Music recorded in April 1918

This article can be read in about 5 minutes.
Sponsored Links

Music recorded in April 1918

1918年4月は、戦争と国家制度の再編が同時進行した月でした。4月1日にはイギリス空軍(Royal Air Force)が発足し、航空戦力が独立軍種として制度化されました。ロシア革命後の極東では4月5日に日本軍とイギリス軍がウラジオストクへ上陸し、連合国の干渉が具体化しました。フィンランド内戦では4月6日にタンペレが白軍の手に落ち、4月9日にはベッサラビアがルーマニアとの統合を決議しました。西部戦線では4月21日にマンフレート・フォン・リヒトホーフェン(Manfred Freiherr von Richthofen, 1892–1918)が戦死し、23日のゼーブルッヘ襲撃、24日のヴィレル=ブルトヌー周辺戦では戦車戦と機械化戦争の進行が可視化されました。1918年4月は、帝国の戦争が各地域の政変や軍制改革と直結していたことを示す月です。

Confirmed recordings this month: 0

1918年4月の録音に関する情報のまとめ

1918年4月の録音関係資料を見ると、市場の動きは個別録音日だけでなく、店頭実演、家庭への持ち込み試聴、分割払い、兵士向け需要、海外入荷といった販売実務の面にはっきり表れています。以下は、当月資料上で活動を直接確認できた企業や販売網に限って整理したもので、個別録音の一覧とは分けて扱います。

Edison

1918年4月の資料では、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)の製品が店頭実演と海外入荷の両面で動いていました。4月14日付『The Augusta Herald』の広告では、「ニュー・エジソン」を “The Phonograph with a Soul” として掲げ、ダイアモンド・ディスクの新作試聴を来店者に促し、本体価格を106ドル–290ドル、分割払い可、値上げなしと示しています。さらに4月30日付『The Straits Times』では、ジョン・リトル社(John Little Co., Ltd.)がエジソン・ダイアモンド・ディスクの新しい機械とレコードの到着を告知しており、1918年4月時点で海外販売網も動いていたことが確認できます。

Columbia

1918年4月の資料では、コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Company)の製品が、家庭試聴と戦時慰問の両面で流通していました。4月26日付『The Fayetteville News』の広告では、コロムビア・グラフォノーラを家庭へ持ち込んで家族全員で試す販売方法が示され、店頭だけでなく自宅環境で購入判断を促す販売実務が確認できます。さらに4月24日付『The Augusta Herald』では、キリスト教青年会(Young Men’s Christian Association)とコロンブス騎士会(Knights of Columbus)の兵士用施設にコロムビア・グラフォノーラが置かれていること、カナダ遠征軍(Canadian Expeditionary Force)の区域だけでも多数の機械とレコードが用いられていたことが紹介され、同社製品が慰問物資としても位置づけられていたことが分かります。

アエオリアン・ヴォカリオン

1918年4月の資料では、アエオリアン・ヴォカリオン(Aeolian Vocalion)がオーストラリアのピアノーラ社(Pianola Company Pty. Ltd.)を通じて集中的に販促されていました。4月19日付広告では、同機が新しいフォノグラフとして宣伝され、「Graduola」と呼ばれる表現装置を前面に出し、既存蓄音機の下取りとカタログ請求を案内し、価格を9ポンド10シリングからと示しています。さらに4月20日付広告では、12か月無償で良好な状態を保つ保証とともに、複数機種から選べることが示されており、同月の販売攻勢が継続的であったことが確認できます。なお、音質面の優位性については広告上の訴求であり、第三者資料での同月検証は今回確認できませんでした。

Pattyphone

1918年4月の資料では、パテフォン(Pathéphone)がタスマニアのフィンドレイズ(Findlays)を通じて反復的に宣伝されていました。4月10日付と4月24日付の広告はいずれも “The Pathephone speaks for itself” と “No Needles required” を前面に掲げ、来店して実際に聴くよう促しています。確認できた範囲では、同月の訴求点は針を要しない方式と店頭試聴の呼びかけに集中しており、家庭用機としての差別化を明確に打ち出していました。