Music recorded in November 1906
1906年11月は、通信・政治・社会政策・文化がそれぞれ具体的な日付を伴って動いた月でした。11月3日、ドイツ帝国ベルリンで国際電信通信会議が合意文書に署名し、遭難信号「SOS(…—…)」を国際的に優先扱いする方針が定められました。11月6日、アメリカ合衆国では連邦議会の中間選挙(下院選挙)が行われ、政権与党の勢力が維持されつつも議席配分が動きました。11月11日、デンマーク王国コペンハーゲンの王立劇場で、カール・ニールセン(Carl Nielsen, 1865–1931)の歌劇『仮面舞踏会(Maskarade)』が初演されました。11月22日、清(中国)では阿片の禁止を掲げる勅令(公布日が明示された英訳版が流通)が出され、薬物政策が国際問題としても可視化されました。11月29日、アメリカ合衆国カリフォルニア州知事ジョージ・クーパー・パーディー(George Cooper Pardee, 1857–1941)が州の感謝祭日を布告し、同年の災害対応後の社会的文脈の一端を示しました。
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1906年11月の録音に関する情報のまとめ
1906年11月15日付の業界紙トーキング・マシン・ワールド(The Talking Machine World)には、年末商戦を見据えた「1906年12月のレコード告知」として、ビクター・トーキング・マシン・カンパニー(Victor Talking Machine Company)およびコロムビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)の新譜(主にディスク)掲載が確認できます。また同号には、ナショナル・フォノグラフ・カンパニー(National Phonograph Company)系のエジソン(Edison)円筒レコードについて、1907年1月分の新譜リスト(発売制限時刻を含む案内)が掲載されています。さらに、コロムビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)が長マンドレル機で再生する「半フィート長」円筒(Twentieth Century half foot cylinder)を推す広告や、グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi, 1874–1937)と発明の独占管理に関する告知、同社ラボでのポーランド系レパートリー録音に触れた記事断片も同号内に確認できます。
エジソンの1907年1月新譜(円筒)告知
トーキング・マシン・ワールド(The Talking Machine World)1906年11月15日号には、エジソン(Edison)の「1907年1月」分として、新しいエジソン・ゴールド・モールド(Edison Gold Moulded Records)のリストが掲載されています。案内文には、在庫が1906年12月27日以前にジョバーへ到着する見込みであること、ただし同日午前8時以前の販売・再出荷を禁じる旨など、発売運用の条件が明示されています。
ビクターの1906年12月新譜(ディスク)告知
同号の「1906年12月のレコード告知」欄には、ビクター・トーキング・マシン・カンパニー(Victor Talking Machine Company)の新譜として、10インチ盤・12インチ盤にまたがる複数ジャンルのタイトルが番号付きで掲載されています。例えば、ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa, 1854–1932)のスーザ楽団の12インチ盤選曲など、年末需要を意識したカタログ構成が確認できます。
コロムビアの1906年12月新譜(10インチ盤・12インチ盤)告知
同号の「1906年12月のレコード告知」欄には、コロムビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)の「10インチ盤」「12インチ盤」の新譜が、曲目・担当者・番号付きで並記されています。オペラ断片(イタリア語デュエット)から、軍楽・ダンス系、話芸(talking record)まで混在しており、同社のディスク商品群の幅を示す掲載になっています。
コロムビアの「半フィート長」円筒と長マンドレル機の販売訴求
同号広告には、コロムビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)が「半フィート長」円筒(Twentieth Century half foot cylinder)を訴求し、これに対応する長マンドレル仕様の機種群(複数モデル名と価格帯)を挙げて、取扱い上の優位(他社標準長との両対応など)を強調する記述が確認できます。
グリエルモ・マルコーニの関与をうたうコロムビアの告知
同号には、コロムビア・フォノグラフ・カンパニー(Columbia Phonograph Company)が、無線電信の発明者として知られるグリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi, 1874–1937)の「実験スタッフ参加」および「トーキング・マシン関連発明の独占管理」をうたう告知(広告)が掲載されています。記述は将来の技術的展開を示唆する形で提示されています。
コロムビア録音ラボでのポーランド系録音(25件)への言及
同号の業界記事断片(地域欄)には、ジョン・ホーフライター(John Hofreiter, 生没年不明)が「ポーランド民謡を中心に25件のレコードをコロムビアのラボで制作した」とする趣旨の記述が確認できます。具体的な曲目・発売番号・録音日までは同箇所からは確定できませんが、録音活動の存在自体は明示されています。
