Music recorded in November 1927
1927年11月は、政治、交通、科学、社会、文化が各地で同時に動いた月でした。11月1日にはパレスチナ通貨委員会(Palestine Currency Board)の通貨が流通期に入り、パレスチナ・ポンド(Palestine pound)の運用が始まりました。11月2日–3日にはトマス・スターンズ・エリオット(Thomas Stearns Eliot, 1888–1965)がイギリス国籍を取得しました。11月13日にはホランド・トンネル(Holland Tunnel)が開通し、機械換気式の水底自動車トンネルとして新時代を示しました。11月15日にはシュワスマン=ヴァハマン第1彗星(Comet Schwassmann-Wachmann 1)が発見されました。11月21日にはコロラド州でコロンバイン鉱山虐殺事件(Columbine Mine Massacre)が起こり、炭鉱労働争議が流血に至りました。11月24日–26日にはインド法定委員会(Indian Statutory Commission)の人選と任命が進み、イギリス帝国統治をめぐる対立がいっそう強まりました。
Confirmed recordings this month: 0
1927年11月の録音に関する情報のまとめ
1927年11月の録音関連では、電気録音盤の販売促進、電気再生蓄音機の年末商戦、ラジオとの組合せ機の宣伝、海外市場での実演販売が同時進行していました。コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)はヴィヴァトーナル機と新方式盤を前面に出し、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)はラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ社(Radio Corporation of America)との組合せ機を訴求しつつ、11月30日にジェームズ・チャールズ・“ジミー”・ロジャーズ(James Charles “Jimmie” Rodgers, 1897–1933)をカムデンで録音しました。ブランズウィック・バルク・コーレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)はブランズウィック・パナトロープの実演と放送を同月に確認でき、ソノラ・フォノグラフ社(Sonora Phonograph Co., Inc.)とトーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)も海外市場で実演・販売広告を継続していました。
Columbia
1927年11月のコロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)では、ヴィヴァトーナル機と電気録音盤を一体で売り込む年末販促が確認できます。11月17日–18日の新聞広告では「ニュー・ヴィヴァトーナル・コロムビア」や「電気録音盤」が前面に出され、同月の業界誌でも「ニュー・ヴィヴァトーナル・コロムビア」と「ニュー・プロセス・コロムビア・レコード」が並行して強調されています。したがって当月の同社は、電気録音盤を最もよく鳴らす再生機としての販売訴求を強めていたとみられます。
- https://www.virginiachronicle.com/?a=d&d=US19271118.1.5
- https://www.thecatholicnewsarchive.org/?a=d&d=TCT19271117-01.2.87.5
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Talking-Machine/20s/Talking-Machine-1927-11.pdf
Victor
1927年11月のヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)では、電気再生機の年末販促と新録音の継続が同月内に確認できます。11月18日の広告では、同社とラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ社(Radio Corporation of America)による「ニューエスト・オルソフォニック・ラジオラ・コンビネーション」が訴求されていました。さらに11月30日には、ジェームズ・チャールズ・“ジミー”・ロジャーズ(James Charles “Jimmie” Rodgers, 1897–1933)がカムデンの録音所で録音しており、同社が年末段階でも地方歌手の新録音を続けていたことが確認できます。
- https://www.thecatholicnewsarchive.org/?a=d&d=CUB19271118-01.2.28.4
- https://www.loc.gov/static/programs/national-recording-preservation-board/documents/BlueYodel.pdf
Brunswick
1927年11月のブランズウィック・バルク・コーレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Company)では、ブランズウィック・パナトロープの実演販売と放送連動の宣伝が確認できます。11月の広告では、どのブランズウィック販売店でも実演することが明示され、11月21日と11月28日の番組欄には「Brunswick Panatrope Hour」が載っています。したがって当月の同社は、店頭実演とラジオ番組名の両方に製品名を出し、再生機販売を前面に出す年末商戦を進めていました。
- https://media.musicasacra.com/publications/caecilia/caecilia_v54n11_1927_11.pdf
- https://newspapers.library.in.gov/?a=d&d=IPT19271121.1.13
- https://newspapers.library.in.gov/?a=d&d=IPT19271128.1.11
Sonora
1927年11月のソノラ・フォノグラフ社(Sonora Phonograph Co., Inc.)では、海外市場での実演販売の継続が確認できます。11月25日の広告では、ソノラの「深い音」を強調しつつ、実演を手配するよう勧めていました。同月の業界誌でも、ソノラ・セレクティブ・ラジオとトーナリック・ソノラ蓄音機、販売網に関する記述が確認できます。したがって当月のソノラは、少なくとも英語圏海外市場において、音質実演を軸とする販売活動を続けていました。
- https://paperspast.natlib.govt.nz/periodicals/RADREC19271125.2.18.4
- https://www.worldradiohistory.com/Archive-Talking-Machine/20s/Talking-Machine-1927-11.pdf
Edison
1927年11月のトーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)では、ニュー・エジソン・ダイヤモンド・ディスク蓄音機の販売広告が海外市場で継続していました。11月5日と11月16日の広告には、ニュー・エジソン・ダイヤモンド・ディスク蓄音機、エジソン・ダイヤモンド・ディスク盤とシリンダー盤が並記され、11月25日の広告でもニュー・エジソンがエジソン・ダイヤモンド・ディスク盤を再生する機械として訴求されています。したがって当月の同社は、少なくともオーストラリア市場ではディスク機とディスク盤を組み合わせた販促を維持していたことが確認できます。
- https://trove.nla.gov.au/newspaper/article/32065432
- https://nla.gov.au/nla.news-article32063172
- https://trove.nla.gov.au/newspaper/article/32067531
