1906年6月に録音された音楽
1906年6月、アメリカ合衆国では食料・医薬品の表示と品質を連邦法で取り締まる純正食品薬品法(Pure Food and Drug Act)が1906年6月30日に署名され、同日に食肉検査法(Meat Inspection Act)も署名されました。鉄道運賃規制を強化するヘップバーン法(Hepburn Act)も1906年6月29日に成立し、進歩主義期の規制強化が具体化します。国際面ではモロッコをめぐる第一次モロッコ危機の枠組みであるアルヘシラス会議(Algeciras Conference)の合意文書(いわゆるアルヘシラス法)が1906年6月18日に「封印」されたとされ、列強間の利害調整が次の段階へ移りました。科学技術では国際電気標準の調整機関として国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)が1906年6月26日に創設会合を開いたとされ、電気産業の国際標準化が制度として動き始めます。海運・輸送ではキュナード・ライン(Cunard Line)の外洋客船ルシタニア(RMS Lusitania)が1906年6月7日に進水し、大西洋航路の大型高速化競争を象徴しました。社会・文化面では、アメリカ合衆国ニューヨークで建築家スタンフォード・ホワイト(Stanford White, 1853–1906)が1906年6月25日に殺害され、のちに大衆紙・法廷報道を巻き込むスキャンダルとして波紋を広げました。
Confirmed recordings this month: 0
1906年6月の録音に関する情報のまとめ
1906年6月の業界資料として、ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)の機関誌『エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)』1906年6月号(第4巻第4号)は、(当月そのものの「録音日」一覧ではなく)同社の円筒レコード新譜供給や販売運用に直結する告知を複数収録しています。具体的には、次々月に当たる1906年8月のエジソン・ゴールド・モールド・レコード(Edison Gold Moulded Records)の出荷予定リスト、同じくオペラ系高価格帯であるエジソン・グランド・オペラ・レコード(Edison Grand Opera Records)の第3回リスト(1906年8月分)と補遺(サプリメント)告知、さらに価格協定・流通統制(契約違反防止)に関する注意喚起がまとまっており、「どの録音がいつ市場に出るか」「高付加価値レーベルをどう売るか」という月次運用の輪郭を確認できます。
1906年8月出荷予定のエジソン・ゴールド・モールド・レコード(新譜案内)
『エジソン・フォノグラフ・マンスリー(Edison Phonograph Monthly)』1906年6月号には、1906年8月向けの新譜(エジソン・ゴールド・モールド・レコード)の案内が掲載され、ジョバー(卸)への先行受注と出荷時期を前提に、番号ベースでの発注・補足物(サプリメント等)の扱いが整理されています。ここから、同社の新譜供給が「月次の前倒し発表→卸への先行出荷→小売の販売解禁」という手順で運用されていたこと、またタイトル単位の消費を継続的に回すための月次パッケージが重視されていたことが確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Audio/Edison-Phonograph/Edison-Phonograph-Monthly-1906-Vol-4.pdf
- https://archive.org/details/edisonphonograph04moor
エジソン・グランド・オペラ・レコード第3回(1906年8月分)と補遺(サプリメント)
同じ1906年6月号には、エジソン・グランド・オペラ・レコード(Edison Grand Opera Records)の「リスト第3回」と、その出荷・販売解禁に関する取り決め(卸・小売の注文締切や取り扱い手順を含む)がまとめて掲載されています。通常の月次新譜とは別枠で運用される高価格帯シリーズとして、補遺(サプリメント)形式での周知と、販売開始時刻まで含めた統制が強調されている点が特徴です。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Audio/Edison-Phonograph/Edison-Phonograph-Monthly-1906-Vol-4.pdf
- https://archive.org/details/edisonphonograph04moor
価格協定・契約違反防止に関する注意喚起(流通統制と販売秩序)
1906年6月号には「協定を破ってはならない」旨の注意喚起が掲げられ、卸・小売の販売秩序(価格協定を含む)を維持するための運用上の姿勢が示されています。これは単なる社内方針ではなく、録音物(円筒レコード)の市場投入を月次で継続するために、値崩れ・フライング販売・無秩序な再流通を抑える実務上の枠組みとして位置づけられます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Audio/Edison-Phonograph/Edison-Phonograph-Monthly-1906-Vol-4.pdf
- https://archive.org/details/edisonphonograph04moor
コイン・スロット式蓄音機の扱い(レコード消費の場としての店舗・娯楽空間)
1906年6月号の項目にはコイン・スロット式蓄音機(Coin-Slot Phonographs)に関する扱いも含まれ、家庭内だけでなく、店舗や娯楽空間での再生がレコード需要を形成する一要素として意識されていたことが読み取れます。月次の新譜供給と並行して、再生機会(聴取の場)をどう確保するかが、録音物ビジネスの一部として語られている点が重要です。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-All-Audio/Edison-Phonograph/Edison-Phonograph-Monthly-1906-Vol-4.pdf
- https://archive.org/details/edisonphonograph04moor
