitol Records Distributing Corporation)は、配給体制と製造体制の両面で拡張を進めました。キャピトル・レコード・ディストリビューティング・コーポレーション(Capitol Records Distributing Corporation)の幹部は、再編後の目的と機能をハリウッド、シカゴ、ニューヨークで現場幹部に説明し、配給組織の運用を整えました。さらに、1月22日にハリウッドのフレッチャー・ドライブ所在の新しいレコード製造工場を開き、クラシック長時間盤『カルメン(Carmen)』全曲盤向けの返品交換条件も提示しました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-18.pdf
アトランティック・レコード
アトランティック・レコード(Atlantic Records)は、長時間盤『ロッキング・フィフティーズ(The Rocking Fifties)』と『ジャイアント・ステップス(Giant Steps)』を発売しました。『ロッキング・フィフティーズ(The Rocking Fifties)』は1950年代の同社ヒットをまとめた再編集企画であり、旧ヒット音源を長時間盤市場へ再投入する商品でした。『ジャイアント・ステップス(Giant Steps)』はジョン・コルトレーン(John Coltrane, 1926–1967)のジャズ・アルバムで、同社のジャズ・カタログを強化する重要盤となりました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
ドット・レコード
ドット・レコード(Dot Records)は、既存ヒット音源を再編成したオール・タイム・ヒット・シリーズ(All Time Hit Series)を、販売店向けのプリパック式ブラウザー箱として展開しました。この商品は18種類のシングル、計60枚で構成され、同社の上位36曲を組み替えた販売店向け商品でした。単発の新譜ではなく、既存カタログを店頭で見せやすい形にまとめ、在庫商品を再販売しやすくする施策です。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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トップ・ランク・レコード
トップ・ランク・レコード(Top Rank Records)は、ジェイ・アーサー・ランク・オーガニゼーション(J. Arthur Rank Organization)のアメリカ録音部門として、創業1年未満ながら好調な販売月を迎えていました。ジャック・スコット(Jack Scott, 1936–2019)の『ホワット・イン・ザ・ワールズ・カム・オーヴァー・ユー(What in the World’s Come Over You)』、ファイアーボールズ(The Fireballs)の『ブルドッグ(Bulldog)』、ドロシー・コリンズ(Dorothy Collins, 1926–1994)の『バチアーレ、バチアーレ(Baciare, Baciare)』がビルボード・ホット100(Billboard Hot 100)で上昇し、同社のシングル販売を支えました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
サン・レコード
サン・レコード(Sun Records)では、社長サム・フィリップス(Sam Phillips, 1923–2003)がラジオ局を最大7局まで取得する構想を示しました。この動きは、録音会社関係者が音源制作だけでなく、放送流通と宣伝環境の整備にも関心を広げていたことを示します。同氏は、運営局で自社レーベル盤をかけない方針も示しており、レコード会社と放送局の関係が利益相反を意識しながら拡張していたことが読み取れます。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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エービーシー=パラマウント・レコード
エービーシー=パラマウント・レコード(ABC-Paramount Records)は、15枚の新しい長時間盤を用意し、アルバム市場での展開を強めました。複数枚をまとめて投入する新譜計画は、シングル単位の販売だけでなく、長時間盤をカタログの中心に据える流れを反映しています。同社は、幅広いアルバム商品を販売店に供給することで、長時間盤市場での棚面積と露出を確保しようとしていました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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ユナイテッド・アーティスツ・レコード
ユナイテッド・アーティスツ・レコード(United Artists Records)は、追加の長時間盤4枚を発売する予定を示し、映画会社系録音会社としてアルバム市場での活動を続けました。映画関連企業を背景に持つ同社は、映像産業と録音産業の接点を活かしながら、録音済み素材を長時間盤として市場に出す販売活動を進めました。1960年1月の動きは、映画会社系レーベルがレコード市場で独自のカタログを拡充していた流れの一部です。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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リバティ・レコード
リバティ・レコード(Liberty Records)は、ジョニー・オキーフ(Johnny O’Keefe, 1935–1978)の新譜と長時間盤計画を中心に、ラジオ、テレビ、実演を含む販促を進めました。同社は、オーストラリア出身のロックンロール歌手をアメリカ市場へ紹介するため、レコード発売だけでなく、放送出演や実演活動を組み合わせました。音源発売、メディア露出、舞台活動を一体化した新規アーティスト展開の事例です。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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カールトン・レコード
カールトン・レコード(Carlton Records)は、ポール・エヴァンズ(Paul Evans)の長時間盤販促、新歌手契約、ステレオ・テープ化権の面で活動しました。同社はポール・エヴァンズ(Paul Evans)のアルバムを販売促進対象として扱い、さらにオメガテープ(Omegatape)がカールトン・レコード(Carlton Records)および関連カタログのステレオ・テープ化権を取得しました。これにより、同社の音源は長時間盤だけでなく、ステレオ・テープ市場にも展開されることになりました。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
トゥエンティース・フォックス・レコード
トゥエンティース・フォックス・レコード(20th-Fox Records)は、冬季長時間盤プログラム「ゴールデン・ディケイド・オブ・サウンド(Golden Decade of Sound)」を展開しました。同社は、映画会社系レーベルとしてのブランド力と音響訴求を組み合わせ、長時間盤市場でカタログ商品を押し出しました。映画会社系レーベルが、映像作品だけでなく、録音商品そのものを独立したカタログ資産として販売していた動きです。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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ワーナー・ブラザーズ・レコード
ワーナー・ブラザーズ・レコード(Warner Bros. Records)は、エヴァリー・ブラザーズ(The Everly Brothers)との契約交渉で注目されました。同社は映画会社系レーベルとして録音事業を拡大しており、有力ポップ・アーティストの獲得を通じてシングル市場と長時間盤市場での存在感を高めようとしていました。契約成立の扱いは同月時点で確定事項としては示されていませんが、同社がアーティスト獲得競争の中にいたことは確認できます。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
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ハノーヴァー=シグネチャー・レコード
ハノーヴァー=シグネチャー・レコード(Hanover-Signature Records)は、バーバラ・マクネア(Barbara McNair, 1934–2007)との長期契約を結び、初回発売に向けた制作準備を進めました。同歌手はテレビ、舞台、クラブ出演を通じて知名度を高めており、同社はヴォーカル・タレントを長期的に育成する方針を示しました。録音は2月予定とされており、1960年1月の動きは契約と発売準備に位置づけられます。
- https://books.google.com/books?id=5x4EAAAAMBAJ
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Music/Billboard/60s/1960/Billboard%201960-01-25.pdf
