1926年6月に録音された音楽

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1926年6月に録音された音楽

1926年6月は、国際秩序の再編、植民地支配への抗議、放送文化の始動、前衛芸術の公的公開、教育制度の標準化が同時に進んだ月です。5日、トルコ共和国(Republic of Turkey)はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)およびイラク王国(Kingdom of Iraq)との協定によってモスル問題(Mosul Question)に一区切りを付けました。6日にはジュネーヴでセンター・ウィリアム・ラパール(Centre William Rappard)が開館し、国際労働機関(International Labour Organization)の本拠環境が整いました。10日、朝鮮では純宗(Sunjong of Korea, 1874–1926)の国葬を機に六月十日運動(June Tenth Movement)が起こり、反植民地運動が広がりました。12日にはカウナス放送局(Kaunas Radio Station)が初放送を行い、リトアニアのラジオ放送史が始まりました。19日にはジョージ・アンタイル(George Antheil, 1900–1959)の《バレエ・メカニック》(Ballet Mécanique)がパリで公開初演され、23日にはスカラスティック・アプティチュード・テスト(Scholastic Aptitude Test)が初めて実施されました。

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1926年6月の録音に関する情報のまとめ

1926年6月の録音業界では、電気録音期の主要各社が同月の複数日付に並んで現れており、ジャズ、ダンス音楽、地方歌、宗教歌、器楽、民族系レパートリーが同時進行で制作されていました。6月8日のアメリカ歴史録音ディスコグラフィ(Discography of American Historical Recordings)では、ヴィクター、コロムビア、オーケー、ブランズウィック、エジソンが同日に確認でき、6月15日にはジェネット、6月19日にはプラザ、6月24日には再び複数系統の録音が確認できます。月全体としてみると、1926年6月は大手各社が都市向け流行歌だけでなく、地方歌、宗教歌、移民市場向け録音にも継続して取り組んでいた月でした。

エジソン

トーマス・A・エジソン社(Thomas A. Edison, Inc.)のエジソン・レコード(Edison Records)では、6月8日にチャーリー・スキート・オーケストラ(Charlie Skeete Orchestra)の《Tampeekoe》《Deep Henderson》、ヘレン・クラーク(Helen Clark, 生没年不明)とチャールズ・ハリソン(Charles Harrison, 1878–1965)による《My Sweetheart, My Mother, and Home》、アーサー・フィールズ(Arthur Fields, 1888–1953)の《My Dream of the Big Parade》が確認できます。さらに6月24日にはアンナ・ケース(Anna Case, 1889–1984)による《Only a Rose》《A Night of Love》も見え、同月の同社がダンス音楽、通俗歌、声楽曲を並行して制作していたことがわかります。

ヴィクター

ヴィクター・トーキング・マシン社(Victor Talking Machine Company)では、6月8日にケリー・ハレル(Kelly Harrell, 1889–1942)の《New River Train》《Rovin’ Gambler》《I Wish I Was a Single Girl Again》《Butcher’s Boy》、フランセス・アルダ(Frances Alda, 1879–1952)の《Ever of Thee I’m Fondly Dreaming》《Carmena》、ザ・レヴェラーズ(The Revelers)の《The Blue Room》が確認できます。10日にはフィラデルフィア・オーケストラ(Philadelphia Orchestra)とレオポルド・ストコフスキ(Leopold Stokowski, 1882–1977)による《Blue Danube Waltz》が録音され、24日には南スラヴ系言語による録音も見えるため、同社が六月を通じて地方歌、声楽、クラシック、民族系録音を幅広く扱っていたことが読み取れます。

コロムビア

コロムビア・レコード(Columbia Records)では、6月8日にコロムビア・バンド(Columbia Band)の《National Emblem March》《The Stars and Stripes Forever March》が確認できます。さらに10日には《Step on the Blues》、24日には《Valencia》、29日には《Lucky Day》が見え、同月の同レーベルが行進曲、器楽、流行歌を継続して供給していたことがわかります。

オーケー

オーケー・レコード(OKeh Records)では、6月8日にジャズ・パイロッツ(Jazz Pilots)の《Hi Ho the Merrio as Long as She Loves Me》《No Foolin’》が確認できます。12日にはシカゴ・コロシアムでオーケーの大規模興行「Cabaret and Style Show」が開かれ、ルイ・アームストロング・アンド・ヒズ・ホット・ファイヴ(Louis Armstrong and His Hot Five)の舞台実演が確認できます。さらに同月のオーケー録音群にはポーランド語レパートリーも見え、同社が黒人音楽市場と移民市場の双方に向けて六月中も積極的に制作を続けていたことがわかります。

ブランズウィック

ブランズウィック・レコード(Brunswick Records)では、6月8日にブラックバーズ・オブ・ハーモニー(Blackbirds of Harmony)の《So’s Your Old Man (How’d You Get That Way)》《Wasn’t It Nice》、アル・ゴーリングズ・コレジアンズ(Al Goering’s Collegians)の《Hard-to-Get Gertie》《That’s Where I Meet My Girl》、エスター・ウォーカー(Esther Walker, 生没年不明)の《Hard-to-Get Gertie》《Brighten My Days》《I Don’t Want Nobody but You》が確認できます。15日にはエリーザベト・レートベルク(Elisabeth Rethberg, 1894–1976)による《Murmelades Lüftchen》、24日にはコットン・ベルト・カルテット(Cotton Belt Quartet)の《Go Down, Moses》も見え、同社が流行歌、声楽、宗教歌を横断して録音していたことがわかります。

ジェネット

スター・ピアノ社(Starr Piano Company)のジェネット・レコード(Gennett Records)では、6月15日にドルーリー・レニントン(Drury Lenington, 生没年不明)の《I’ll Never Miss You Again》《Lay My Head Beneath a Rose》が確認できます。さらに六月付ではウェズリー・トリオ(Wesley Trio)の《Everytime I Feel de Spirit》《Toll the Bell, Toll the Bell》も確認でき、同社が同月にも流行歌と宗教歌の双方を制作していたことがわかります。

プラザ

プラザ・レコード(Plaza Records)では、6月10日に《Hard-to-Get Gertie》が確認でき、19日にはエイドリアン・シューバート・オーケストラ(Adrian Schubert Orchestra)とチャールズ・ハリソン(Charles Harrison, 1878–1965)による《Thinking》《Sleepy Head》が確認できます。六月の時点で同レーベルが流行歌系のダンス楽団録音を継続していたことがわかります。