Music recorded in August 1927

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Music recorded in August 1927

1927年8月は、政治、交通、映画、司法、金融が同時に大きく動いた月でした。8月1日には南昌起義(Nanchang Uprising)が起こり、中国革命史の重要な節目となりました。8月7日にはピース橋(Peace Bridge)の公式開通式が行われ、アメリカ合衆国とカナダを結ぶ象徴的な国際橋梁が祝賀されました。8月12日には映画『つばさ』(Wings)が公開され、無声映画末期を代表する航空映画として強い印象を残しました。8月23日にはニコラ・サッコ(Nicola Sacco, 1891–1927)とバルトロメオ・ヴァンゼッティ(Bartolomeo Vanzetti, 1888–1927)が処刑され、各地で抗議が広がりました。経済面では8月中旬にアメリカ連邦準備制度で利下げが進み、金融緩和の方向がいっそう明確になりました。

Confirmed recordings this month: 0

1927年8月の録音に関する情報のまとめ

1927年8月の録音業界では、地方出張録音、都市スタジオ録音、民族語カタログ制作が並行して進んでいました。ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)はブリストル出張録音と民族語録音を同月内に行い、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)とコロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)のオーケー・レコード(Okeh Records)は移民市場向け原盤を残していました。ブランズウィック=バルク=コレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Company)のブランズウィック・レコード(Brunswick Records)は都市型ダンス・バンド盤を収録し、トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)のエジソン・レコード(Edison Records)と、スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)でも8月録音が確認できます。資料上で1927年8月の活動を直接確認できる主要企業として、少なくとも以下の各社を挙げることができます。

Victor

ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)は、1927年8月に二つの方向で活動していました。8月1日–5日にはブリストル出張録音でカーター・ファミリー(The Carter Family)やジミー・ロジャーズ(Jimmie Rodgers, 1897–1933)らを収録し、8月8日にはドゥシャン・ヨヴァノヴィチ(Dusan Jovanovic, 生没年不明)とオラオ・タンブリツァ・オーケストラ(Orao Tamburica Orchestra)によるクロアチア語系録音も残しています。地方音楽の現地収録と移民市場向け録音を、同じ月の中で並行させていたことが確認できます。

Columbia

コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)は、1927年8月のニューヨークで民族語カタログ向け制作を続けていました。セルビア語系ではオブラド・ジュリン(Obrad Djurin, 生没年不明)によるW108249「Hat mu sede nane」とW108250が8月録音として残り、同じ月の12インチ系列にはアントニオス・サケラリオウ(Antonios Sakellariou, 生没年不明)らによるギリシア語系原盤W205661とW205662も確認できます。少なくともこの月の同社が、英語圏向け流行盤だけでなく移民市場向け商品を継続的に作っていたことは確実です。

OK

コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)のオーケー・レコード(Okeh Records)でも、1927年8月31日のニューヨーク録音が確認できます。オブラド・ジュリン(Obrad Djurin, 生没年不明)によるW81408「San zaspala」とW81409「Jer ne mogu mila nane」は、タンブリツァ伴奏付きのセルビア語系録音として残っており、少なくとも月末時点で同ブランドが民族語市場向け制作を明確に続けていたことがわかります。

Brunswick

ブランズウィック=バルク=コレンダー社(The Brunswick-Balke-Collender Company)のブランズウィック・レコード(Brunswick Records)は、1927年8月31日にバーニー・カミンズ楽団(Bernie Cummins Orchestra)の録音を行い、Brunswick 3625に結びつく原盤群を残しました。ここでは男性ヴォーカル・トリオ入りのダンス・バンド盤が確認でき、同社が月末時点でも都市型大衆娯楽市場に向けた新譜制作を続けていたことが読み取れます。

Edison

トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)のエジソン・レコード(Edison Records)でも、1927年8月4日の録音が確認できます。この日の一覧には、エジソン・シンフォニー・オーケストラ(Edison Symphony Orchestra)による「Blue Danube waltz」と「Tales from the Vienna woods」が掲載されており、同社が1927年8月の時点でもオーケストラ物を含むディスク録音商品を継続的に制作していたことがわかります。

Jennette

スター・ピアノ社(Starr Piano Co.)のジェネット・レコード(Gennett Records)も、1927年8月に録音活動を続けていました。8月9日にはジーン・キャロル(Gene Carroll, 生没年不明)とアル・グレイディ(Al Grady, 生没年不明)による12976と12977が、8月15日にはロイ・メルドン(Roy Meldon, 生没年不明)による13000と13001が確認できます。少なくともこの月のジェネットは、リッチモンドで継続的に原盤制作を行っていたと判断できます。