Music recorded in June 1907

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Music recorded in June 1907

1907年6月は、国際秩序の再設計と国内政治の緊張が同時進行した月でした。1907年6月15日、オランダのハーグで第二回ハーグ平和会議(Second Hague Peace Conference, 1907)が開会し、戦時法規や紛争処理の枠組みをめぐる協議が各国代表の間で始まりました。一方ロシア帝国では、ニコライ2世(Nicholas II, 1868–1918)とピョートル・ストルイピン(Pyotr Stolypin, 1862–1911)の主導で1907年6月3日にロシア帝国第二国家ドゥーマ(Second State Duma)の解散と選挙法改定が行われ、立法政治の枠組みが大きく変動しました。災害面では、1907年6月6日にフランス領アルジェリアのコンスタンティーヌ周辺で大地震が記録され、地中海世界の都市社会に衝撃を与えました。技術・大衆文化では、イギリスでブルックランズ(Brooklands)の周回コースが1907年6月に開業し、自動車競技と機械文明の象徴的空間が成立します。都市インフラでは、スイスのバーゼル中央駅バーゼルSBB(Basel SBB)が1907年6月24日に落成し、国境交通の結節点が更新されました。外交では、1907年6月10日にフランス共和国と大日本帝国の間で中国政策をめぐる取り決めが署名され、列強間の勢力均衡が再調整されました。さらに環境・都市行政の領域では、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキーで煙害対策の専門家組織が1907年6月に発足し、公衆衛生と大気汚染の制度化が一歩進みました。

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1907年6月の録音に関する情報のまとめ

1907年6月のエジソン系円筒録音(当時の表記では「エジソン・ゴールド・モールド・レコード」)は、1907年5月27日午前8時以降に販売解禁とされる「1907年6月向け新譜リスト」が示されています。器楽ではエジソン・コンサート・バンド(Edison Concert Band)による間奏曲「Golden Rod Intermezzo」などが掲げられ、軍楽ではエジソン・ミリタリー・バンド(Edison Military Band)の新作行進曲が並びます。流行歌はビリー・マレイ(Billy Murray, 生没年不明)らのミュージカル由来のコミック・ソングが入り、宗教曲はアンソニー&ハリソン(Anthony & Harrison, 生没年不明)の賛歌系選曲が継続します。加えて、寸劇(ヴォードヴィル)としてエジソン・ヴォードヴィル・カンパニー(Edison Vaudeville Co., 生没年不明)名義のスケッチも含まれ、家庭用娯楽メディアとしての「短い演目の詰め合わせ」が、月次新譜の設計思想として確認できます。

エジソンの1907年6月向け新譜(エジソン・ゴールド・モールド・レコード)

「ADVANCE LIST FOR JUNE, 1907」として、1907年6月向けの新譜(番号9554以降)が提示されています。例として、エジソン・コンサート・バンド(Edison Concert Band)「Golden Rod Intermezzo」(9554)、ヴェス・L・オスマン(Vess L. Ossman, 1868–1923)のバンジョー独奏「Pretzel Pete」(9557)、ビリー・マレイ(Billy Murray, 生没年不明)「In Washington」(9558)、エジソン・ミリタリー・バンド(Edison Military Band)「The Telescope March」(9561)、エジソン・ヴォードヴィル・カンパニー(Edison Vaudeville Co., 生没年不明)による寸劇「Mrs. Clancy and the Street Musicians」(9564)が含まれます。

エジソン・グランド・オペラ・レコード(補遺第6号)の供給継続

1907年5月(Supplement No. 6, May, 1907)として、エジソン・グランド・オペラ・レコード(Edison Grand Opera Records)の追加5点(番号46–50)が提示され、出荷・販売解禁日程(1907年4月27日午前8時以降)と、各曲の言語(イタリア語・フランス語・ドイツ語)および歌手名が明記されています。1907年6月の月次新譜とは別系統の高級レパートリーとして、在庫確保と販売促進を強く求める文脈が確認できます。

楽曲出版社の明示(1907年6月リスト)

1907年6月の「エジソン・ゴールド・モールド・レコード」新譜については、各曲の出版社(所在地を含む)が別項で列挙されています。たとえば「Golden Rod」(9554)はリオ・ファイスト(Leo Feist)、「With You in Eternity」(9555)および「The Last Rose of Summer is the Sweetest Song of All」(本文表記では9564と記載)はジョセフ・W・スターン・アンド・カンパニー(Jos. W. Stern & Co.)、「In Washington」(9558)はジェローム・H・レミック・アンド・カンパニー(Jerome H. Remicke & Co.)、「Reed Bird」(9559)はM・ウィットマーク・アンド・サンズ(M. Witmark & Sons)などとして整理されています。

メキシコでの追加録音計画(メキシコ向けレコード)

「More Mexican Records」として、ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)の録音担当者ジョージ・ワーナー(George Werner, 生没年不明)が1907年3月上旬にメキシコ合衆国メキシコシティへ出発し、現地の「native artists(原文)」による追加のメキシコ向けレコードを録音する計画が記されています。録音はメキシコ・ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(Mexican National Phonograph Co.)のオフィス(Avenida Oriente No. 117)で行われ、マネージャーはラファエル・カバニャス(Rafael Cabañas, 生没年不明)とされています。

1907年6月新譜の性格(解説欄による位置づけ)

「Comments on Edison Gold Moulded Records for June」として、1907年6月リストの特徴が解説されています。月次リストが多様な趣向を取り込むことで幅広い嗜好に訴える点が述べられ、具体例として、エジソン・コンサート・バンド(Edison Concert Band)の器楽「Golden Rod」(9554)、エディス・ヘレナ(Edith Helena, 生没年不明)による「Cavalleria Rusticana—Intermezzo」(9556)の「バイオリンの声真似(原文意)」、エジソン・ヴォードヴィル・カンパニー(Edison Vaudeville Co., 生没年不明)による寸劇「Mrs. Clancy and the Street Musicians」(9564)などが取り上げられています。