Music recorded in January 1924
1924年1月は、政治と文化、放送、スポーツの各分野で新しい時代の輪郭がはっきりした月でした。1月6日にはイギリス放送会社(British Broadcasting Company)が最初の宗教礼拝放送を行い、ラジオが公共文化の中核へ入り始めます。1月10日にはコロムビア・ピクチャーズ社(Columbia Pictures Corporation)が発足し、映画産業の一角を担う新会社が動き始めました。1月20日–30日には広州で中国国民党第一次全国代表大会(First National Congress of the Kuomintang)が開かれ、孫文(Sun Yat-sen, 1866–1925)のもとで党の再編が進みます。1月21日にはウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin, 1870–1924)が死去し、翌22日にはラムゼイ・マクドナルド(Ramsay MacDonald, 1866–1937)がイギリス初の労働党政権を率いる首相に就任しました。さらに1月25日にはシャモニー国際冬季スポーツ週間(International Winter Sports Week)が開幕し、この大会は後に第1回冬季オリンピックとして位置づけられました。
Confirmed recordings this month: 0
1924年1月の録音に関する情報のまとめ
1924年1月の録音産業では、年初の販売促進と専属芸術家の広告展開が続く一方で、実際の録音制作も各社で進んでいました。アメリカ合衆国カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館の Discography of American Historical Recordings で確認できる1924年1月4日、11日、14日、15日の録音日一覧には、ビクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)、コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)、ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Co.)、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)、スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)など複数会社の活動が見えます。同時代誌では、年頭の販売告知や専属録音広告も確認でき、録音制作と販促が並行して進んでいたことが分かります。
Victor
ビクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)は、アメリカ議会図書館が紹介する『ザ・ヴォイス・オブ・ザ・ヴィクター』(The Voice of the Victor)1924年1月号で、新年最初の営業月に向けた強い販促姿勢を示していました。これに加えて、Discography of American Historical Recordings では1924年1月4日と1月15日の録音が確認でき、同社が年初から宣伝と新録音を並行して進めていたことが分かります。
- https://www.loc.gov/collections/national-jukebox/articles-and-essays/phonograph-advertising/
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1924-01-04
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1924-01-15
Columbia
コロムビア・グラフォフォン社(Columbia Graphophone Co.)では、Discography of American Historical Recordings の1924年1月4日付一覧で同社の録音が確認できます。今回確認できた公開資料の範囲では、1924年1月の全国広告や販売店施策を直接示す一次資料までは十分に確保できませんでしたが、少なくとも月初の録音活動自体は確認できます。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1924-01-04
- https://catalog.hathitrust.org/Record/102981611
Brunswick
ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Co.)のブランズウィック・レコード(Brunswick Records)は、1924年1月3日付『ヴァラエティ』(Variety)に専属芸術家を前面に出した広告を掲載していました。さらに Discography of American Historical Recordings では1月11日の録音が確認でき、年初の販促と録音制作が同時進行していたことが分かります。
- https://archive.org/details/variety73-1924-01
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1924-01-11
OK
ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)は、Discography of American Historical Recordings の1924年1月4日一覧と1月11日一覧で録音が確認できます。今回確認できた範囲では、同月の広告資料は十分に確保できませんでしたが、同社が1月前半に録音制作を続けていたこと自体は確実です。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1924-01-04
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1924-01-11
- https://www.si.edu/object/archives/components/sova-nmah-ac-0060-s01-01-phonographs-ref541
Jennette
スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)は、Discography of American Historical Recordings の1924年1月4日一覧と1月14日一覧で録音が確認できます。したがって、同社も1924年1月前半に実際の録音活動を継続していたことが分かります。
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse/1924-01-04
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?Matrix_sort=Company&date=1924-01-14
- https://archives.libraries.rutgers.edu/repositories/6/resources/311
Edison
トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では、アメリカ合衆国国立公園局の資料に、エジソン・ダイアモンド・ディスク(Edison Diamond Disc)第51278-R番が1924年1月発売と明記されています。加えて Discography of American Historical Recordings の1924年1月11日一覧では同社の録音が確認でき、発売と新録音の両面で当月の活動が確認できます。
- https://www.nps.gov/edis/learn/photosmultimedia/country-and-anglo-american-folk-songs.htm
- https://adp.library.ucsb.edu/index.php/date/browse?date=1924-01-11
Vocalion
エオリアン社(The Aeolian Company)のヴォカリオン・レコード(Vocalion Records)は、1924年1月3日付『ヴァラエティ』(Variety)に専属録音を前面に出した広告を掲載していました。これにより、同社が1924年1月の時点で専属芸術家を軸とする販売宣伝を進めていたことが確認できます。
