Music recorded in February 1928

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Music recorded in February 1928

1928年2月は、国際会議、冬季競技、植民地支配への抗議、航空、物理学が同時に動いた月です。スイスのサンモリッツでは第2回冬季オリンピック競技大会(II Olympic Winter Games)が2月11日–19日に開かれ、独立した冬季大会としての定着が進みました。キューバのハバナでは第六回アメリカ諸国国際会議(Sixth International Conference of American States)が2月20日に閉幕し、アメリカ大陸諸国の条約・決議がまとめられました。インドではインド法定委員会(Indian Statutory Commission)が2月3日にボンベイへ到着すると広範な抗議行動が起こり、反植民地運動の緊張が高まりました。航空ではチャールズ・オーガスタス・リンドバーグ(Charles Augustus Lindbergh, 1902–1974)が2月8日にハバナへ到着し、国際親善飛行が都市の祝祭化と結びつきました。物理学ではチャンドラセカラ・ヴェンカタ・ラマン(Chandrasekhara Venkata Raman, 1888–1970)が2月28日に後にラマン効果と呼ばれる現象を発見し、同月は科学史にも刻まれました。

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1928年2月の録音に関する情報のまとめ

1928年2月の同時代業界資料では、当月の活動を直接確認できる対象として、ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Co.)、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)に加え、その販売・配給を担ったスターリング・ラジオ社(Sterling Radio Co.)、ボールドウィン・ピアノ社(Baldwin Piano Co.)、C・C・ハーヴィー社(C. C. Harvey Co.)の動きが確認できます。資料上で読める主軸は、価格改定、支店新設、名曲アルバム事業、ラジオ網連動、販売店導入、店頭実演です。

Brunswick

1928年2月の業界誌では、ブランズウィック=バルケ=コレンダー社(Brunswick-Balke-Collender Co.)が1928年向けの新価格を掲げてブランズウィック・パナトロープを前面に出していたことが確認できます。さらに2月11日付『The Music Trade Review』では、インディアナポリス、ミルウォーキー、デトロイトの三支店が新設され、シカゴ本部の担当地域を再編したことが報じられており、同社が販売価格の再設定と中西部の流通体制強化を同時に進めていたことがわかります。

Columbia

1928年2月11日付『The Music Trade Review』掲載広告では、コロムビア・フォノグラフ社(Columbia Phonograph Company)が「Columbia Fine Arts Library of Musical Masterworks」を75アルバム規模で訴求していました。あわせて、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770–1827)週間を500超の都市で進めたこと、さらにシューベルト百年祭を1,000のアメリカ都市と26か国へ広げる構想を示しており、1928年2月の同社は名曲録音をアルバム単位で体系化し、記念事業と結びつけて販売する姿勢を強く打ち出していました。

スターリング・ラジオ

1928年2月11日付『The Music Trade Review』では、カンザスシティーがコロムビア放送網に組み込まれ、KMBCから2月1日に最初の番組が放送されたことが報じられています。同記事では、コロムビアとコルスター製品の配給を担うスターリング・ラジオ社(Sterling Radio Co.)が、それまで平日朝に自社で行っていたコロムビア番組を打ち切ったことも記されており、同社がローカル販促からネットワーク利用へ比重を移していたことが確認できます。

Victor

1928年2月18日付『The Music Trade Review』では、セントルイスのボールドウィン・ピアノ社(Baldwin Piano Co.)が、ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)のトーキング・マシン、蓄音機、レコードのフルラインを新たに導入し、2月20日に正式披露すると報じられていました。また同月のボストン記事では、フレッド・ウォーリング(Fred Waring, 1900–1984)率いるウォーリングズ・ペンシルヴェニアンズ(Waring’s Pennsylvanians)がヴィクターのアーティストとして集客に使われており、1928年2月のヴィクターは、新規販路の獲得と人気録音アーティストを用いた店頭販促を並行して進めていました。

ボールドウィン・ピアノ

ボールドウィン・ピアノ社(Baldwin Piano Co.)は1928年2月、セントルイス店でヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)の新ライン導入に合わせて店内改装を進めていました。同記事では、既存のブランズウィック製品に加えてヴィクター製品も扱うことで、ラジオ、ピアノ、蓄音機、レコードを一体的に提示する、より総合的な音楽店構成を目指していたことが読み取れます。

C・C・ハーヴィー

1928年2月11日付『The Music Trade Review』では、C・C・ハーヴィー社(C. C. Harvey Co.)のボストン店舗で、ウォーリングズ・ペンシルヴェニアンズ(Waring’s Pennsylvanians)のフレッド・ウォーリング(Fred Waring, 1900–1984)が特別プログラムを行い、店内に入るだけの聴衆を集めたことが報じられています。ここではヴィクター録音の人気曲が実演されており、同社が1928年2月に録音アーティストの知名度を直接販売へ結びつける店頭イベントを展開していたことが確認できます。