Music recorded in October 1896

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Music recorded in October 1896

1896年10月は、各地で近代化と国際関係の節目が重なった時期です。10月1日、ロシュ(F. Hoffmann-La Roche & Co.)がスイスのバーゼルで創業し、医薬品の工業的製造と国際流通を掲げました。10月5日には、エストニアでパルヌ–ヴァルガ間の狭軌鉄道が開通し、地域交通と物流の基盤が整えられました。10月上旬(5日–9日)、ニコライ2世(Nicholas II, 1868–1918)とアレクサンドラ・フョードロヴナ(Alexandra Feodorovna, 1872–1918)がフランス共和国を訪問し、露仏関係の象徴的行事が続きました。10月18日、プラハで映画の一般上映が行われ、アドルフ・オッペンハイマー(Adolf Oppenheimer, 生没年不明)が短編作品の上映を担いました。10月25日、ブダペストの応用美術館(Museum of Applied Arts)が開館し、フランツ・ヨーゼフ1世(Franz Joseph I, 1830–1916)が式典に出席しました。アディスアベバ条約(Treaty of Addis Ababa)は同月に締結されましたが、署名日付は資料により異同があり、確定できません。

Confirmed recordings this month: 0

1896年10月の録音に関する情報のまとめ

1896年10月は、円盤式のグラモフォン(Gramophone)をめぐる販売・流通の契約が動き、録音産業の勢力図に影響を与えた時期として確認できます。一方で、1896年10月に特定のシリンダー録音セッション(曲名・演者・録音日)を月単位で確定できる一次的な一覧は、こちらの手元資料上は確認できません。以下では、1896年10月に日付が明示されている録音産業上のトピックスを整理します。

エミール・ベルリナーの独占販売ライセンス(1896年10月10日)

1896年10月10日、エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851–1929)の側は、フランク・シーマン(Frank Seaman, 1858–1939)に対して、アメリカ合衆国でのグラモフォン製品の独占的な取扱いに関する契約を結んだことが確認できます。この契約は、後年の法的紛争や流通再編へつながる重要な前提として扱われています。

ナショナル・グラモフォン・カンパニー設立(1896年10月21日)

前項の契約から11日後(1896年10月21日)、フランク・シーマン(Frank Seaman, 1858–1939)らがナショナル・グラモフォン・カンパニー(National Gramophone Company)を組織し、販売代理の枠組みを具体化した流れが確認できます。これにより、円盤と機械の販売体制がニューヨークを軸に整えられていきました。

ワシントン/フィラデルフィアでの録音とプレス体制(1896年の体制として確認)

1896年の体制として、録音はワシントンおよびフィラデルフィアで行われ、プレス(量産)はデュラノイド・マニュファクチャリング・カンパニー(Duranoid Manufacturing Company)が担った、という役割分担が説明されています。1896年10月の契約・組織化は、この体制の販売面を押し進める文脈で位置づけられます(ただし、個別録音の実施日が10月であることまでは同資料から確定できません)。