1925年9月に録音された音楽

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1925年9月に録音された音楽

1925年9月は、軍事、政治、文化、航空技術の話題が交錯した月でした。9月3日、アメリカ合衆国海軍(United States Navy)の飛行船シェナンドー号(USS Shenandoah)がオハイオ州上空で墜落し、航空機材の安全性が大きく問われました。9月8日には、スペイン王国(Kingdom of Spain)とフランス共和国(French Republic)の連合軍がモロッコでアルフセマス上陸作戦(Battle of Alhucemas)を開始し、リーフ戦争(Rif War)の転機となりました。9月14日にはサムソン・ラファエルソン(Samson Raphaelson, 1894–1983)の舞台『ジャズ・シンガー』(The Jazz Singer)が開幕し、9月18日、チリ共和国(Republic of Chile)では新憲法が公布されました。さらに9月20日にはハロルド・ロイド(Harold Lloyd, 1893–1971)主演の映画『フレッシュマン』(The Freshman)が公開され、映画産業の人気の高さを示しました。

この月の確認されている録音:0曲

1925年9月の録音に関する情報のまとめ

1925年9月の録音業界では、電気録音の訴求と廉価商品の拡充が同時に進みました。現存する同月の業界資料とディスコグラフィで活動を確認できる範囲では、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Co., Inc.)、ブランズウィック=バルク=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Co.)、ソノラ・フォノグラフ社(Sonora Phonograph Company, Inc.)、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)が、それぞれ異なる価格帯や機種、録音分野を前面に出して秋商戦へ向けた動きを見せていました。録音そのものの改良だけでなく、再生機、携帯型機種、廉価盤、地方録音や外国語録音を組み合わせて需要を広げようとする構図が、この月の特徴として読み取れます。

コロムビア

1925年9月の『The Talking Machine World』では、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Co., Inc.)による新しい販売方針の告知と、廉価盤ハーモニー・レコード(Harmony Records)の発表が確認できます。主力盤とは別に廉価帯の商品を明確に打ち出したことで、上位商品と低価格商品を並行して展開する販売戦略が、この月にはっきり表れました。

ブランズウィック

1925年9月の業界誌では、ブランズウィック=バルク=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Co.)がパナトロープ(Panatrope)を前面に出しており、電気録音盤と電気式再生機を組み合わせた販売訴求を続けていたことが確認できます。録音媒体だけでなく再生装置の側から高音質を示そうとした点に、この時期の同社の特徴があります。

ソノラ

1925年9月号の業界誌では、ソノラ・フォノグラフ社(Sonora Phonograph Company, Inc.)がパル(Pal)とリーガル(Regal)のポータブル型について、マホガニー仕上げの新モデルを告知しています。固定式の大型機だけでなく、携帯性を備えた製品を秋の販売期に合わせて押し出していたことが分かり、同社が家庭内の設置型市場とは別の需要も意識していたことがうかがえます。

オーケー

1925年9月には、ゼネラル・フォノグラフ社(General Phonograph Corporation)のオーケー・レコード(OKeh Records)で、同月付の録音がニューヨークとダラスの双方で確認できます。UCSBのディスコグラフィでは、ニューヨークでの外国語録音、ダラスでのダンス・バンド録音や宗教録音などが1925年9月付で載っており、同社がこの月にも都市別、分野別に幅広い録音を進めていたことが分かります。