Music recorded in February 1926
1926年2月は、政治・法制・交通・文化の各分野で転機が重なった月でした。2月1日にピシュペクはキルギス自治ソビエト社会主義共和国の首都となり、中央アジアの再編が一段進みました。アメリカ合衆国ではカーター・G・ウッドソン(Carter G. Woodson, 1875–1950)が2月にネグロ・ヒストリー・ウィーク(Negro History Week)を初めて実施し、黒人史を公に記憶する運動が新しい段階に入りました。2月15日には同国で最初の商業航空郵便飛行が始まり、航空輸送の民間運用も前進しました。トルコ共和国では2月17日にトルコ民法典(Turkish Civil Code)が採択され、世俗的民事法体系の整備が進みました。シャム王国では2月25日にラーマ7世ことプラチャーティポック(Prajadhipok, 1893–1941)の戴冠式が行われ、翌26日にはアメリカ合衆国で1926年歳入法(Revenue Act of 1926)が成立しました。中国では徐悲鴻が2月に上海で大規模個展を開き、近代中国美術の存在感を強めました。
Confirmed recordings this month: 0
1926年2月の録音に関する情報のまとめ
1926年2月の録音業界では、1925年秋に前面化した電気録音と新型再生機の流れが、2月には実演、販促、新録音、地方販売へと具体化していました。確認できる範囲では、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Co., Inc.)、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(Okeh Records)、ブランズウィック=バルク=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)、スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)で当月活動が確認でき、技術訴求と実際の録音進行が並行していたことがわかります。
Victor
1926年2月号の『Bell Laboratories Record』は、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)の新しいオーソフォニック蓄音機と電気録音法が実演付きで紹介されたと伝えています。UCSBのDiscography of American Historical Recordingsでは、2月25日と2月26日にヴィクターの録音日が確認でき、2月26日のページでは同社の録音が複数示されており、同月のヴィクターが技術訴求と録音実務を同時に進めていたことが確認できます。
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Bell-Laboratories-Record/20s/Bell-Laboratories-Record-1926-02.pdf
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1926-02-25
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=FirstTakeDate.desc&date=1926-02-26
Columbia
『Variety』1926年2月号では、ニューオーリンズの地元楽団がコロムビア盤を代表する存在として紹介され、ニューヨークのアーカディア・ボールルームの楽団についてはコロムビア録音予定と報じられています。さらに、南部の新規楽団の録音参加や、いわゆるヒルビリー盤の売れ行き上昇も同号で触れられており、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Co., Inc.)が地方市場、新規録音、既存カタログ販売を同時に動かしていたことがわかります。UCSBのDiscography of American Historical Recordingsでも、2月23日、25日、26日にコロムビアの録音が確認できます。
- https://archive.org/stream/variety81-1926-02/variety81-1926-02_djvu.txt
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle&date=1926-02-23
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=FirstTakeDate.desc&date=1926-02-26
OK
ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(Okeh Records)では、『Variety』1926年2月号のディスク評がカサ・ロペス・オーケストラ(Casa Lopez Orchestra)のオーケー盤を具体的な番号付きで紹介しています。UCSBのDiscography of American Historical Recordingsでは、2月23日にオーケーの録音、2月26日にはホット・ファイヴ(Hot Five)の『Heebie Jeebies』を含む録音が確認でき、同月のオーケーがダンス楽団録音とジャズ録音の双方を継続していたことがわかります。
- https://archive.org/stream/variety81-1926-02/variety81-1926-02_djvu.txt
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle&date=1926-02-23
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=FirstTakeDate.desc&date=1926-02-26
Brunswick
ブランズウィック=バルク=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)では、『Variety』1926年2月号がパナトロープ(Panatrope)の普及がレコード売上を刺激していると報じ、同じ号で新規アーティストと新しいダンス楽団群の拡充も紹介しています。UCSBのDiscography of American Historical Recordingsでは、2月23日、25日、26日に同社の録音が確認でき、再生機販売と新録音投入が並行していたことがわかります。
- https://archive.org/stream/variety81-1926-02/variety81-1926-02_djvu.txt
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle&date=1926-02-23
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1926-02-25
Edison
トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)については、UCSBのDiscography of American Historical Recordingsに2月3日と2月25日の録音が記録されています。少なくともこの月の同社で録音作業が継続していたことは、月内の日付別記録から具体的にたどることができます。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=MatrixNumber&date=1926-02-03
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1926-02-25
Jennette
スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)も、UCSBのDiscography of American Historical Recordingsで2月3日、23日、25日の録音日が確認できます。1926年2月のジェネットは、少なくとも月を通じて断続的に録音日を持ち、他社と並行して新規マトリクスを積み上げていたことがわかります。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=MatrixNumber&date=1926-02-03
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=PrimaryTitle&date=1926-02-23
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1926-02-25
